韓国マルチタレントが真正面から相撲を取る覚悟で書いたイエス論イエスのまわしを取る
趙 英男:著, 鴨 良子:訳
発行:明石書店 この版元の本一覧
四六判 308ページ 上製
定価:2,500円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2875-1 C0095
在庫僅少
奥付の初版発行年月:2008年11月 書店発売日:2008年11月17日
※送料は無料です。在庫僅少につき、在庫の確認・お届け日につきましては個別版元にお問い合わせください。版元一覧
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA、MasterCard、DC、JCB、AMEX、Diners、Nicos、UFJ)がご利用になれます
タグ:
タグは版元ドットコム事務局で編集することがあります。
あらかじめご了承下さい。


このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

作詞・作曲をはじめ画家や名エッセイストとしても知られる韓国の国民的スター歌手、趙英男がイエスや信仰について縦横無尽に語る。アメリカで神学を修め、牧師資格を持つ著者の歯に衣着せぬ、ユーモア溢れた文章は、韓国キリスト教への辛口批評にもおよぶ。

目次

 推薦のことば(浅見定雄)

まえがき——なぜこの本を書くことになったのか
第1章 最初のクリスマスと挿橋(サプタリ)のクリスマス
第2章 幼き神学者——幼き声楽家
第3章 先輩のヨハネとトウル師
第4章 荒野の苦行とチェ・ゲバラの苦行
第5章 神の国と母の国
第6章 弟子の選び——おろかな後輩
第7章 再生と放棄
第8章 律法違反者と放送不適格者
第9章 サマリヤの偏見と華開市場の元祖
第10章 山上の垂訓と花の山の垂訓
第11章 放蕩息子の比喩と離婚者の比喩
第12章 奇跡はある——奇跡はない
第13章 先輩ヨハネの任務と朴仁洙の度量
第14章 真の自由人と曖昧な自由人
第15章 私を誰と言うか——あなたは巫堂(ムーダン)だ
第16章 華やかな即位式——おならでも気持ちよく
第17章 エルサレム入城とチェ・ゲバラの入山
第18章 ユダの裏切りとトントン拍子の背信者
第19章 最後の裁判——獄へ一度も行けず
第20章 十字架の処刑——笑った、死んだ
第21章 身体の復活と宗教の復活
終わりに

 訳者あとがき

前書きなど

まえがき——なぜこの本を書くことになったのか


 辛うじて歌で食いつないで来た私が、こんな本を出すことになろうとは、我ながらおかしくなるのだが、私にとってはそれだけの理由があった。信じられないかもしれないが、私はだいぶ前、神学校へ入学したことがあった。私が選りに選ってイエスに関する本を書くことになったのは、そういう理由からである。そこで私は、自分がなぜこんな本を書いたかということを話すよりも、なぜ歌手だったのに神学校へ入ったのか、このことから先に話すことにしようと思う。

 (…中略…)

