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現代の理論 10春号[vol.23] 『現代の理論』編集委員会(編) - 明石書店
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現代の理論 10春号[vol.23] (ゲンダイノリロンイチゼロハルゴウボリュームニジュウサン) 民主政権と日米中・安保・沖縄 (ミンシュセイケントニチベイチュウアンポオキナワ)

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発行:明石書店
A5判
224ページ
並製
定価 1,143円+税
ISBN
978-4-7503-3184-3   COPY
ISBN 13
9784750331843   COPY
ISBN 10h
4-7503-3184-8   COPY
ISBN 10
4750331848   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
初版年月日
2010年4月
書店発売日
登録日
2010年5月25日
最終更新日
2012年1月18日
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紹介

不明瞭な民主政権の対米、対中政策、それに振り回されるように安全保障や沖縄の基地問題も揺れ続ける。選挙中に掲げた普天間基地の県外移設はどこへ行った? 民主政権は対米中、安保政策の機軸をどこに求めるべきか。自ら活路を求める沖縄はどこに向かうか。

目次

 特集のことば

[総特集 民主政権と日米中・安保・沖縄]
 ・日米安保政策と鳩山民主党(住沢博紀)
 ・核抑止の虚構――終わりのときが始まる(金子敦郎:国際問題ジャーナリスト)
 ・日米・日中経済関係と民主党の道(金子勝:慶應義塾大学教授)
 ・新政権下、「積極的護憲」の道を探る(前田哲男:ジャーナリスト)
 ・世界の安定こそ最大の安全保障(福山哲郎:外務副大臣)
 ・民主政権は過渡期の試練に耐え進む(枝野幸男:行政刷新担当大臣)
 ・正念場を迎える新政権の経済運営(宮崎徹:帝京平成大学専任講師)
 ・中国の環境負荷ピークアウトはいつか(叶芳和:本誌編集委員)
 ・象徴天皇制と日米安保に代わる国体は(千本秀樹:筑波大学教授)
 ・安保闘争と「市民としての抵抗」のゆくえ(道場親信:和光大学准教授)
 ・沖縄の歴史意識が生んだ非戦反戦の思想(比屋根照夫:琉球大学名誉教授)
 ・「いのちの海」を守り抜く沖縄のたたかい(山内徳信:参議院議員)
 ・沖縄を地域安全保障体制の拠点に(後田多敦:『うるまネシア』編集委員)

[頂門一針]
 ・発想転換迫られる安全保障問題(頑童山人)

[メディア時評]
 ・マスメディアは55年体制の最終ランナー?(秋田稔:ジャーナリスト)

[想うがままに]
 ・人生の起点六〇年安保闘争(小寺山康雄:本誌編集委員)

[文化時評]
 ・何とかならぬか、ひたすら国民を煽っていく風潮(陣野俊史:批評家)

[現代と思想家]――初期マルクス
 ・現代に問われるマルクスの疎外論(岩佐茂:一橋大学名誉教授)

[深層]
 ・民主党は利権政党への変質を止められるか(佐伯晴人:議員秘書)

[若者と希望]
 ・拝啓、あの頃の僕らへ(米田祐介)

[この一冊]
 ・『戦間期の日ソ関係』富田武著(中村裕:秋田大学教授)
 ・『ルポ雇用劣化不況』竹信三恵子著(小畑精武:本誌編集委員)
 ・『なぜ雇用格差はなくならないのか』小林良暢著(小畑精武)

[読者論壇]
 ・教育創出の転換と現代教育の蘇生策(井下田猛:姫路独協大学名誉教授)

[シリーズ 抗う人]
 ・沖縄密約を暴いた記者 西山太吉(西村俊樹:ジャーナリスト)

[連載・教育再生への道を探る]
 ・子どもの「危機」と教育のモラリズム(広瀬義徳:関西大学准教授)
 ・ろう者へ伝える歴史学(田中恵:大学非常勤講師)
 ・朝鮮学校“襲撃”を許すニホンでいいのか(藤井幸之助:神戸女学院大学講師)

 次号予告
 編集後記

前書きなど

権力政治の論理からの脱却

 民主党政権が発足して半年が経過した。首相・幹事長の政治資金問題をはじめ、郵政問題、普天問基地移転問題で閣内不一致が露呈するなど問題山積で発足当初の熱気は冷め、内閣支持率も低下の一途をたどり、早くも政権の将来を危ぶむ声があがりはじめている。しかし、初めて政権の座についた民主党が、何の混乱もなしにスムーズに政治を運営できるはずもなく、また折角の政権交代という機会を無駄にしないためにも、まだ忍耐強く新政権を叱陀激励すべき時期が続くと覚悟しなければならないだろう。特に、新政権の弱点として批判されることの多い外交・安全保障の分野では、正確な状況認識と一党派の利害を越えた長期的屋望にたった方針の提起が求められる。そのためには、冷戦期の国際政治を論ずる基本的枠組みであったパワーポリティックスの発想を克服する新しい枠組みが必要である。
 外交・安全保障問題を軍事問題の観点からのみ論じ、中国脅威論、北朝鮮脅威論を叫び、危機あじりに終始する議論は、その議論の枠組み自体が冷戦期の発想に立った完全に時代遅れの議論に過ぎないことを明確にしなければならない。アメリカも中国も急速に変化しつつある。日本の対米、対中関係も、その変化に対応して不断に再編・組み換えが必要である。日米安保条約体制を固定的にとらえ、アメリカの核抑止力にすがろうとする主張も、逆に核武装を含む自前の軍事力の必要を唱える議論も、ともに安全保障を軍事問題に切り縮め、自ら外交の柔軟性を放棄することになる、誤った発想に立っている。そういう軍事優先の発想が、米軍基地の沖縄への集中を許し沖縄に負わされた犠牲を見て見ぬ振りをする結果を招いているのではないか。
 本号の特集は具体的解決策を直接的に提起するものではないが、外交・安全保障問題を考え、分析する基本的枠組みを提示しようと試みたものである。それは、外交・安全保障をめぐる問題を分節化し、多角的・重層的に安全を確保する柔軟な外交を展開する可能性を開くことにつながるであろう。同時に総特集とし、民主党政権はどうすべきか多彩な論陣をはった。

上記内容は本書刊行時のものです。