働くための福祉の国際比較図表でみる世界の最低生活保障 OECD給付・賃金インディケータ
OECD:編著, 日本労働組合総連合会(連合)総合政策局:訳
発行:明石書店 この版元の本一覧
B5判 212ページ 並製
定価:3,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2829-4 C0033
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年07月 書店発売日:2008年08月05日
※送料は無料です。
FAXによるご注文は、原則としてお受けしておりません。
学校・官公庁などのでの御用でネットショッピングが利用できない場合、メールか電話にてご相談ください。

※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカードがご利用いただけます。
タグ: ,
タグは版元ドットコム事務局で編集することがあります。
あらかじめご了承下さい。


このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

仕事を持たない人々が貧困に陥らず就業意欲を高めるためにはどうしたらよいのか。さまざまな社会給付と税負担、就業および給付による純所得が就業への動機づけや家計所得、子育てに与える影響を国際比較可能な指標をもとに詳細に分析する。

目次

 日本語版刊行によせて
 序文
 刊行にあたって:子育てを就業の妨げにしないためには支援が必要である
 要約

第1章 税・給付制度の諸要素
 序
 第1節 主要な社会給付
  a)失業保険
  b)失業扶助
  c)社会扶助
  d)若年失業者給付
  e)住宅給付
  f)家族給付
  g)ひとり親給付
  h)就業条件付き給付
 第2節 所得税、社会保障負担および給付の税制上の取り扱い
 第3節 税と給付の相互作用

第2章 税負担、給付水準と所得の妥当性
 序
 第1節 就業中の純所得:被用者とその家族の税と給付
 第2節 失業中の純所得:失業者とその家族の税と給付
 第3節 貧困層への純移転給付

第3章 就業への移行の金銭的結果
 序
 第1節 税・給付制度に組み込まれている仕組みの例解
 第2節 失業中の所得維持:純代替率
 第3節 就業復帰への障壁:非活動と失業の罠
 第4節 労働時間・就業努力の変化:低賃金の罠

第4章 親たちは働く余裕があるのか?——保育コスト、税・給付政策と就業への動機づけ
 序
 第1節 有料保育の利用
 第2節 純保育コストの数量化
  a)保育施設の利用料
  b)保育関連給付と減税措置
  c)まとめ:保育のための現金支出
 第3節 保育のために働くのか? 保育コストの後に何が残るのか?
  a)保育コストと就業への動機づけ
  b)育児休業後の所得可能性

第5章 税・給付の制度改革
 序
 第1節 改革:就業への動機づけに関する変化の国際比較
 第2節 改革の実例
  a)重要な構造改革:ドイツ、スロバキア
  b)就業への動機づけの強化:ベルギー、フランス、スイス、イギリス
  c)失業給付制度の再構築:チェコ、フィンランド、ハンガリー、ポルトガル、イタリア
  d)児童給付制度の再構築:オーストリア、ニュージーランド

付A:方法論
 序
 第1節 所得の定義と期間について
 第2節 所得についての仮定
 第3節 給付の仮定
  a)計算に含まれる給付
  b)失業保険
  c)資力調査をともなう失業関連給付
  d)住宅給付
  e)家族給付
  f)子育て給付
  g)ひとり親給付
  h)就業条件付き給付
 第4節 税制の仮定
 第5節 地域間の違いの取り扱い
 第6節 就業への動機づけの指標
  a)限界実効税率(METR)
  b)平均実効税率(AETR)
  c)純代替率(NRR)
  d)平均実効税率と純代替率の関係
  e)社会保障事業主負担と各国における指標の比較可能性
 第7節 税・給付計算の基礎となる家族状況
 第8節 過去の結果との比較

