発行:明石書店
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四六判 468ページ 並製
定価:3,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2596-5 C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年09月
書店発売日:2007年09月20日
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紹介
本書は大阪女子大学(現大阪府立大学)女性学研究センター2002〜05年の研究成果である。第一線の研究者15人が不況、ケア、雇用労働、グローバリゼーションなどをキーワードに、社会科学的なアプローチによってジェンダーに関わる政治学を解き明かす。
目次
第一部 講演録(二〇〇二〜二〇〇四年)
1 不況と女性(足立眞理子)
2 小泉改革は「主婦の構造改革」か(大沢真理)
3 転換点に立つ男女雇用平等政策
——新しい社会システムの構築に向けて(竹中恵美子)
4 ワーク・シェアリングとは何か(久場嬉子)
5 ケア、感情、ジェンダー——高齢者介護問題を通して(春日キスヨ)
6 グローバリゼーションと家族の変容(牟田和恵)
第二部 論文集
【ケア——制度と現実のはざま】
1 ケアのグローバル化——ケア労働の国際的移転と日本的状況(足立眞理子)
2 地方自治・NPO・女性(上野千鶴子)
3 市民主体の介護保険制度への展望
——介護保険の達成した水準と課題の検証から(大谷 強)
4 「主婦の仕事」を考える——ケアという労働(木村涼子)
【「雇用労働」の溶解】
5 労働の消去としての雇用の多様化——「愛の労働」の新たな展開(伊田久美子)
6 非正規雇用とジェンダー——パートタイムを中心に(三山雅子)
7 雇用と福祉の再編(藤原千沙)
8 カナダの若い女性ホームレス(シルヴィア・ノヴァック/河上婦志子=訳)
9 雇用と失業の間(足立眞理子)
【フェミニスト・ポリティクスの展開】
10 韓国女性政策の現況と課題(キム・ソンウク/田端かや=訳)
11 一九九〇年代以降の韓国女性政策の変化とその背景
——生活者の視点から(田端かや)
12 平等化戦略としてのアファーマティブ・アクション(河上婦志子)
13 大学におけるセクシュアル・ハラスメント防止対策の動向から見る今後の課題と方策
——二〇〇一〜二〇〇三年度の研究報告より(熊安貴美江)
あとがき
前書きなど
あとがき
この論集は、足立眞理子が大阪女子大学(現大阪府立大学)女性学研究センターの専任研究員を務めていた、二〇〇二年から二〇〇五年にかけての三年半の研究活動をまとめたものです。
この時期、足立を中心として、不況、ケア、雇用労働、グローバリゼーションなどをキーワードに、社会科学的なアプローチによってフェミニストの視点からジェンダーに関わる政治学(フェミニスト・ポリティクス)を解き明かそうとする意欲的な研究活動を展開しました。多様な専門分野の研究者を巻き込んでのそれは、急速に変化する国際社会下のフェミニスト・ポリティクスを分析するための新しい地平を開拓してきたと自負しています。
女性学研究センターは、一九九六年に大阪女子大学に設置された、公立大学としては唯一の女性学・ジェンダー研究機関です。二〇〇五年、大阪女子大学と大阪府立大学の統合により、大阪女子大学の歴史が幕を閉じると同時に、大阪女子大学女性学研究センターは大阪府立大学女性学研究センターに衣替えをしました。女性学研究センターは、戦前から戦後にかけて意欲をもった女性に貴重な学問の場を提供してきた大阪女子大学ならではの、よき伝統が育んできたものです。大阪女子大学という場が、女性学の教育・研究を生み育てる豊かな土壌であったことは、それを担った教員の中の少なくない方々が、女子専門学校当時からの卒業生であったことからもわかります。
センターの活動は、教養科目「女性学概論」「女性学入門」や専門科目「女性学演習」、授業公開や「府民教養講座」などの科目提供による学内外の教育活動、「国際交流事業」、「女性学研究コロキウム」、センターの研究紀要『女性学研究』刊行などの研究活動、「女性学連続講演会・連続セミナー」、「男女共同参画政策推進のための研修事業」などの研究成果を社会貢献につなげる活動と、多岐にわたっています。
