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実用 リアル・モンゴル語【CDブック】 金岡 秀郎(著) - 明石書店
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実用 リアル・モンゴル語【CDブック】 (ジツヨウリアルモンゴルゴシーディーブック) わかりやすい文法ナビ (ワカリヤスイブンポウナビ)

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発行:明石書店
A5判
240ページ
並製
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-7503-2957-4   COPY
ISBN 13
9784750329574   COPY
ISBN 10h
4-7503-2957-6   COPY
ISBN 10
4750329576   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0087  
0:一般 0:単行本 87:各国語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2009年3月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2015年8月22日
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紹介

モンゴルを旅する日本人が遊牧民と触れ合うという設定で、その文化と機微を理解しながら楽しくモンゴル語を学ぶ新しい語学入門書。懇切丁寧な文法説明のほか、モンゴル語独特の表現の中に読みとれるモンゴルの文化、歴史、習慣についても解説している。

目次


はじめに

文字編

序章 モンゴル語の特色と文字の読み方
 モンゴル語の特色
 文字の読み方と発音
 各文字の説明と読み方の練習
 母音調和と正書法

文法編

第一章 草原のゲル
 「これ何?」――尋ねて名詞を覚える
 「あの馬は荒々しい」――形容詞で物の性質を言う
 「です」の有無・断定のしかた
 「これおいしいでしょ」――相手に同意を求める

第二章 かまど
「どうやって火を点けるの?」――疑問詞と動詞連用接尾辞(1)と連体接尾辞
「あなたが点けますか?」――疑問詞のない疑問文
「飲みます」――現在・未来接尾辞
「火を点けよう」――希望接尾辞
「私にはできない」――現在および未来の否定
「彼は来る」――未来形
「火が点いた」――過去の表現(1)
「火は消えなかった」――過去の否定形

第三章 牧民の気遣い
「火は燃えている」――現在進行形
「ラジオはついていません」――進行形の否定
「ゲルは暖かいかなあ」――自問と推量など
「モンゴル語を勉強している」――もうひとつの現在進行形
「『ある』のはどこにある」――存在動詞の言い分け

第四章 ゲルの外
「てにをは」のあるモンゴル語・アルタイ諸語に共通の特色
「私は寝る」――主格の用法
「モンゴルの山は青い」――属格の助詞
「トヤーの集めた氷」――属格節の用法
「モンゴルにいる5種の家畜」――与位格の助詞
「私は大学生のとき勉強した」――副詞節の用法(1)

第五章 となりのゲル
「みんな元気ですか」――多動接尾辞
「あのラクダに乗る」――対格の助詞
「行くときは天気が良かった」――対格と副詞節(2)の用法
「どこから来た?」――奪格の助詞
「行くより残ったほうが良い」「寝過ぎて遅刻」――形動詞の奪格

第六章 馬
「帰りは馬で帰ろう」――造格の助詞
「ドルジが迎えに来ます」――形動詞の造格
「馬に乗らないで帰るのは大変」――その他の造格の用法
「ドルジと帰る」――共同格の助詞
「ドルジは馬を持っている」――所持接尾辞
「知り合う」――相互接尾辞
「相撲をとる」――対峙接尾辞と動詞形成接尾辞

第七章 みやげ話
「ラクダを見てきた」――完全完了継続接尾辞
「早く食べてしまえ」――完了接尾辞と強い命令形と禁止
「ダワーのゲルに行ってラクダを見た」――完了後継続接尾辞
「行ったけど見なかった」――逆接の用法

第八章 子ラクダ
「行けば見られるか?」――仮定接尾辞
「早く来ていたら見たのに」――仮定助詞と反実仮想
「行っても見られないだろう」――譲歩と種々の推量形
「1匹もいない」――強調・累加の助詞
「子ラクダが見たい」――希望接尾辞
「ちょっと待ってください」――種々の丁寧な命令形
「アルヒを飲まないように」――警告的命令形

