連続講演「追悼デリダ」の記録来たるべきデリダ
A.バディウ, S.ジジェク, J.ランシエール, E.バリバール, J-L.ナンシー, G.C.スピヴァク, D.コーネル, J.H.ミラー, C.ドゥージナス:編, 藤本 一勇:監訳, 澤里 岳史:訳, 茂野 玲:訳
発行:明石書店
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四六判 352ページ 上製
定価:2,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2492-0 C0010
在庫あり
奥付の初版発行年月:2007年03月
書店発売日:2007年03月09日
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紹介

哲学思想のみならず現代社会のあらゆる領域に根源的な影響を及ぼした思想家,ジャック・デリダ。その思想の可能性を,世界で考えられる限り最良の思想家たちが縦横無尽に論じた決定的デリダ論。05年5月ロンドン大学での講演原稿を独自編集・日本先行出版。

目次

デリダの追悼文 C・ドゥージナス
1 最小限差異 
 ジャック・デリダへのオマージュ A・バディウ
 差延への回帰の請願(マイナーな「自分の家のために」をともなって) S・ジジェク
2 単独的普遍性
 民主主義は何かを意味するのか J・ランシエール
 〈普遍的なもの〉の構築と脱構築——ジャック・デリダの感覚的確信 E・バリバール
 マッド・デリダ——思考と狂気の事実そのものから J−L・ナンシー
3 他なるもの
 ジャック・デリダへの謝辞に向けたノート G・C・スピヴァク
 デリダ——未来の贈り物 D・コーネル
 レイト・デリダ J・ヒリス・ミラー
監訳者あとがき デリダの幽霊奇譚

前書きなど

監訳者あとがき(抜粋)
 翻訳について。本書はCostas Douzinas (Edit.), Adieu, Derrida, Palgrave macmillan, Hampshire, 2007の翻訳である。原書は二〇〇七年四月に出版予定である。本来ならば原書が出版されてから翻訳という段取りのはずだが、本書は論文が集められてから本になるまで原書出版社のほうでかなり時間がかかったこともあって、収録論文の原稿を前もって送付されていた私たちの翻訳のほうが先に出来上がってしまい、出版という運びになった。この後書きを書いている段階でようやく原書の校正刷りが届いたところだ。加筆修正箇所の確認等がかなり面倒であるが、大きな変更はないのでほっとしている。オリジナルよりも翻訳が先に公刊されるわけだが、これも「代補」と「遅れ(差延)」の哲学者デリダについての本らしくてよいのかもしれない。デリダにとって、起源(オリジナル)とは代補(コピー、翻訳)の効果=結果として「遅れた(差延した)」ものなのだから。
 原タイトルAdieu, Derridaは「さらばデリダ」とでも訳すべきなのかもしれないが、各論者の議論は、デリダをいかに読み直し、書き直していくかに集約されると思われたので、日本語版は出版社とも相談のうえで「来たるべきデリダ」とした。
 本書の翻訳は原書の編集と平行して行われたため、編者ドゥージナスから日本語版の編集にはかなりの自由が与えられた。例えば、日本語版では各論者の議論を、多少強引ではあるが、三つのグループに分けて章立てにした。そのため原書とは論文配列が異なる。原書の収録の順番はドゥージナス、ナンシー、バディウ、スピヴァク、バリバール、ランシエール、コーネル、ジジェク、ミラーである。また原書ではナンシーとミラー以外の論文には小見出しが付いていないが、これも議論の流れが見やすいように節に区分し、内容を示す見出しを付した。
 翻訳はドゥージナスから送付された英文をもとにして行ったが、ナンシーだけはフランス語原稿を提供されたので、英訳も適宜参照しつつ、基本的にはフランス語から訳出した。その他の論者はフランス語圏の人であっても英語から訳出した。分担は、藤本がドゥージナス、ナンシー、スピヴァク、澤里がジジェク、ランシエール、バリバール、茂野がバディウ、コーネル、ミラーである。
 本書は現代思想の入門者にもアプローチしやすいものにしたいと思い、かなり初歩的な人名や用語にまで訳注を付けた。内容も初心者向けを念頭に一般的な記述にとどめたので、専門家の眼には不十分・不適切と見える訳注もあるかもしれないが、ご理解を賜りたい。訳注は基本的に各論文の担当訳者が作成したが、なかには諸般の事情から監訳者が作成したものもある。
 訳文の統一は基本的な用語等の最低限にとどめ、文体や句読点等は原則として各訳者の個性に任せた。

二〇〇七年二月二十日
訳者を代表して 藤本一勇

関連リンク

原著出版社Palgrave Macmillan

著者プロフィール

A.バディウ(バディウ,アラン)

哲学者。1937年、モロッコのラバ生まれ。パリ第VIII大学教授、高等師範学校(ENS)哲学科教授などを務め、国際哲学学院で教鞭をとる。批評家、小説家、劇作家でもあり、数学についての著作もある。現在ジジェクらとともにlacan dot comでも活動。邦訳に『ドゥルーズ——存在の喧噪』(河出書房新社)、『倫理』(河出書房新社)、『哲学宣言』(藤原書店)、『聖パウロ』(河出書房新社)。

S.ジジェク(ジジェク,スラヴォイ)