以下に、女性学研究センターの活動の中から、本書の土台となった二〇〇二年度から二〇〇四年度までの「女性学連続講演会・連続セミナー」「男女共同参画政策推進のための研修事業」「国際交流事業」「女性学研究コロキウム」の開催事業一覧を挙げておきます。
●女性学連続講演会・連続セミナー
二〇〇二年度 第七期「不況のなかで女性たちは今、政策と展望」
「不況と女性1・2」足立眞理子
「ワークシェアリングとは何か」久場嬉子
「小泉改革は『主婦の構造改革』か」大沢真理
「転換点に立つ男女雇用平等政策」竹中恵美子
二〇〇三年度 第八期「ケアの現在——制度の現実とはざま」
「ケアという労働」木村涼子
「ヘルパーは『社会の嫁』か?」上野千鶴子
「ケア、感情、ジェンダー」春日キスヨ
「介護保険制度と市民参加」大谷強
「ケアのグローバル化」足立眞理子
二〇〇四年度 第九期「『雇用労働』とジェンダー再配置」
「雇用の多様化をめぐって」伊田久美子
「雇用と福祉」藤原千沙
「非正規雇用とジェンダー」三山雅子
「労働とジェンダー」中野麻美
「雇用と失業の間」足立眞理子
●男女共同参画政策推進のための研修事業
二〇〇二年度 「男女共同参画政策の現状と今後——より一層の発展をめざして」
講演「男女共同参画政策の現状と今後」大沢真理
シンポジウム 大沢真理、住田裕子、藤枝澪子
講演「市民による行政評価システム」菅原敏夫
二〇〇三年度 「グローバリゼーションと社会政策
——グローバリゼーション・セイフティネット・家族の現在」
講演「グローバリゼーションとセイフティネット」金子勝
講演「グローバリゼーションと近代家族」牟田和恵
パネル・ディスカッション 金子勝、牟田和恵、足立眞理子、木村涼子
二〇〇四年度 「地方自治・NPO・女性」
講演「地方自治・NPO・女性」上野千鶴子
シンポジウム 上野千鶴子、キム・ソンウク、足立眞理子、伊田久美子
●国際交流事業シンポジウム(二〇〇四年)
「東アジアの女性政策主流化に向けて——韓国と日本の政策比較を中心に」
「韓国女性政策の現況と課題」キム・ソンウク
「一九九〇年代以降の韓国女性政策の変化とその背景——生活者の視点から」田端かや
「男女共同参画社会の実現に向けて」大森崇利
「日本と韓国の状況の類似と政策動向の違い」江原由美子
●女性学研究コロキウム
二〇〇二年度
第一回 「大学におけるセクシュアル・ハラスメント対策の現状と課題」戒能民江、牟田和恵
第二回 「フェミニズムにおける倫理、親密圏とフェミニズム」金井淑子、田村公江
二〇〇三年度
第一回 「九〇年代韓国の女性運動と女性政策」市場淳子、春木育美
第二回 「学校教育における男女平等化戦略」河上婦志子、堀内かおる、玉井真理子
第三回 「ホームレス問題とジェンダー」シルビア・ノヴァック、玉井真理子
二〇〇四年度
第一回 「学校教育とセクシュアル・ハラスメント」箕面市人権教育研究会、段林和江、本多利子
第二回 「韓国における高学歴女性の就業問題の構造的要因とその是正策」春木育美
第三回 「女はなぜ貧乏なのか」竹信三恵子
最後に、過去および現在、学内外の多くの方々のご尽力があって、女性学研究センターが発展してきたことを書き記しておきたいと思います。
編者一同
著者プロフィール
足立 眞理子(アダチ マリコ)
お茶の水女子大学大学院・准教授、ジェンダー研究センター長
主要論文・著書:「従属の取引」(『現代思想』33-10、青土社、2005年)、『ポストフェミニズム』(共著、作品社、2003年)、『経済のグローバリゼーションとジェンダー』叢書現代の経済・社会とジェンダー5巻(共著、明石書店、2001年)
伊田 久美子(イダ クミコ)
大阪府立大学・教授
主要著書:『概説フェミニズム思想史』(共著、ミネルヴァ書房、2003年)、『応用倫理学講義5−性/愛』(共著、岩波書店、2004年)、『戦後思想の名著50』(共著、平凡社、2006年)
木村 涼子(キムラ リョウコ)
大阪大学大学院・准教授
主要著書:『学校文化とジェンダー』(勁草書房、1999年)、『ジェンダーで学ぶ教育』(共編、世界思想社、2003年)、『ジェンダー・フリー・トラブル』(編著、白澤社、2005年)
熊安 貴美江(クマヤス キミエ)
大阪府立大学 総合教育研究機構・准教授
主要著書:『学校をジェンダー・フリーに』(共著、明石書店、2000年)、『ジェンダーで学ぶ教育』(共著、世界思想社、2003年)、『スポーツ・ジェンダー学への招待』(共著、明石書店、2004年)
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