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子どもと家族にやさしい社会 フィンランド 渡辺 久子(編著) - 明石書店
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子どもと家族にやさしい社会 フィンランド (コドモトカゾクニヤサシイシャカイフィンランド) 未来へのいのちを育む (ミライヘノイノチヲハグクム)

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発行:明石書店
A5判
144ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-7503-3092-1   COPY
ISBN 13
9784750330921   COPY
ISBN 10h
4-7503-3092-2   COPY
ISBN 10
4750330922   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0037  
0:一般 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2009年12月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

赤ちゃん中心につくる安心で平等なフィンランド社会の子ども家族福祉の具体的な施策を紹介。乳幼児のメンタルヘルスと子どもと家族の人間関係性に配慮し、社会全体で子育てをサポート。世界乳幼児精神保健学会世界大会(2008年横浜)から生まれた本。

目次


プロローグ 赤ちゃんに乾杯!
   ――タンミネン先生、そして、フィンランドとの出会い(渡辺久子)

1.赤ちゃんと家族の関係性
   ――お母さんがしあわせなら、赤ちゃんもしあわせ(トゥーラ・タンミネン)
  ・赤ちゃんの研究をこころざして
  ・お母さんの気持ちと子どもの発育・発達
  ・しあわせ感のカギは人間関係
  ・子育ての喜びがしあわせをくれる
  ・社会全体で子育てをサポート

2.フィンランドの子ども・家族福祉
   ――子ども時代をたいせつにする社会(トゥーラ・タンミネン)
  ・子どもには特別な権利がある
  ・数字で見るフィンランドの子ども
  ・すべての人に保障される家族政策
  ・出産・子育て相談所=ネウボラ
  ・自宅での子育てにも保育園での保育にも公的な補助
  ・子ども時代は遊べ
  ・子どものメンタルヘルス
  ・行政に働きかける市民の力
  ・乳幼児精神保健サービスの三つのレベル
  ・タンペレ大学病院児童精神科のとりくみ
  ・子ども・家族のために共同でとりくむ省庁
  ・子どもの権利を守るオンブズマン
  ・専門家の関わり方
  ・乳幼児精神保健学会の役割

3.家族が分かち合う物語[ストーリー]を
   ――本気で関われば子育ては楽しい(カイヤ・プーラ)
  ・フィンランドでの子ども虐待防止
  ・からだだけでなく心も健康に
  ・子どもの心のケアの専門家を育てる
  ・社会福祉の手法で心のケアも
  ・タンペレ大学病院家族病棟でのワークショップ
  ・心のケアの専門家はいつも革新的

4.子どもを育む福祉社会
   ――フィンランドの子ども・家族政策の今(高橋睦子)
  ・憲法にうたわれている子どもとおとなの対等性
  ・子どものいっそうの利益のための子ども保護法改正
  ・赤ちゃんのための政策と福祉システム
  ・子どもと家族のための社会保障と普遍主義

エピローグ いのちを育む社会への希望
   ――オーケストラのように豊かな人間関係を(渡辺久子)

○コラム
  安心・安価で快適な出産――喜ばれる育児パッケージ(藤井ニエメラみどり)
  ネウボラ――出産・育児相談所(藤井ニエメラみどり)
  マンネルヘイム児童保護連合――子ども家族福祉と民間団体(高橋睦子)

○資料
○世界乳幼児精神保健学会紹介

前書きなど

プロローグ 赤ちゃんに乾杯!――タンミネン先生、そして、フィンランドとの出会い(渡辺久子)

○社会のまんなかに赤ちゃんをすえて育みたい

 2008年8月、アジアではじめて横浜で開かれた第11回世界乳幼児精神保健学会世界大会のテーマは、「赤ちゃんに乾杯! 赤ちゃん、家族と文化」でした。
 これは、私たちの生活のまんなかに赤ちゃんをすえて、みんなで育んでいこうということから名づけたものです。私たちの家庭生活や地域社会、そして日本の国の政策のまんなかに赤ちゃんをおいて、みんなで子どもを育てる社会をつくっていこうと。
 具体的には、赤ちゃんの身近にいる、赤ちゃんのケアをするお父さんやお母さん、おじいさんやおばあさんなどの家族が安心して生活できる社会をめざすということです。病気の赤ちゃんも障害のある赤ちゃんも、どんなに育てるのがむずかしい赤ちゃんでも、安心して生活できる社会をつくろうということなのです。
 けれど、今の日本がそういった社会かというと、残念ながらまだ疑問をもたざるをえないように感じられます。

○フィンランド社会のとりくみ

 日本と同じような工業化社会のなかでも、赤ちゃんや小さな子どもたちを社会の中心においてがんばっている国があります。それは北欧の国々です。トゥーラ・タンミネン先生は、その北欧のフィンランドで、乳幼児のしあわせのために長いあいだたたかってきた方です。
 タンミネン先生は、世界乳幼児精神保健学会の会長を2008年まで二期務められました。会長職を退かれるとき、「私は子どもたちのために役に立つことができたから、ほんとうにうれしい」とおっしゃっていました。先生は、表現のしかたも素朴で美辞麗句を並べない方ですから、ほんとうに子どものしあわせのためにやってこられたのだと思います。
 世界乳幼児精神保健学会の設立は1980年ですが、私は1986年、スウェーデンのストックホルムで開かれた第3回大会から関わってきました。タンミネン先生も参加していらしたはずですが、このときはまだお会いしていませんでした。

(…後略…)

著者プロフィール

渡辺 久子  (ワタナベ ヒサコ)  (編著

1973年慶應義塾大学医学部卒業。同学部小児科、精神神経科、小児療育相談センター児童精神科勤務。82年横浜市立市民病院神経科、タビストック・クリニック(ロンドン)臨床研究員を経て、現在、慶應義塾大学医学部小児科学教室専任講師。世界乳幼児精神保健学会副会長(アジア地区担当)。2008年、アジアではじめて横浜で開かれた第11回世界乳幼児精神保健学会世界大会では、日本組織委員会会長を務めた。
著書に『抱きしめてあげて――育てなおしの心育て』(太陽出版、2005年)、『子育て支援と世代間伝達――母子相互作用と心のケア』(金剛出版、2008年)など多数。

トゥーラ・タンミネン  (タンミネン,トゥーラ)  (編著

フィンランド・タンペレ大学児童精神科教授、世界乳幼児精神保健学会前会長、ヨーロッパ児童青年期精神医学会会長、マンネルヘイム児童保護連合名誉総裁。
2008年8月、横浜で開かれた第11回世界乳幼児精神保健学会世界大会のため来日し、講演。
幼い子どもと両親、それをとりまく家族や地域の人々の関係に注目し、子どもにとってやさしい社会づくりをめざした活動を世界中で行っている。2人のお孫さんのやさしいおばあちゃんでもある。

高橋 睦子  (タカハシ ムツコ)  (編著

高橋 睦子(たかはし・むつこ)/Takahashi Mutsuko
吉備国際大学社会福祉学部教授(福祉政策論)。外務省専門職員、フィンランド・タンペレ大学大学院(博士号:社会政策)、島根県立大学総合政策学部教授などを経て現職。
訳書に『情報社会と福祉国家――フィンランド・モデル』(ミネルヴァ書房、2005年)、共著書に『安心・平等・社会の育みフィンランドの子育てと保育』(明石書店、2007年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。