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OECD世界開発白書 OECD開発センター(編著) - 明石書店
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OECD世界開発白書 (オーイーシーディーセカイカイハツハクショ) 四速世界における富のシフト (ヨンソクセカイニオケルトミノシフト)
原書: Perspectives on Global Development 2010: Shifting Wealth

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発行:明石書店
B5判
212ページ
並製
定価 4,800円+税
ISBN
978-4-7503-3509-4   COPY
ISBN 13
9784750335094   COPY
ISBN 10h
4-7503-3509-6   COPY
ISBN 10
4750335096   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0033  
0:一般 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年12月
書店発売日
登録日
2011年12月2日
最終更新日
2017年10月31日
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紹介

中国、インドなど開発途上大国の台頭が貧困国に及ぼす影響に焦点を当て、過去20年間の世界経済における原動力の変遷を検証。資産と諸フローの新たなパターンについても詳述し、途上国間の相互作用の拡大を浮き彫りにする。

目次

 序文(OECD事務総長アンヘル・グリア)
 謝辞
 頭字語・略語

 はしがき
 要約

序章 今なぜ「富のシフト」なのか
 第1節 序論
 第2節 本報告書のロードマップ

第1章 富のシフトと新成長地理
 第1節 序論
 第2節 新成長地理
  2.1 四速世界における富のシフト
  2.2 1990年代:過去との決別
  2.3 成長を約束させる背景
  2.4 失望の現実
  2.5 2000年代:多様性からの離別と収斂の歓迎
 第3節 結論

第2章 アジアの巨人:そのマクロ経済的影響
 第1節 序論
 第2節 新成長エンジン
 第3節 労働供給面での衝撃:世界労働賃金への影響
 第4節 拡大をみせる新規需要:コモディティ価格への反映
  4.1 我々は新たな超循環構造の中に置かれているのか
  4.2 例外としての食料分野
  4.3 その規模は新たな不安定要因となっているか
 第5節 アジアの巨人が交易条件に及ぼす影響
  5.1 多くの国家グループが恩恵を享受する中、苦悩する東南アジア
  5.2 輸出構成の変化に伴う動態効果
 第6節 世界利子率に対するアジアの影響
  6.1 世界的不均衡
  6.2 不均衡か、それとも均衡の喪失か
  6.3 過剰貯蓄が問題か
  6.4 予防措置誘因
  6.5 異なる視点:中国の構造的課題
  6.6 「金がものを言う」:世界の新たな財源
 第7節 結論

第3章 重要性を増す南南関係
 第1節 序論
 第2節 南南貿易
  2.1 開発における南南貿易
  2.2 南南貿易パターンの台頭
  2.3 南南間競争
  2.4 南南貿易の自由化推進に向けた展望:シミュレーションを基に
  2.5 南南間協力からの重要な利益
  2.6 現実的な仮定の下でも進む利益改善
 第3節 海外直接投資
  3.1 南南FDIパターン
  3.2 南側の新たな投資家:ソブリン・ウェルス・ファンド
  3.3 FDIを巡る南南間での競合関係
  3.4 南南FDI:開発の原動力
 第4節 援助
  4.1 南側ドナー国
  4.2 異なる立場からの援助
 第5節 結論

第4章 富のシフトと貧困削減
 第1節 序論
 第2節 絶対的貧困の大幅な削減
  2.1 国家間で異なる成長の貧困削減効果
  2.2 国家間で異なる貧困率の成長弾力性
  2.3 成長だけでは保障されない他の人間開発目標
 第3節 不平等、成長、貧困削減
  3.1 成長による国内不平等の拡大
  3.2 富のシフト、労働市場、不平等
 第4節 貧困改善的成長のための新たな課題
  4.1 成長による貧困改善
  4.2 絶対的貧困から相対的貧困へ
 第5節 結論

第5章 四速世界における技術格差の拡大
 第1節 序論
 第2節 開発途上国世界での技術格差
  2.1 人的資本及び教育の役割
  2.2 R&D支出パターンの変化
  2.3 グローバルR&Dシェアの確保
  2.4 投入面の非完結性
 第3節 世界の新たな活動の場なのか:製造業分野の役割
  3.1 グローバル市場向け製造能力の地理的集中
  3.2 技術高度化に向けた輸出加工区の活用
  3.3 付加価値連鎖のガバナンス
 第4節 結論

