ADHD・LD・アスペルガー症候群かな?と思ったら…
安原昭博:著
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 124ページ 並製
定価:1,400円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2556-9
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年07月
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紹介

「どこかほかの子と違う」と感じながらも相談できずにいる親御さん向けに,発達障害の概要をはじめ,相談窓口の紹介から診断・治療,福祉・教育制度までを,医師として支援団体の活動をとおして多くの当事者と向き合ってきた著者がわかりやすく解説する。

前書きなど

はじめに
 ADHDやアスペルガー症候群、LDなどの発達障害児は、近年増加しているといわれています。ちょっと変わった行動をする子どもや、集団に属さずマイペースに行動する子どもは昔からいました。クラスの人数もクラス数も多かった自分の子ども時代を思い返すと、本当にいろんな個性を持った同級生がいたように思います。
 かくいう私自身も小学校時代を思い返すとADHDに違いないという行動をしていました。授業中に学校の建っている山の斜面に行き穴を掘ったり、だれもいない校庭で鉄棒から落ちて肘を脱臼したりしたこと(だれもいないということは授業中だということです)、教室で「いも虫ごろごろ」をして寝そべっていると先生に強く怒られたこと、やたらと罰則のトイレ掃除があったことなどを思い出します。
 ほかの子どもとちがうことが個性になり、それを認め合える世の中になれば、きっとこうした子どもたちは特性を発揮して、社会をよい方向に変えてくれる人材になっていくのでしょう。実際、世界中で活躍しているさまざまな著名人や歴史上の人物にも発達障害だったとされる人はたくさんいます。しかし、そうした人たちは本人の努力だけでその地位を築いたわけではないようです。周囲にとっては、迷惑となってしまいがちな行動をすることが多いので、本人の周囲の理解や環境が大きな要因となっていることが多くみられます。
 今この本を手に取ったあなたは、きっとご自分のお子さんやお孫さん、教えている子どもたちを念頭において、そのお子さんを何とかしたいという気持ちで読んでみようと思ったのではないでしょうか? 公園で遊んでいるとき、買い物に行ったお店の中で、学校や保育園などのクラスでの休み時間など、ほかの子とちがう逸脱した行動をとったり、必ずトラブルの中心にいたりする、そんな子どもを何とかしてあげたいと思う気もちがあなたにあるのではないでしょうか?
 この本は、育てにくい、扱いにくい、何を考えているのかわからない……、そんな子どもたちが地域や集団の中で、本人が困らないようにするにはどうしたらいいかを、考えるヒントになればという思いから作ったものです。長年、発達障害の子どもたちの診療に携わってきた臨床経験から、支援のポイントや対策を簡潔にまとめました。保護者や子どもにかかわるすべてのおとなたちに、子どもにかかわるときにどういう思いで支援してほしいかを、つづったものです。
 近くに、気にかかる子どもがいる方には、ぜひこの本を読んで、考えて、実践していってほしいのです。子どもは、みな純粋で、一生懸命毎日を生きています。また、どんな子どもも親や先生、友達に自分のことを認めてほしいと思っているのです。そんな子どもたちが、自分を認める気持ち
(自己肯定感)を高め、長所を伸ばし、イキイキと毎日を送るために、周囲の大人の協力は欠かせません。まずは、この本を手に取ったあなたから、子どもたちのために、考えることからはじめてほしいと切に願います。
 「発達障害は個性のひとつ」と言い切れる社会の実現をめざして、第一歩を一緒に踏み出してください。

安原こどもクリニック院長
安原昭博

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