リュブリアナ大学人文学部哲学科教授、ロンドン大学バークベック人文科学研究所国際理事。哲学・精神分析。1949年、リュブリアナ生まれ。邦訳に『斜めから見る』(青土社)、『為すところを知らざればなり』(みすず書房)、『イデオロギーの崇高な対象』(河出書房新社)、『迫り来る革命』(岩波書店)、『否定的なもののもとへの滞留』(ちくま学芸文庫)、『人権と国家』(集英社新書)など多数。

J.ランシエール(ランシエール,ジャック)

パリ第VIII大学名誉教授。政治哲学、美学。1940年生まれ。アルチュセールの指導の下で『資本論を読む』(邦訳ちくま学芸文庫)の執筆に参加、その後アルチュセールと袂を分かち、徐々に政治や社会問題だけでなく文学、芸術にも考察の範囲を広げる。邦訳に『不和あるいは了解なき了解』(インスクリプト)、未邦訳の著書にLa nuit des proletaires (Fayard)、Le partage du sensible, esthetique et politique (La Fabrique Eds.)、Politique de la litterature (Galilee)など多数。

E.バリバール(バリバール,エティエンヌ)

パリ第X大学名誉教授。哲学・思想。1942年生まれ。アルチュセールの指導のもとでランシエールらと『資本論を読む』の執筆に参加。邦訳に『プロレタリア独裁とはなにか』『史的唯物論研究』(以上、新評論)、『ルイ・アルチュセール』(藤原書店)、『マルクスの哲学』(法政大学出版局)、『人種・国民・階級』(共著、大村書店)、『市民権の哲学』(青土社)など。

J-L.ナンシー(ナンシー,ジャン=リュック)

ストラスブール大学名誉教授。哲学・思想。1940年生まれ。「デリダ以後」の世代を代表する哲学者として旺盛な活動を続ける。邦訳に『無為の共同体』『侵入者』(以上、以文社)、『共同‐体』『声の分割』『ナチ神話』『複数にして単数の存在』(以上、松籟社)、『主体の後に誰が来るのか?』(編著、現代企画室)、『自由の経験』『私に触れるな』(以上、未來社)など多数。

G.C.スピヴァク(スピヴァク,G・C)

コロンビア大学アヴァロン財団人文学教授。1942年、インド・カルカッタ生まれ。デリダ『グラマトロジーについて』英訳と訳者序文(邦訳『デリダ論』平凡社ライブラリー)で脚光をあびる。脱構築、フェミニズム、マルクス主義、ポストコロニアル批評を横断する批評活動で知られる。邦訳に『サバルタンは語ることができるか』(みすず書房)、『ポストコロニアル理性批判』(月曜社)など。

D.コーネル(コーネル,ドゥルシラ)

ラトガーズ大学教授。法学、政治学、女性学、比較文学。1950年、米カリフォルニア州生まれ。ニューヨーク・マンハッタンで活動する、フェミニストを中心とした反戦団体「未来を取り戻せTake back the Future」を主宰。邦訳に『自由のハートで』(情況出版)、『脱構築と法』『イマジナリーな領域』(御茶の水書房)、『女たちの絆』(みすず書房)など。

J.H.ミラー(ミラー,J・ヒリス)

カリフォルニア大学アーヴァイン校教授。1928年、米ヴァージニア州生まれ。ジョンズ・ホプキンズ大学教授、イェール大学教授などを経て現職。アメリカの文学研究の第一線で今もなお精力的に批評活動を続けている。邦訳に『小説と反復』『アリアドネの糸』(以上、英宝社)、『イラストレーション』『批評の地勢図』『読むことの倫理』(以上、法政大学出版局)など。

C.ドゥージナス(ドゥージナス,コスタス)

ロンドン大学バークベック・カレッジ人文科学部長。法学博士。批判法学協議会(Critical Legal Conference)の設立メンバー、Law and Critique: The International誌編集主幹。主な著書にThe End of Human Rights: Critical Legal Thought at the Turn of the Century (Hart Publishing)、Human Rights and Empire (Routledge、近刊)など、いずれも未邦訳。

藤本 一勇(フジモト カズイサ)

早稲田大学文学学術院助教授。フランス哲学専攻。1966年生まれ。社会科学高等研究院(EHESS)でジャック・デリダに師事。著書に『批判感覚の再生』(白澤社)、翻訳にデリダ『アデュー』、デリダ/ハーバーマス『テロルの時代と哲学の使命』(以上、岩波書店)、デリダ『哲学の余白 上』(法政大学出版局)、P・ブルデュー『政治』(藤原書店)、F・パヴロフ『茶色の朝』(大月書店)など。

澤里 岳史(サワサト タケシ)

早稲田大学文学学術院講師。哲学専攻。1968年生まれ。 著書に『法の他者』『グローバル化する市民社会』(以上、共著、御茶の水書房)、翻訳にデリダ/ハーバーマス『テロルの時代と哲学の使命』(岩波書店)、ポール・ヴィリリオ『民衆防衛とエコロジー闘争』(月曜社)など。

茂野 玲(シゲノ レイ)

University of Business and Technology(コソヴォ・プリシュティナ)講師。政治思想史・政治理論専攻。1973年生まれ。エセックス大学政治学部講師などを務める。著書に『バルカン半島を知るための65章』(共著、明石書店)、翻訳にエルネスト・ラクラウ『様々な解放(仮)』(明石書店、近刊)など。

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