韓国現代史60年
徐 仲錫, 文 京洙:訳, 民主化運動記念事業会:企画
発行:明石書店
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四六判 232ページ 上製
定価:2,400円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2710-5 C0022
在庫あり
奥付の初版発行年月:2008年01月
書店発売日:2008年02月01日
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紹介

戦争と混乱、過酷な強権政治と抵抗、経済成長とその破綻。本書は、幾多の困難と屈折をくぐり抜け民主化を求めてきた韓国に住む人びとの経験を伝える。そして今なお残る過去清算問題とは何か。柔らかな筆致でコンパクトに描く韓国現代史の新たなスタンダード。

目次

 日本語版によせて 
 刊行の辞
 はじめに

第1章 解放・分断・戦争・李承晩独裁
 1 解放
 2 革命的変化
 3 米ソ共同委員会
 4 分断政府の樹立
 5 反共国家に向かって
 6 戦争
 7 戦争の被害と影響
 8 永久執権への野望
 9 民心の離反

第2章 四月革命と民主主義
 1 李承晩・自由党の三・一五選挙にむけた画策
 2 馬山デモから四・一九抗争へ
 3 李承晩政権、崩れる
 4 民主主義の伸張
 5 革命立法
 6 統一運動と社会運動

第3章 朴正煕軍部政権と学生運動
 1 五・一六軍部クーデター
 2 進歩的民族主義勢力の弾圧と反共の強化
 3 民政移管
 4 韓日会談反対運動
 5 韓日協定批准騒動とベトナム派兵
 6 六・八不正選挙と三選改憲
 7 経済発展
 8 変化を求めた一九七一年大統領選挙と総選挙

第4章 維新体制と反独裁闘争
 1 維新クーデター
 2 反維新闘争と「人民革命党事件」
 3 緊急措置九号時代
 4 金泳三、朴正煕と激突
 5 馬抗争から一〇・二六宮井洞事態へ
 6 労働運動・農民運動

第5章 光州民衆抗争から六月民主抗争へ
 1 一二・一二クーデターと五・一七クーデター
 2 光州民衆抗争
 3 全斗煥新軍部政権
 4 二・一二総選挙旋風
 5 労・学連帯と労働・農民運動
 6 六月民主抗争1 朴鍾哲拷問致死と六・一〇国民大会
 7 六月民主抗争2 六・二六デモから六・二九宣言へ

第6章 民主主義の進展と南北の和解
 1 労働者大闘争と文化部門での民主化
 2 与小野大国会の出現
 3 南北の接近
 4 全教組、民主労総の結成と農民の闘い
 5 IMF事態
 6 六・一五南北首脳会談
 7 民主化と経済発展の同時達成

 訳者あとがき
 索引

前書きなど

はじめに

 韓国は、一九六〇年三、四月抗争から一九九〇年代に至るまで三十年以上も学生運動がつづいたという点で世界でも稀有の歴史をもっている。もちろん、学生だけがデモをしたわけではなく、事案によって野党政治家・知識人・宗教人・言論人など社会各層が参加し、一九六〇年の馬山デモと四・一九デモ、一九八〇年の光州民衆抗争、そして一九八七年の六月民衆抗争などには市民が積極的に参加した。一九八〇年代以降の労働者・農民たちもデモを繰り広げた。デモの目的は不正選挙糾弾、韓日会談反対など多様であったが、一九七二年の維新政権成立後は反独裁民主化が運動の主な目標となった。
 一九六〇年以後の韓国現代史は、民主化運動史、もしくは学生運動史と切っても切れないほど密接に結びついている。とりわけ、民主化運動が反米自主化運動、労働者・農民運動、統一運動とともに激烈に展開した一九八〇年代は、民主化運動史が即、政治史といっても過言ではないほどに両者は互いに緊密な関係のもとに置かれている。
 この著書で私は、民主化運動史が現代史とどのような関連のなかでどのように展開したのかを叙述した。だが、韓国人にも外国人にも一九六〇年以前の現代史がよく知られていないことを考慮して、その部分をまず簡略に叙述した。韓国人が一九四五年に解放をどのように迎えたのか、占領軍としてはじめにやって来た米ソ両軍は朝鮮半島でどのような役割を担ったのか、なぜ一九四八年に南と北にそれぞれ政府が樹立し二年後の一九五〇年に戦争が起こったのかなどの問題は今日まで韓国現代史において最も論争の多い部分である。さらに、現代史や民主化運動史を理解するうえで重要であったり必要であると思われる事項も付け加えたり別に節を設けて叙述した。韓日会談については朴正熙政府以前の政
府からの進展過程を短く叙述し、経済発展については別に節を設けて叙述した。維新体制についても成立過程と特徴について叙述した。一九九〇年代以後の歴史も民主化運動史と選挙を中心に検討した。
 韓国現代史の研究は、一九八七年の六月民主抗争までは研究するのが容易ではなかった。長期にわたって朝鮮半島は熾烈なイデオロギー戦争の場であったし、冷戦・反共イデオロギーがつよく支配していた。そのための現代史関連の資料が多いとは言えないし、アプローチも容易ではなかった。一九八〇年代の半ば以降、若手の学者を中心に現代史研究が盛んになったが、解放三年の時期についての研究を除いていまだに初歩的なレベルを超えたとみるのは難しい。韓国では二〇〇五年、解放六十周年を迎えて、民主化と経済発展という二つの課題を成就したと評価されているが、いまだ韓国人であれ外国人であれ、韓国現代史にアプローチすることは容易ではない。この著書が韓国現代史の理解に少しでも助けになればと願っている。

二〇〇七年五月 徐仲錫

著者プロフィール

徐 仲錫(ソ ジュンソク)

1948年、韓国忠清南道・論山に生まれる。ソウル大学校国史学科を卒業し、同大学院で博士号を取得。東亜日報社『新東亜』記者、『歴史批評』編集主幹、歴史問題研究所所長等を歴任。現在、成均館大学史学科教授、歴史問題研究所顧問。
主な著書に『80年代民衆の生と闘争』『韓国現代民族運動研究(1・2)』、『曹奉岩と1950年代(上・下)』等があり、日本語訳に『現代朝鮮の悲劇の指導者たち』(林哲、金美恵ほか訳、明石書店)がある。

文 京洙(ムン ギョンス)

1950年、東京に生まれる。法政大学大学院社会科学研究科修士課程を修了し、現在、立命館大学国際関係学部教授。専攻は政治学、韓国現代史。
著書に『韓国現代史』(岩波書店)、『済州島現代史』(新幹社)、『在日朝鮮人問題の起源』(クレイン)、『在日外国人の住民自治』(共著、新幹社)等がある。

民主化運動記念事業会(ミンシュカウンドウキネンジギョウカイ)

韓国民主主義の発展において中心的な動力であった民主化運動精神を国家的なレベルで継続的に発展させるべきだという社会的な合意から制定された民主化運動記念事業会法により設立された。また、民主化運動記念事業会は民主化運動を記念しその精神を継承するための事業を行うことにより民主主義の発展に寄与することを目的として(民主化運動記念事業会法第1条)設立された公共特殊法人団体として国民とともに民主化運動記念事業を行う組織である。

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