第6章 変革の風に乗って
 第1節 序論
 第2節 開発戦略
  2.1 戦略:計画化ではいけないのか
  2.2 新たな経済にふさわしい戦略
 第3節 海外直接投資の活用
  3.1 国家イノベーション・システム
  3.2 産業及びサービス・クラスター
 第4節 資源ブームへの対処
  4.1 歳入管理
 第5節 農業の活性化と地方の開発
  5.1 農業技術
 第6節 貧困改善的成長政策
  6.1 非公式部門雇用への対処
  6.2 革新的社会保障システム
 第7節 結論

第7章 富のシフトへの集団的対応
 第1節 序論
 第2節 新グローバル・ガバナンス・アーキテクチャー
  2.1 代表の現代化
  2.2 グローバルな多角的意思決定
  2.3 G20の台頭
  2.4 効果的な多角的協力の確保
  2.5 援助:国際的活動の効率化
 第3節 国際協力における利害と同盟関係の変化
  3.1 気候変動問題と同盟関係
  3.2 新たな多角的貿易交渉パターン
  3.3 南側大国以外の要因
  3.4 貿易:南側諸国の協働の必要性
  3.5 南南間での農産品貿易機会
  3.6 奮闘・非収斂国に対する特恵的市場アクセス
  3.7 貿易でのオウン・ゴールの回避:非関税障壁の削減
  3.8 効果的地域的協力・統合に新たな弾みとなる富のシフト
 第4節 技術移転
 第5節 結論

 付属資料 四速世界分類
 訳者あとがき

Box
 Box1.1 グローバル経済への統合:収斂国家は多様であるか
 Box2.1 世界における中国の位置付け:富のシフト、健康のシフト、嗜好のシフト
 Box2.2 「男児選好」と貯蓄率
 Box3.1 安価な資本財の輸入を通じた成長
 Box3.2 南南間での土地の購入:植民地主義の新形態か、それとも農業開発の触媒か
 Box3.3 南南間銀行業務の急増
 Box4.1 不平等による成長の貧困削減効果制約の可能性
 Box5.1 貿易の高度化
 Box6.1 アフリカにおける輸出加工区と開発:新たなパターン/アプローチか


 表1.1 OECD加盟国・非加盟国の実質GDP成長率(2008-2011年)
 表1.2 四速世界分類
 表1.3 四速世界における富のシフト
 表2.1 世界における中国のシェア
 表2.2 コモディティ価格の不安定性
 表2.3 主要OECD非加盟国・地域での米国財務証券保有状況
 表3.1 アフリカの主要貿易パートナー(2008年)
 表3.2 地域別及び分野別の平均関税率
 表3.3 貿易自由化により予想されるシナリオ
 表3.4 南南貿易自由化による南側世界の利益:標準閉鎖モデル
 表3.5 南南貿易自由化による南側世界の利益:非標準閉鎖モデル
 表3.6 DACに報告のあった政府開発援助(1990-2008年)
 表3.7 南側世界での二国間開発協力構成(2006年)
 表4.1 主要国における貧困削減と成長(1995-2005年)
 表4.2 地域別幼児死亡率(5歳未満)(出生者1000人当たり)
 表4.3 四速世界における人間開発
 表4.4 ジニ係数の変化(1990年代及び2000年代)
 表5.1 成長への貢献要因(2000-2007年)
 表5.2 1人当たり製造業付加価値(1990-2007年)
 表5.3 主要国の技術洗練度指数(1995年及び2007年)
 表7.1 アンチダンピング措置の発動(1995-2007年)
 表A.1 富裕国
 表A.2 収斂国
 表A.3 奮闘国
 表A.4 貧困国