第九章 子ヒツジ
「自分の食事を取る」――再帰格語尾の用法(1)
「ホラグって何ですか?」――恒常形動詞
「わかった」――近過去および未来の接尾辞
「聞いてすぐ覚える」――即時接尾辞(1)
「出たとたんつまずいた」――即時接尾辞(2)
「君のお父さんを知っている」――再帰格語尾の用法(2)
「行ったらいなかった」――再帰格語尾の用法(3)
「その本、あの本」指示語と再帰格語尾――再帰格語尾の用法(4)

第十章 ヒツジ
「去勢されたヒツジ」――受動態の用法
「家畜を見せてください」――使役接尾辞
「ヒツジを出す」――他動詞形成接尾辞
「疲れたか」――過去の表現(2)
「食事まで休む」――限界接尾辞
「ちょっと眠る」――暫時接尾辞と反復接尾辞/瞬時接尾辞
「雨がまだ(ずっと)降っている」――継続接尾辞
「(ずっと)歩き続けて疲れた」――動詞連用形(2)
「これだけが良い」――限定・強調の助詞

第十一章 故郷
「彼が無事に行くように」――三人称への命令・希望形
「トゲが刺さらないように」
「行ったって!?」
「あの犬、咬まないといいな」――第三者への願望と第三者への祝福

第十二章 帰国
「いつ帰りますか」――数詞
「12月2日」――序数詞
「ふたりで20ほど食べた」――集団数詞と概数詞
「いつかまた来てください」
「2010年のナーダムに来ます」――年号の言い方
「机の上に置いてある」――状態接尾辞
種々の後置詞など
「行こうとしたが行けなかった」――かなわぬ希望の表現
「彼女は生徒だったっけ」――「~だったっけ」と行為者を表わす接尾辞
「1回だけ行った」――示小接尾辞(1)と「~が好きだ」
「赤っぽい」「まっ赤」――示小接尾辞(2)と重複形(1)
「京都とかに行ったりして」――重複形(2)
「国々から人々が来た」――重複形(3)
「モンゴル語を知らずに来る」――否定的副詞化接尾辞と否定的形容詞化接尾辞
「木造建築」――さまざまな複合語
「おおい、ドルジ」――間投詞と呼びかけ
「ヒツジがメーメー」――擬声語と擬態語

 索引
  事項索引
  モンゴル語文法索引
  モンゴル語単語帳

 地図
  モンゴル国全図
  モンゴル国・内モンゴル自治区とその周辺
  ユーラシアにおけるモンゴル

 キリール文字一覧表
 男性語の格助詞一覧表
 女性語の格助詞一覧表
 代名詞の格助詞一覧表

  [キリル文字表記を省略してあります]

前書きなど


 はじめに

(…前略…)

(……)本書は次の特色と形式を持っています。

(1)モンゴル語習得が第一義でありながら、読み物としても楽しめるようモンゴル文化探訪やヴァーチャル旅行を全体の構成にしたこと。それを実現するため、第一章、第二章と段階を踏んで進んでいく形式ではなく、旅行者であり読者である「あなた」のモンゴルにおけるできごとに沿ってモンゴル語の会話を進めることにしました。そのため本書では、文語的な文章より口語的表現を中心に解説しています。モンゴルの風物を想像しながら会話をイメージして読み進めれば、モンゴル語の基本のほとんどが学べるようになっています。

(2)上記の考えを実現するため、従来の文法書の用語に影響されず、しばしばそれらを排除しました。これは先学の研究を軽視したからではなく、読者の容易な理解をはかり、難解な文法用語をわかりやすくしたためです。わかりにくかった接尾辞の名称なども、個々の機能を考えて理解しやすく変えました。

(3)本書では現実のモンゴル語でよく使われるにもかかわらず、従来の文法書がまったく触れなかったり説明不足だった文法事項にも多くの項目や解説を加えています。なかでも、ただモンゴル語の客観的な形式を学ぶだけでなく、モンゴル語の話し手が主観的にどう意識し判断しているかなどといった視点・言語学的にはモダリティといいます・には意を用いました。

