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子どもの虐待防止・法的実務マニュアル【第4版】
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2008年12月
- 書店発売日
- 2008年12月13日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2011年3月1日
紹介
本書初版刊行から10年。児童相談所への虐待相談件数は、増加するばかりで改善の兆しはない。こうした状況をふまえ、平成19年の児童虐待防止法改正を取り入れて、子ども虐待に取り組む法律家、児童相談所、NPO等関係者がすぐに使えるマニュアルを目指した。
目次
はじめに~第4版刊行にあたって~(影山秀人)
第1章 児童虐待アウトライン
1 児童虐待とは何か
2 虐待の原因と影響
3 児童虐待と親権
4 被虐待児救出の流れ(児童相談所が主となってかかわる場合)
5 被虐待児を救うその他の方法
6 児童虐待における関係機関との連携
7 児童虐待と弁護士活動
8 相談時の留意点~児童相談所等関係機関からの相談~
9 相談時の留意点~子どもからの相談、聴き取り~
10 相談時の留意点~虐待を疑われている親からの相談~
第2章 民事上の救済手段
1 親権喪失宣告をどう活用するか
2 親権者変更・親権者指定、監護者指定をどう活用するか
3 子どもの引き渡しを実現するにはどうするか
4 子どもを保護するために活用できるその他の方法
第3章 児童福祉行政機関による法的手続
1 発見・通告
2 調査
3 一時保護
4 児童福祉法第27条第1項第3号の措置
5 児童福祉法第28条の申立て
6 里親・施設での生活
7 再統合
第4章 ケースから学ぶ法的対応
1 身体的虐待
2 性的虐待
3 ネグレクト
4 心理的虐待のケース
5 代理によるミュンヒハウゼン症候群
6 閉じこもり、登校禁止
7 医療ネグレクト
8 乳児ケースの特殊性
9 高齢児のケース
10 非行がからむケース
11 DVがからむケース
12 国籍がからむケース
13 知的障がい児のケース
14 団体におけるケース
15 ホームレスと児童虐待
16 きょうだいの一部が虐待を受けているケース
17 親の同意で施設入所させた児童の強引な面会・引取要求
第5章 児童虐待とネットワーク
1 児童虐待におけるネットワークの必要性・重要性
2 要保護児童対策地域協議会
3 ネットワークと個人情報
第6章 児童虐待と刑事事件
1 児童虐待における刑事手続の意味づけ
2 虐待を受けた子どもへの法的支援
3 虐待親の弁護活動
第7章 その他の諸問題
1 行政不服審査法上の審査請求
2 裁判所や捜査機関から児童相談所への調査依頼
3 保護者等からの嫌がらせとその対応
4 個人情報の開示請求
書式集251
児童養護施設入所措置承認の申立書(いわゆる28条審判の申立書~身体的虐待事案)
児童養護施設入所措置承認の申立書(いわゆる28条審判の申立書~ネグレクト事案)
児童福祉法28条2項但書に基づく更新に係る承認の申立書
通告者保護の配慮を求める上申書
書証非開示の上申書
書証非開示の上申書(書類送付書型)
親権喪失宣告審判の申立書
審判前の保全処分申立書(親権者の職務執行停止及び職務代行者選任)
委任状
児童記録票
出頭要求告知書
告発状(立入調査拒否罪)
再出頭要求告知書
臨検・捜索許可状請求書
面会・通信制限決定通知書(児相による制限の場合)
面会・通信制限解除決定通知書
面会・通信制限決定通知書(施設長による制限の場合)
接近禁止命令書
接近禁止命令取消書
法令集(抜粋)
民法(第四編・第五編)
児童福祉法
児童虐待の防止等に関する法律(全文)
家事審判法
家事審判規則
特別家事審判規則
前書きなど
はじめに~第4版刊行にあたって~
私たち日本弁護士連合会子どもの権利委員会が平成10年(1998年)6月に本書の初版を出してから、ちょうど10年が経ちました。
この間、平成13年(2001年)に改訂版の刊行にあたって指摘したとおり、同2年(1990年)に1,101件だった児童相談所の相談受理件数が同12年(2000年)には18,804件になりました。その後も件数は増え続け、同18年(2006年)の児童福祉法改正により一次的な相談・援助窓口が市町村に移ったにもかかわらず、同19年(2007年)の児童相談所の相談受理件数は、はじめて4万件を超えました。
それでも、いまだに「相談件数の増加=各機関が子どもの虐待に取り組んでいる姿勢」として肯定的に評価する状況が続いており、相談件数の減少を期待できる状況にはありません。
こうした情勢をふまえ、1.平成19年(2007年)に児童虐待の防止等に関する法律が再度改正されて、出頭要求、臨検・捜索、接近禁止命令等の新しい制度が導入されたこと、2.同16年(2004年)の改正による28条審判の更新や要保護児童対策地域協議会についての実務の積み重ねが得られたこと等から、同17年(2005年)9月の第3版の刊行からまだ3年しか経っていませんが、第4版を刊行することとしました。
本書が、法律家だけでなく、児童相談所や市町村、NPOなどさまざまな立場で、日夜、子どもの虐待に取り組んでいる方々の参考になれば幸いです。
なお、子どもの虐待への対応は、発生の予防と起こってしまった場合の対応の2つの側面で行う必要があることは、いうまでもありません。
このうち、この10年間に法制度として整備がすすみ、また、私たちが弁護士としての役割を期待されるのは、主に後者の側面であったと思います。本書も、主に、起こってしまった虐待への法的対応について書いています。
しかし、予防がなければ虐待は減りません。私たちは、起こってしまった虐待から一人でも多くの子どもを救う努力と同時に、子どもの虐待の予防に向けて何ができるのかをさらに強く意識していきたいと思います。
平成20年(2008年)11月 日本弁護士連合会子どもの権利委員会 委員長 影山秀人�
上記内容は本書刊行時のものです。