 図0.1 購買力平価に基づく世界経済のGDP内訳
 図0.2 1990年代の四速世界
 図0.3 2000年代の四速世界
 図0.4 世界の経常収支不均衡(2000-2008年)
 図0.5 南南貿易自由化からの利益
 図0.6 購買力平価に基づく世界経済のGDP内訳の推移(1990-2030年)
 図1.1 実質GDPの変化(2009年)
 図1.2 対前年同期比にみるGDPの回復傾向(2006-2011年)
 図1.3 開発途上国世界での成長加速(1960-2010年)
 図1.4 世界のGDP成長率への貢献(1990-2015年)
 図1.5 1990年代における四速世界
 図1.6 2000年代における四速世界
 図1.7 格差世界から、収斂世界へ?
 図1.8 四速世界分類に基づく平均KOF指標
 図2.1 世界のGDP成長率への貢献(1990-2015年)
 図2.2 実質コモディティ価格(1990-2011年)
 図2.3 交易条件への純効果(2000-2008年)
 図2.4 世界の経常収支不均衡(2000-2015年)
 図2.5 外貨準備高(2000-2010年)
 図2.6 中国及びOECD加盟国における部門別貯蓄超過
 図2.7 男児選好と貯蓄率
 図2.8 GDPに占める公的債務の割合(1990-2015年)
 図3.1 地域別輸出実績(1990年及び2008年)
 図3.2 地域間南南貿易フロー(2008年)
 図3.3 低・中所得国に対する中国の資本財輸出(1990-2007年)
 図3.4 米国の輸入財を基準とした相対価格の変動(2000-2009年)
 図3.5 世界の対内FDIフロー(1970-2008年)
 図3.6 主要新興国市場における純対外FDIフロー(2000-2008年)
 図3.7 非DACドナー国による援助
 図4.1 貧困率(1990-2005年)
 図4.2 貧困と成長:強力な関係と不明部分(1990-2007年)
 図4.3 主要国における格差(1985-2007年)
 図4.4 主要OECD加盟国・非加盟国の相対的貧困率(2000年代半ば)
 図5.1 各地域の高等教育在籍者(1990-2007年)
 図5.2 研究開発支出(2007年)
 図5.3 特許集約性(1990-2007年)
 図5.4 1人当たり製造業付加価値(1990-2008年)
 図6.1 二国間投資条約(BIT)の分布(2008年末)
 図6.2 1人当たり耕地(1990-2007年)
 図7.1 G7の世界産出額に占める割合の低下(1960-2008年)

前書きなど

 本報告書はOECD開発センターから新刊書として発刊される年報『Perspectives on Global Development』の第1巻である。
 本報告書は、中国、インドに代表される開発途上大国の経済的台頭が貧困国に及ぼす影響に特に焦点を当て、過去20年間の世界経済における原動力の変遷を検証している。また本報告書では、世界経済の資産と諸フローにおける新たなパターンを詳述し、「南南」関係の強まり、すなわち貿易、援助、海外直接投資を通じた開発途上国間の相互作用の拡大を浮き彫りにしている。
 では、こうした変化は開発及び開発政策にどのような意味を持っているのであろうか。本書では国家及び国際、両レベルでの政策対応の可能性を検討している。国家レベルでは、可能性の広がる南南協力の活用に向けて、またマクロ経済の新たな牽引役から十分に恩恵を享受できるように、開発途上国は自国の開発戦略の位置付けを再考する必要がある。国際レベルでは、グローバル・ガバナンス・アーキテクチャーを現在の世界経済をより適正に反映したものに調整する必要がある。

著者プロフィール

門田 清  (カドタ キヨシ)  (

1965年、宮崎県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科博士課程単位取得・満期退学。現在、東京国際大学国際関係学部准教授。専門は国際ビジネス。著書に、「国際貿易論と国際ビジネス」(江夏健一・長谷川信次・長谷川礼編『シリーズ国際ビジネス2 国際ビジネス理論』中央経済社、2008年、第8章)、「多国籍企業と世界経済」(江夏健一・桑名義晴編著/IBI国際ビジネス研究センター『理論とケースで学ぶ国際ビジネス』同文舘出版、2001年)他。論文に、「地域主体性とグローバル・リンケージの形成――日本と日系多国籍企業の創知に対するインプリケーション」(早稲田大学産業経営研究所『産経シリーズ』33、2001年)、「経済統合プロセスにおけるダイナミズムと周辺国の調整問題」(早稲田大学産業経営研究所『産業経営』第27号、1999年)他。翻訳に、OECD編著『科学技術人材の国際流動性――グローバル人材競争と知識の創造・普及』(明石書店、2009年)、経済協力開発機構(OECD)編著『中国クロスボーダーM&A――OECD投資政策レヴュー:中国』(明石書店、2008年)、経済協力開発機構(OECD)編著『OECD国際投資展望 世界経済の潮流とインベストメント――持続可能な発展と貧困削減に向けて』(明石書店、2006年)、OECD編「貨物輸送ロジスティクス――アジア太平洋、ヨーロッパ、アメリカ 地域を超えて共有される課題と解決」(『月刊ロジスティクス・ビジネス』ライノス・パブリケーションズ、2003年5・6・7月号)他。

追記

関連ウェブサイト


OECD開発センター(全文英語)
OECD東京センター

上記内容は本書刊行時のものです。