発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 676ページ 上製
定価:8,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2779-2 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年05月 書店発売日:2008年05月30日
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イエール大学チャイルド・スタディ・センターのスタッフが、アスペルガー症候群を、行動面、家族遺伝学と神経生物学的側面、関連する診断概念、アスペルガー症候群の人の評価・治療・介入、研究と臨床的実践、親の手記等々、多角的な視点から、最新の知見をまとめたプロジェクトの集大成。
目次
序(アミー・クライン、フレッド・R・ヴォルクマー、サラ・S・スパロー)
アスペルガー症候群の研究/アスペルガー症候群にかかわる臨床的実践/親たちへ/アスペルガー症候群の人たちへ/本書の構成/参考文献
第1部 行動面
第1章 アスペルガー症候群の診断をめぐる問題(フレッド・R・ヴォルクマー、アミー・クライン)
診断概念の変遷/アスペルガー症候群の診断へのアプローチ/診断概念としてのアスペルガー症候群の妥当性/結論——今後の研究の意義/参考文献
第2章 アスペルガー症候群の神経心理学的機能と外的妥当性(サリー・オゾノフ、エリザベス・マクマオン・グリフィス)
症候群の妥当性の問題/アスペルガー症候群と高機能自閉症における運動の発達と機能/アスペルガー症候群と高機能自閉症の視空間機能/アスペルガー症候群と高機能自閉症における心の理論/アスペルガー症候群と高機能自閉症の実行機能/結論/謝辞/参考文献
第3章 アスペルガー症候群の運動機能(イザベル・M・スミス)
アスペルガー症候群における「不器用さ」/自閉症スペクトラム障害の運動機能に対するその他のアプローチ/自閉症の運動機能に関する研究の意義/臨床治療の意義/結論/謝辞/参考文献
第4章 アスペルガー症候群と高機能自閉症における社会言語使用(レベッカ・ランダ)
言語の「語用」とは何を意味するのか?/伝達意図/前提/談話/語用能力の評価/社会言語障害の根底にあるものは何か/介入の意義/自閉症における社会的コミュニケーション障害の遺伝的信頼性のエビデンス/結論/参考文献
第2部 家族遺伝学と神経生物学的側面
第5章 アスペルガー症候群は家系内に集積するか?(スーザン・E・フォルシュタイン、スーザン・L・サンタンゲロ)
家系内での自閉症、アスペルガー症候群、広義自閉症表現型の同時発生/アスペルガー症候群の人の家系における他の障害/考えられる遺伝的な機序/遺伝カウンセリング/今後の研究への提言/結論/参考文献
第6章 自閉性障害とアスペルガー症候群の神経機能モデル——神経画像研究を糸口として(ロバート・T・シュルツ、リザベス・M・ロマンスキー、キャサリン・D・サツァニス)
自閉性障害、アスペルガー症候群で障害されている神経心理学的システム/アスペルガー症候群の神経画像研究/アスペルガー症候群と自閉性障害に関する神経生物学的研究の総説/結論と今後の方向性/参考文献
第7章 高機能広汎性発達障害の精神薬理学的治療(アンドレ・マーティン、デビッド・K・パツザー、フレッド・R・ヴォルクマー)
背景/薬物療法のパターン/臨床的評価と薬理学的治療の関連/今後の精神薬理学的治療のための指針と研究の方向性/謝辞/参考文献
第3部 関連する診断概念
第8章 非言語性学習障害とアスペルガー症候群(バイロン・P・ローク、キャサリン・D・サツァニス)
背景/基本的音韻処理障害/非言語性学習障害/認知発達の観点/白質モデル/非言語性学習障害とアスペルガー症候群の類似性/今後の研究のための指針/結論/参考文献
第9章 アスペルガー症候群の特異性とは何か?——自閉症境界例について研究を進めることの必要性(D・V・M・ビショップ)
言語障害と自閉症スペクトラムの関係——DSMにおける診断概念の発展/診断学的境界に分類される子どもの数は果たして少ないのか?/自閉症と発達性言語障害との境界はどれほど明瞭なのか?/発達性言語障害のサブタイプ、「語義・語用障害」という概念/言語障害の子どものためのチェックリスト——その予備的研究/アスペルガー症候群を超えて/謝辞/参考文献
