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オックスフォード・ハンドブック デフ・スタディーズ ろう者の研究・言語・教育
原書: Oxford Handbook of Deaf Studies, Language, and Education Volume 1, Second Edition
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2015年2月
- 書店発売日
- 2015年2月28日
- 登録日
- 2015年2月10日
- 最終更新日
- 2015年2月16日
紹介
ろう教育の論点、ろうの子どもたちのリテラシー、手指言語の起源から発達、聴覚スクリーニングとアセスメントの方法、ろう者の認知研究まで、教育学、心理学、言語学、遺伝学、行動科学各分野の専門家が多様な視点から論じる。初学者はもとより、実践の理論的背景を学ぼうとする教育者、専門性を深めようとする研究者にも有用な、本邦初のデフ・スタディーズ・ハンドブック。
目次
日本語版の刊行に寄せて
序
本書で用いた訳語について
はじめに
第1部 教育の論点
第1章 ろう教育の歴史的展望
第2章 ろう者と難聴者の人口学的および学力の特性
第3章 カリキュラム――文化とコミュニケーションの文脈
第4章 教育の場と教育の成果
第5章 早期介入――出生から3歳まで
第6章 重複障害のあるろう児に対する教育プログラム――特別なニーズへの配慮
第2部 リテラシーとリテラシー教育
第7章 読みの過程と構成要素
第8章 読みの指導法
第9章 書くこと――特徴、指導、アセスメント
第10章 バイリンガリズムとリテラシー
第3部 文化的・社会的・心理的論点
第11章 デフ・コミュニティ
第12章 ろう児と難聴児における子ども同士のやりとり
第13章 ろう児の社会性と情緒の発達――家庭、学校、そしてプログラムの効果
第14章 母子相互作用――移行期アプローチによるろう幼児の発達の理解
第15章 精神保健とろう者
第4部 言語と言語発達
第16章 アメリカ手話と手指英語の発達
第17章 ろう児における音声言語の発達
第18章 意味の表出――前言語コミュニケーションから語彙の形成まで
第19章 ろう児の言語発達におけるキュード・スピーチの役割
第20章 ろう児の言語アセスメントにおけるフォーマル・インフォーマルアプローチ
第21章 子どもの自然手指言語能力のアセスメント
第5部 手指言語
第22章 手話言語の起源
第23章 手話言語の構造
第24章 言語のモダリティと構造――手話言語対手指システム
第25章 手話通訳者および手話通訳教育
第26章 手話言語を支える神経システム
第6部 きき取りと音声知覚
第27章 音声知覚と音声単語の認知
第28章 ろうに関する遺伝学の進歩
第29章 通信のための技術――現状と動向
第30章 乳児の聴覚スクリーニングとアセスメント
第31章 人工内耳――発展、議論、示唆
第7部 ろうと認知
第32章 ろう者の知的アセスメント――重要拠点と論点に関する批評
第33章 ろう者とろう児の認知機能
第34章 ワーキングメモリ、神経科学、そして言語――ろうと難聴の人々からの証拠
第8部 結論と展望
エピローグ――我々が知っていること、知らないこと、そして知るべきこととは
監訳者あとがき
索引
前書きなど
監訳者あとがき
わが国では平成19年度からはじまった特別支援教育制度によって、教育の対象や内容の広がり、専門家相互の連携、保護者への支援など、教育に関わる多様な対応がますます強く求められるようになり、これに携わる人々の専門的な内容での広がりや深まりが求められている。また、専門的な知識技術の根底となる教育や障害に関する理念も、時代とともに変化している。このようなニーズに対応するためには、さまざまな学びの場や、主体的・積極的な学習の姿勢が求められ、そのための優れた教材、すなわち教科書や参考書、専門的な文献も必要となる。本書『オックスフォード・ハンドブック デフ・スタディーズ ろう者の研究・言語・教育(The Oxford Handbook of Deaf Studies, Language, and Education)』は、この分野の代表的な専門書といえよう。本書は「ハンドブック」ということから、聴覚障害に関する専門的な内容の網羅と、幅広い読者を想定したわかりやすい記述をその使命としている。そのため、聴覚障害について学ぶ学生、実践の理論的な背景を学ぼうとする教育者、さらに専門性を深め広めたいと考える研究者等にとって、たいへん役立つものと考えている。本書の第1巻・初版は2003年に出版され、2011年にはこの翻訳書の原著である、第1巻・第2版が出版された。また、網羅的な内容の第1巻に対して、近年の話題に重点化した第2巻が2010年に発行された。本書では、ろうに関係する内容として、歴史、教育、文化、音声言語、手話言語、読み書き、情緒発達、認知・記憶、聴覚生理、聴覚活用、手話通訳と、専門的な領域をきわめて幅広く、新しい情報をもとに捉えており、また、障害に対する考え方や当事者中心の立場といった捉え方も本書の特色といえよう。本書の14ページで、翻訳で用いた訳語の説明をさせて頂いたが、そこでも取り上げたように、ろう者を中心にこれを文化的に捉えた考え方で本書全体が編纂されていることは、ろうに対する認識の深さ、そして自然さを、改めて感じさせられた。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。