発行:明石書店
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A5判 528ページ 上製
定価:6,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2835-5 C0037
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年08月
書店発売日:2008年08月22日
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独自の歩みと歴史をもつ沖縄。近代日本による強制的な「統合」と戦後の米軍による支配などさまざまな暴力にさらされるなかで、暴力を克服する思想と行動が生み出されてきた。新しい沖縄の思想と行動を行き詰まりを見せている教育を刷新する試みにどう生かすか。
目次
序章
第1節 研究の目的と意義
第2節 研究史
第3節 本論における検討の流れ
第1章 オルタナティブ教育から、教育のオルタナティブへ
第1節 「学び論的転回」の契機
第2節 オルタナティブ教育とその方法
第3節 オルタナティブ教育の目的
第4節 オルタナティブ教育における平和学習の意味と方法
第5節 オルタナティブ教育における平和学習と暴力論との関係
第2章 「暴力」とは何か
第1節 欧米暴力観──アレント〈政治領域としての暴力〉
第2節 欧米暴力観──ベンヤミン〈神話的暴力と神的暴力〉
第3節 欧米暴力観──デリダ〈暴力のエコノミー〉
第4節 日本の暴力観
第5節 「神話的暴力」と「科学の暴力」、「神的暴力」と「自然の暴力」
第6節 暴力の受容のあり方、特に、日本(江戸)と琉球を中心として
第7節 ヨーロッパ・江戸・琉球における法的暴力の受容のあり方、ならびに、暴力観の差異
第8節 暴力とは
第3章 「悲劇」とは何か
第1節 テリー・イーグルトン『甘美なる暴力』による悲劇定義の試み
第2節 ヘーゲル『精神現象学』におけるKraft・Machtに関する予備的考察
第3節 ヘーゲル『精神現象学』における悲劇の意味
第4節 ハイデガー『形而上学入門』に見る悲劇の役割
第5節 ジョルジュ・バタイユ『エロティシズム』に見る「死」と「暴力」の関係
第6節 科学の暴力と「死」の関係についての考察〈悲劇の定義〉
第4章 琉球悲劇の根源
第1節 日本の「悲劇」
第2節 沖縄の「悲劇」
第3節 「悲劇」と「遊女」の関係について
第4節 遊女とは
第5節 琉球遊女について
第6節 琉球遊女(ジュリ)の生活「遊廓の文化」
第7節 ジュリ歌人による琉歌のなかに残された精神性
第8節 現代沖縄詩のなかにある沖縄女性の精神性
第9節 琉球悲劇の根源
第5章 沖縄超暴力
第1節 沖縄超暴力と琉球悲劇
第2節 沖縄超暴力と沖縄非暴力
第3節 沖縄超暴力と琉球情歌
第4節 沖縄超暴力と(遊廓)の悲劇
第5節 沖縄超暴力と〈科学の暴力−法的暴力〉
第6節 沖縄超暴力とエロティシズム
第7節 沖縄超暴力
第6章 沖縄超暴力思想
第1節 沖縄超暴力の根源としての「すでる」の意味
第2節 沖縄超暴力による暴力の解体とは
第3節 沖縄超暴力思想と、その未来及び応用の提案
第4節 沖縄超暴力と「学び」の相関について
おわりに
索引
前書きなど
序章:第3節 本論における検討の流れ
本論での検討の流れを解説する。
第1章では、なぜ、沖縄に関する暴力論を検討するに至ったか、その経緯を、筆者の研究の基礎である「オルタナティブ教育」ならびに「学び」の視点から説明する。
第2章は、本論のテーマである沖縄超暴力について論じる前提として、和製漢語のため日本では曖昧だった「暴力」の定義づけを、アレント、ベンヤミン、デリダの各思想家の欧米的暴力観、ならびに日本の暴力観の比較、および、欧米・江戸・琉球の社会における暴力観受容の差異の比較検討などを通じて試みる。第3章も、同様に、沖縄超暴力の検討の際、その内視鏡として位置づけた「悲劇」の定義を試みるべく、イーグルトンの悲劇定義の再検討をはじめ、哲学研究のなかで「悲劇」を扱うヘーゲル、ハイデガーにとっての「悲劇」の意味の再検討、さらに、「悲劇」を引き起こす「暴力」ならびに「死」との相関について、バタイユの論考を通して検討し、最後に、本論における「悲劇」の定義づけを行う。
第4章は、沖縄超暴力を研究分析する直接的な切り口である「琉球悲劇とは何か」について、「日本の悲劇」と「沖縄の悲劇」の比較検討から始め、両者の悲劇を規定する共通の区別である「遊女」について検討を行う。続けて、琉球悲劇を規定する琉球遊女(ジュリ)の紹介、そして、ジュリならびに現代沖縄女性の詩作に残る、沖縄女性の精神性について検討する。最後に、琉球悲劇が持つ暴力的構造をもとに、沖縄における暴力論的な意味での、「悲劇」の根源を明らかにする。
第5章は、沖縄超暴力の限定について、その存在を予感させる「日本悲劇」と「琉球悲劇」の差異を確認した上で、沖縄超暴力を限定すると思われる〈変化〉〈想像〉〈判断〉〈基礎〉〈能力〉の5つの区別に対応する「沖縄非暴力(伊江島土地闘争)」「琉球情歌(ナークニー等)」「辻の悲劇(遊廓)」「科学の暴力−法的暴力(石高制)」「エロティシズム(琉球エロティシズム)」の各事象に存在する差異性に注目し、沖縄超暴力の存在を規定する。最後に、存在が限定された沖縄超暴力の「位置」「エネルギー構造とそのシステム」「機能」について論述する。
最終章の第6章では、第5章で、その存在や機能が限定された沖縄超暴力の源動力は何かという検討、そして、本論の重要検討事項である、沖縄超暴力による〈暴力の解体〉の可能性の検討、さらに、沖縄超暴力を生かした生き方、ならびに、沖縄超暴力の活用の提案を行う。本章の終わりに、今後の研究へと繋げる意味で、「沖縄超暴力−暴力(自然の暴力/科学の暴力)」と「学び−教育(オルタナティブ教育/国家教育)」との構造的相関の検討を加える。
以上が、本論における検討の流れである。
著者プロフィール
柳下 換(ヤギシタ カン)
1957年、横浜市生まれ、鎌倉育ち。大学卒業後、2年間ほどの高校・小学校教員経験を経て、1984年、鎌倉地域教育センター代表。1996年より、鎌倉・風の学園学園長。
専門領域:オルタナティブ教育論・学習方法論・平和学習論・フィールドワーク学習論
著書・論文:
『インターネットハイスクール風』(ダイヤモンド社)
『脱国家教育』(蕗薹書房)
『沖縄の平和学習とオルタナティブ教育──沖縄における同化と交流のゆらぎ』(明石書店)
『21世紀コンピュータ教育辞典(事例集)』(旬報社)
「風の学園の学校づくり」(雑誌『教育』国土社)
「『教育』のオルタナティブとしての『学び』の可能性についての一考察」(修士論文)
「『学び』の作法としての救済手段試行」(沖縄国際大学地域文化論叢)
「『沖縄』をヤマトに投げ返す沖縄的戦略──歴史教科書問題をめぐる磁場」(季刊『現代の理論』明石書店)
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