(4)各頁の冒頭には原則的にモンゴル人と日本人のスキットをあげ、続いてそれを解説しました。スキットの会話は巻末まで連続しています。ただしときにはスキットから離れてさまざまな文法事項を解説することもあります。本文中、モンゴル語の文や語の和訳は「 」に示しました。また、→を参照すると同じことばが別の角度から説明してあり、理解が深まるようにしておきました。

(5)本書の章だては便宜上のものです。本書で重要なのは章による区分よりも、約80にわたる小見出しです。本書は全体がつながっていますが、小見出しごとに一つのテーマとそれに関連する事項をまとめたので、斜め読みも可能です。

(6)ふだんは見慣れぬキリール文字(いわゆるロシア文字)を本書冒頭で概説し、その後の本文では第一章の4節まで便宜的にローマ字化した表記を( )に書き加えました。それ以降、ローマ字や発音記号は注意すべき場合を除いて省きました。

(7)本書で扱ったモンゴル語はモンゴル国の標準語の現代ハルハ・モンゴル語です。ハルハ・モンゴル語は1942年以来、旧ソ連の影響下キリール文字によって書写されるようになりましたが、それ以前は縦書きのモンゴル文字でした。民主化後モンゴル文字が復活して徐々に昔の面影を取り戻しつつあります。本書では扱いませんでしたが、我と思わん方は美しく機能的なモンゴル文字の習得をお勧めします。

 本書の内容をマスターすれば、モンゴル語古典の読解もさほど遠い目標ではありません。将来、モンゴル文字さえ習得すれば、古いモンゴル文学や歴史書、宗教書を読むことも夢ではないでしょう。本書では一部をのぞいて古い語法は解説しませんでしたので、いずれかの機会に文語の文法書を書きたいと思っています。

 本文の例文はほとんど本書独自のもので、文法理解と実用にかなったものを考えましたが、もとになる文型は会話・漫画・新聞から専門書まで多くの資料から集めています。
 幸い本書の執筆開始以前から拙宅にモンゴル人留学生のトゴルドル君が住み、家族同様に暮らしています。日本語のみならず英語やロシア語にも堪能な彼との会話や質疑、議論を通してモンゴル語の意味を深く分析しつつ、従来の文法書だけでは得られない生きたモンゴル語を取り入れることができました。
 本書は「これをモンゴル語でどう言うのだろう」「このモンゴル語は日本語でどう訳したらよいのだろう」といった私の学生時代からの素朴な疑問と考察の積みかさねによって生まれました。現実のモンゴル人はボロー ヤリジ ゾブ オイルゴン「まちがって話して正しく理解する」というように、必ずしも本書で述べたような規範文法どおりにしゃべるとはかぎりません。本書を踏み台に、正しく書かれたモンゴル語から逸脱したモンゴル語まで、読者のみなさんがモンゴル語に親しんでいかれることを願ってやみません。

(…後略…)

著者プロフィール

金岡 秀郎  (カナオカ ヒデロウ)  (

1958年東京都生まれ。東京外国語大学モンゴル語学科卒。同大大学院アジア第一言語専攻修了。東京大学大学院印度哲学印度文学専修課程修了。大倉精神文化研究所研究員、東京外国語大学講師を経て、現在、国際教養大学准教授。亜細亜大学・國學院大學・日本社会事業大学等の講師。日本モンゴル協会総合研究所研究員(教授)。モンゴル語・モンゴル史・中国仏教史などのほか宗教学・言語学の概論を講ずる。専攻はモンゴル学・仏教学。
[主要著書]
『モンゴルは面白い』トラベルジャーナル、1993年
『モンゴルまるごと情報局』トラベルジャーナル、1995年
『モンゴルを知るための60章』明石書店、2000年
『仏教漢文読本』(共著)春秋社、1990年
『入門・モンゴル国』(共著)平原社、1992年

上記内容は本書刊行時のものです。