 一九八二年頃、私は約七年間のアメリカ暮らしを終え再び韓国へ帰ってきた。私自身としては故郷に錦を飾る思いであった。なぜなら私の引越荷物の中には、まさにイエスに関するノートがひと包み入っていたからである。私は韓国へ帰り、人々がお前はアメリカで何をしたのかと聞いたら、堂々とこの原稿を差し出したいと思った。人々が一介の歌手だった趙英男がこんな高尚な勉強を成し遂げたことを知ったら、みんなひっくり返るだろうと思った。しかし私の予想は見事に外れた。私がいざ韓国へ戻ってきたら、誰も私に、お前はアメリカで何をしたのかと聞く人はいなかった。私は一人でしょげた。その昔の孔子の嘆きのように、ああ、この世は私を知るよしもないのだなあ! そんな気がした。偉大なイエスをいかに勉強したといっても、三十代半ばの私はまだ幼子であった。だが、「民芸社」という出版社の趙廷来社長だけは少し違った。私の原稿のノートを見て、何も言わずに『ある韓国の青年が見たイエス』という題をつけ出版してくださった。私は、反応がすさまじいだろうと思ったが、別に取るに足らなかった。ただ二つの思い出だけが残った。私は生まれて初めて本を出したのだが、恐れ多くもイエスに関する本の表紙に花札四枚の黒萩を入れたということと、趙廷来という人が私の本を出してくれたということだった。その時、彼は『太白山脈』を発表してこの地の大文豪になるずっと前のことだった。
 今回は、また崔憲傑というぱっとしない名の、ある見る目のない出版社の社長が、私の本をもう一度出そうと提案してきた。しかしこの間に、事情はかなり変わっていた。私の本が滅び崔社長が大文豪になったとしても私はもう驚かない。だから私はこの本をまた書き直し、もう一度イエスの「まわし」をつかまえてみたのだ。私は今さらのように言いたい。クリスチャニティ(キリスト信仰)とは、イエスの内面と外面の品性を汲みとりつつ、イエスに真似ていこうとする意志を所有することである。わかりやすく言うならば、イエスと正面対決で相撲を一勝負取るということだ。そうだ。私の作業はイエスを宙に見上げ、わけもなく信じるという座からしばし席替えをして、相撲取りがまわしを取るがごとく、イエスをぐっと引き寄せ、まっすぐ見、まっすぐ知り、まっすぐ学ぶ身構えになることである。
 最初に私が勉強した神学は、正直であることの難しい学問であった。一般の歴史や哲学より相当のウソが要求される学問であった。イエス学の場合も同じであり、私は知ってか知らずかたくさんのウソをずらりと並べた。私はただそのウソが、私の人間イエスに対するささやかな愛情、あるいは信仰の影に隠されることを願うだけである。

著者プロフィール

趙 英男(チョ ヨンナム)

1944年
 黄海道(ファンヘド)で生まれる。
1950年
 朝鮮戦争勃発により家族全員で忠清南道禮山郡挿橋邑に移住。漢陽大学とソウル大学音楽科で学ぶ。
 アメリカフロリダ州のトリニティ神学大学卒業。
1968年
 『ディライラ』で歌手としてデビュー。
1970年
 替え歌の歌詞が問題となり連行。翌日入隊。
1973年
 韓国画廊にて初絵画展を開催、以後今日までニューヨークでも個展を開くこと多数。
 アルバムに『ツバメ』『麦畑』『灯りの消えた窓』『ディライラ』『華開(ファゲ)市場』など。
1990年
 カーネギー・ホールでリサイタル。
2004年
 国際交流基金から韓国を代表する文化人として招待を受け、その時の印象を本にまとめた『親日宣言』で一部から「売国奴」と批判され長寿番組の司会その他を降板。
2006年
 パーソナリティとして女性アナウンサーと組み生放送をしている毎日2時間のラジオ番組が聴取率ナンバーワンとなる。
2007年
 この年の放送部門で大賞を受ける。
 著書に本著他多数、新聞のコラムを書くなど名エッセイストとしても知られている。

上記内容は本書刊行時のものです。

鴨 良子(カモ ヨシコ)

1950年青森県津軽生まれ。
東北学院大学文学部キリスト教学科卒。
日本基督教団弘前教会副牧師、児童養護施設、青少年自立の家の指導員を経て、1982年渡韓。
徳成女子大学、同徳女子大学日文科非常勤講師、同専任講師を勤めるかたわら、ソウル大学付属語学研究所で韓国語を学び、東国大学国文科大学院修士課程を修了。
著書に『ソウル、韓国語世界への旅——私の80年代』(明石書店、2001年)がある。現在仙台市在住。

上記内容は本書刊行時のものです。
※送料は無料です。在庫僅少につき、在庫の確認・お届け日につきましては個別版元にお問い合わせください。版元一覧
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA、MasterCard、DC、JCB、AMEX、Diners、Nicos、UFJ)がご利用になれます


コメントとトラックバック »

まだコメントとトラックバックはありません

TrackBack URI : http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7503-2875-1.html/trackback

コメントをどうぞ

お寄せいただいたコメントは、当サイトに掲載されますが、内容によっては削除させていただく場合がございます。なお、コメントへの回答は原則としていたしておりません。当サイト・著者・各版元へのお問い合わせの際は、お問い合わせフォームをご利用下さい

Twitterでのつぶやかれ

▲ページの上端へ