第10章 児童期のシゾイド・パーソナリティとアスペルガー症候群(スーラ・ウォルフ)
児童期の状態像/予後の検証研究/診断概念の変遷/シゾイド・パーソナリティと、アスペルガー症候群を含む児童期広汎性発達障害の現在の診断基準/児童期のシゾイド・パーソナリティと、成長後の精神病罹患率——統合失調症との関連/シゾイド・パーソナリティと、成長後の非行/有効な治療的介入/シゾイド・パーソナリティと刑事司法制度/児童期のシゾイド・パーソナリティ、自閉症、統合失調症はどのように関連しているか?/結論/参考文献
第4部 評価、治療、介入、および成人期
第11章 アスペルガー症候群の子どもおよび青年の評価をめぐる問題(アミー・クライン、サラ・S・スパロー、ウェンディ・D・マランズ、アリス・カーター、フレッド・R・ヴォルクマー)
評価の一般的原則/病歴/心理学的評価/コミュニケーション面の評価/診断的評価/さらなる評価とコンサルテーション/要約/参考文献
第12章 アスペルガー症候群の人々に対する治療・介入の指針(アミー・クライン、フレッド・R・ヴォルクマー)
サービスの確保と実践/総合的な教育的介入の状況/一般的な介入戦略/ソーシャル・スキルおよびコミュニケーション技能訓練/体系化の能力/支援技術/学校カリキュラム/行動管理/職業訓練/心理療法/自助グループ/結論/参考文献
第13章 青年期および成人期のアスペルガー症候群の人々(ディグビー・タンタム)
アスペルガー症候群とは?/診断的評価/中核症候群/社会の反応/アスペルガー症候群に関連した身体的障害/アスペルガー症候群が明らかな原因ではないが、アスペルガー症候群に関連のある障害(併存症)/親のための指針/発達的な視点/予後/謝辞/参考文献
第5部 研究および臨床に関するさまざまな視点、親による手記
第14章 アスペルガー症候群の分類をめぐる考え方(ピーター・ザトマリ)
歴史的背景/広汎性発達障害の分類の評価/アスペルガー症候群と非定型的な発達を示す他の障害/結論/参考文献
第15章 アスペルガー症候群に関する研究の過去と未来(ローナ・ウィング)
歴史/アスペルガー症候群と自閉症との関係/今後の研究の方向性/子どもの教育および治療/成人のためのサービス/精神疾患/自閉症スペクトラム障害の人々とその親による貢献/最後に/参考文献
第16章 親による手記
はじめに/ウォルター(ジャンヌ・ウォーリス)/内側から見えるもの(ロリ・S・シェリー)/私たちはどうやってここまできたのだろう?(リンダ・リートシェル)/一番の擁護者(ディアン・ハイアット=フォリー、マシュー・G・フォリー)
付録
監訳者あとがき
索引
著者紹介
編者紹介
前書きなど
監訳者あとがき(一部抜粋)
(…前略…)
本書は、次の5つの「部」によって構成されている。
第1部はアスペルガー症候群の行動面に焦点が当てられ、「第1章:アスペルガー症候群の診断をめぐる問題」「第2章:アスペルガー症候群の神経心理学的機能と外的妥当性」「第3章:アスペルガー症候群の運動機能」「第4章:アスペルガー症候群と高機能自閉症における社会言語使用」から成り、DSM-IVとICD-10に至る診断上のこれまでの議論が概観されている。診断概念としてのアスペルガー症候群の妥当性検証に絡む問題点を再検討した上で、旧来の方法論が陥りがちな落とし穴を回避しつつ、有力な手がかりを増やす見込みのある今後の研究の方向を提案している。
第2部は、「第5章:アスペルガー症候群は家系内に集積するか?」「第6章:自閉性障害とアスペルガー症候群の神経機能モデル」「第7章:高機能広汎性発達障害の精神薬理学的治療」から構成され、アスペルガー症候群に関する遺伝学的・神経心理学的研究を概観している。「広義自閉症表現型」(Broader autism phenotype)が取り上げられ、生物学的研究が精神病理に結びついていく可能性が論じられている。
第3部は、「第8章:非言語性学習障害とアスペルガー症候群」「第9章:アスペルガー症候群の特異性とは何か?」「第10章:児童期のシゾイド・パーソナリティとアスペルガー症候群」から構成され、アスペルガー症候群と関連する諸概念、たとえば非言語性学習障害、語義・語用障害、シゾイド・パーソナリティ障害などとの関連について詳述している。