付B:OECD税・給付モデルの活用

 訳者あとがき

前書きなど

日本語版刊行によせて

 本書は、経済協力開発機構(OECD)が2007年12月に発表した「OECD給付と賃金シリーズ(OECD Benefits and Wages Series)」の最新報告書の日本語訳である。
 本書は、社会保障制度を考える際には達成するべき3つの目標を示し、それらはそれぞれ相反すると説明している。低所得層の生活を支援すること、働くことへの動機づけを強化すること、財政的に持続可能な制度にすることの3つである。日本では、財政的持続可能性に比重を置き、給付を抑制し、水準を切り下げ、個人負担を増加する改革がすすめられてきた。その結果、少子化対策の遅れ、高齢化の一層の進行、労働市場の二極化、非正規労働者の増大といった課題に対して、社会保障機能が十分に働いていない。財政の健全化に執心するあまり、社会保障が本来果たすべき、生活保障機能、所得再分配機能が機能不全に陥っている。これがわが国の現状である。
 本書は、OECD各加盟国の、現金給付と税の減免措置の相互作用からみた生活保障制度について、詳細に比較・分析を行っている。失業保険、生活保護、そしてその中間に位置するわが国では採用されていない失業扶助を比較・分析の柱とし、若年失業者給付、住宅給付、児童手当、ひとり親給付、就業を条件とする給付などについて、受給の要件と水準、収入があった場合の減額措置を説明している。日本では、社会保険・労働保険の編み目からこぼれ落ち、しかし生活保護を受ける要件は満たさない、現状のセーフティネットではすくわれない人々が増大している。切れ目のない包括的な生活保障を再構築する意味では、諸外国の制度を大いに参考にするべきである。
 第3章では、「給付」から「就業」に移行した場合の金銭的結果、つまり失業者が就業した場合、またはパートタイム雇用からフルタイム雇用へと労働時間を増やしたときの所得の変化を、賃金、給付、税の減免措置、所得税、社会保障負担などの増減から算出している。さらに、第4章では、これらの要素に子育てコストなどを加え、子どもを保育所に預けて働いた場合の金銭的結果を算出している。生活保障制度の政策効果を、賃金、労働時間、保育などの観点から総合的に検証することは、若年貧困層の拡大、出生率の低下、経済の停滞、社会の不安定化という、現在日本が陥っている複合的な悪循環を断ち切るためには有効である。
 社会福祉の対極に、ワークフェアというモデルがある。これは、財政的持続可能性の視点からみると、少しでも働ける人には働いてもらい、極力給付を抑制するモデルととらえることができる。しかし、本書を読み進めていくと、「福祉」と「就労」は決して二者択一的な関係ではなく、適切な保障・支援があってこそ就労へと移行できることが理解できる。その意味で、日本語版には、「働くための福祉」という副題がつけられている。本書が、社会保障の機能回復・強化に取り組む広範な関係者に読まれ、活用されることを期待する。

   2008年7月  日本労働組合総連合会(連合)会長  高木 剛

著者プロフィール

OECD(オーイーシーディー)

 経済協力開発機構(OECD:Organisation for Economic Co-operation and Development)は、民主主義を原則とする30か国の先進諸国が集まる唯一の国際機関であり、グローバル化の時代にあって経済、社会、環境の諸問題に取り組んでいる。OECDはまた、コーポレート・ガバナンスや情報経済、高齢化等の新しい課題に率先して取り組み、各国政府のこれらの新たな状況への対応を支援している。OECDは各国政府がこれまでの政策を相互に比較し、共通の課題に対する解決策を模索し、優れた実績を明らかにし、国内及び国際政策の調和を実現する場を提供している。
 OECD加盟国は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、韓国、ルクセンブルク、メキシコ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国である。欧州委員会もOECDの活動に参加している。
 OECDが収集した統計や、経済、社会、環境の諸問題に関する研究成果は、加盟各国の合意に基づく協定、指針、標準と同様にOECD出版物として広く公開されている。

上記内容は本書刊行時のものです。

日本労働組合総連合会(連合)総合政策局(ニホンロウドウクミアイソウレンゴウカイレンゴウソウゴウセイサクキョク)

日本労働組合総連合会(連合)は、1989年に結成された日本の労働組合のナショナル・センター(中央労働団体)である。加盟組合員は約680万人。56の「構成組織」(産業別労働組合など)が加盟し、全国47都道府県に「地方連合会」をおいている。連合の総合政策局は、税制、社会保障、産業、教育といった多岐にわたる政策分野について、要求と提言をとりまとめ、政府や国会に対する取り組みを行っている。

上記内容は本書刊行時のものです。
※送料は無料です。
FAXによるご注文は、原則としてお受けしておりません。
学校・官公庁などのでの御用でネットショッピングが利用できない場合、メールか電話にてご相談ください。

※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカードがご利用いただけます。


コメントとトラックバック »

まだコメントとトラックバックはありません

TrackBack URI : http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7503-2829-4.html/trackback

コメントをどうぞ

お寄せいただいたコメントは、当サイトに掲載されますが、内容によっては削除させていただく場合がございます。なお、コメントへの回答は原則としていたしておりません。当サイト・著者・各版元へのお問い合わせの際は、お問い合わせフォームをご利用下さい

Twitterでのつぶやかれ

▲ページの上端へ