第4部は、「第11章:アスペルガー症候群の子どもおよび青年の評価をめぐる問題」「第12章:アスペルガー症候群の人々に対する治療・介入の指針」「第13章:青年期および成人期のアスペルガー症候群の人々」から構成され、診断プロセス、治療的介入の手順などについて述べている。現時点では、残念ながら、さまざまな治療戦略の有効性を検証するために必要なデータが不足しているが、社会性とコミュニケーション能力の訓練と適応支援技術について発表されはじめた最新の文献を紹介している。
第5部は、「第14章:アスペルガー症候群の分類をめぐる考え方」「第15章:アスペルガー症候群に関する研究の過去と未来」「第16章:親による手記」からなり、アスペルガー症候群の研究と臨床的実践に関する興味深い論述がなされている。第16章の「親による手記」は、個人的な体験談を越えて、親が直面した試練と苦難、そして障害のある子どもがいる家庭が味わう喜びと勝利を生き生きと描き出している。
(…後略…)
著者プロフィール
アミー・クライン(クライン,アミー)
イェール大学チャイルド・スタディ・センターの児童心理学と児童精神医学の准教授。自閉症と関連障害の分野に関する60以上の論文の著者であり、アスペルガー症候群を中心とした連邦政府資金による一連の調査研究の取りまとめ役でもある。主な研究分野は神経心理学と社会化障害の社会的認知。
上記内容は本書刊行時のものです。フレッド・R・ヴォルクマー(R・ヴォルクマー,フレッド)
イェール大学チャイルド・スタディ・センターの児童精神医学、児童心理学、小児医学の教授。自閉症と関連障害の分野で150以上の論文や文献を執筆。Handbook of Autism第2版の編者、アメリカ児童青年精神医学会自閉症委員会の委員長であるとともに、Journal of Autism and Developmental DisordersとJournal of Child Psychology and Psychiatryの編集委員も務める。
上記内容は本書刊行時のものです。サラ・S・スパロー(S・スパロー,サラ)
イェール大学チャイルド・スタディ・センターの心理学の教授で、主任サイコロジスト。心理学的評価と発達障害の分野で100以上の論文を執筆。最も広く利用されている心理検査法のひとつであるヴァインランド適応行動尺度の主著者である。主な研究分野は適応行動の評価、児童神経心理学、発達障害。
上記内容は本書刊行時のものです。山崎 晃資(ヤマザキ コウスケ)
1937年生まれ。児童精神科医。北海道大学大学院修了、医学博士。北海道大学医学部精神科外来医長、市立札幌病院静療院児童部長、東海大学医学部精神科学教室主任教授、同大学教育研究所教授、同大学付属相模高等学校・同中学校校長を経て、現在目白大学人間学部子ども学科教授・大学院生涯福祉研究科教授、臨床児童精神医学研究所所長、愛光病院臨床顧問などを務める。
最近の主な著作として、『発達障害と子どもたち——アスペルガー症候群、自閉症、そしてボーダーラインチャイルド』(講談社、2005年)、『子育て不安の処方箋——親と子の「こころのトラブル」相談室』(東海教育研究所、2004年)、『子どもが「怖い」大人たちへ——子どもの精神疾患』(監修、東海教育研究所、2000年)、『現代児童青年精神医学』(共編、永井書店、2002年)、『子どもと暴力』(編著、金剛出版、1999年)、『発達障害児の精神療法』(編著、金剛出版、1995年)など。
小川 真弓(オガワ マユミ)
1971年生まれ。翻訳者。中央大学卒業。訳書に『自殺予防事典』(共訳、明石書店、2006年)など。本書では序から第4章までの翻訳を担当。
上記内容は本書刊行時のものです。徳永 優子(トクナガ ユウコ)
1948年生まれ。翻訳者。東京学芸大学卒業。訳書に『自殺予防事典』(共訳、明石書店、2006年)、S・モーガン『生命科学の今を知る 第4巻 クローン技術』(文溪堂、2004年)、『AMAZING WORLDSシリーズ(動物図鑑)全22巻』(BL出版、1996-7年)など。本書では第5章から第10章までの翻訳を担当。
吉田 美樹(ヨシダ ミキ)
1959年生まれ。翻訳者。早稲田大学大学院修士課程修了。訳書に『自殺予防事典』(共訳、明石書店、2006年)、『家族の聞きたいこと——精神障害者をもつ家族のさまざまな質問に答える』(共訳、星和書店、1994年)など。本書では第11章から第16章までの翻訳を担当。
上記内容は本書刊行時のものです。※FAXによるご注文は、原則としてお受けしておりません。
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