発行:明石書店
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四六判 280ページ 並製
定価:2,500円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2420-3(4-7503-2420-5) C0021
在庫あり
奥付の初版発行年月:2006年11月
書店発売日:2006年10月31日
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紹介
明治期,近代日本の歩みや問題点に関し,国民国家の形成,万国博覧会の意義,世界分割,移民社会,日露戦争,世界の「モザイク化」の6つに焦点を当て,世界の動向と絡めて考察する。著者の曾祖父である岡倉天心が,各章の冒頭でわかりやすく読者を誘う。
目次
はじめに
第一章 国民国家の形成(一八五〇年代〜一八七一)
1 岡倉天心の見た明治維新
2 ドイツの統一——プロイセンの勝利
3 イタリアの統一
4 アメリカ南北戦争
5 パリ・コミューン
6 明治国家は国民国家か
第二章 万国博覧会と明治日本
1 岡倉天心と万国博覧会
2 万博の理念と現実
3 大衆消費のドリームランド
4 万博とジャポニスム
5 建設と破壊
6 万国博覧会と植民地
第三章 世界分割と日本(世紀転換期)
1 天心の目に映った世界分割
2 アフリカ分割と日本
3 フィリピン独立革命とアメリカ・日本
第四章 移動の時代
1 天心の見たアメリカ
2 世紀転換期におけるアメリカ移民社会
3 東アフリカ鉄道建設と移動労働
4 南アフリカ鉱山の中国人労働者
5 アルジェリアのフランス人
第五章 日露戦争の原因・背景と影響・意義
1 『日本の目覚め』と黄禍論
2 日露戦争の原因・背景
3 日露戦争のインパクト
4 アメリカにとっての日露戦争
第六章 世界の「バルカン化」「モザイク化」
1 ベンガルの岡倉天心
2 「ベンガル分割案」とベンガル知識人の反応
3 ソマリアの統一と分割
4 日清戦争前後の中国のバルカン化
岡倉天心と明治日本(年譜)
主要参考文献
前書きなど
はじめに
『世界史の中の日本』とは、いささか大きなテーマであるし、実際、ここで対象としている時代は「帝国主義時代」であり、「世界史」の主たる部分はヨーロッパである。また、この時代の後半期には新興勢力としてのアメリカや日本の動向も視野に入れなければならない。さらに、本書では、植民地分割の対象であるアフリカやアジアも、ヨーロッパとの関係においてではあるが、「主体的」に論じるつもりである。邪馬台国以来の日本と外界との関係を取り上げてこそ、「世界史の中の日本」といえるのであるが、それはよほどの博学者が集まっての共同労作でなければ実現しないであろう。
本書は、還暦を迎えたばかりの浅学の歴史研究者および教育者が、明治期の近代日本の歩みや問題点を世界の動向の中に位置づけ、五つのテーマを考察するものである。その際、既存の国際政治史とか外交史の大国主義あるいはヨーロッパ中心主義とは異なるものを追究したはずであるが、ヨーロッパ中心主義批判論者の目からは本書も、批判の対象になるかもしれない。
しかしながら、筆者が専門としているアフリカを多く扱い、二〇世紀後半以降、世界の覇権国家の仲間入りをし、冷戦構造が消滅した二一世紀には、ECや非同盟国、中国、ロシアなどを頭数個も引き離して好きなことをしているアメリカ「帝国」の現状に鑑みて、アメリカ帝国の形成過程にも多くを割いた。
また、本書はサブタイトルにあるように、岡倉天心(本名覚三)の生きた時代が対象であるので、各章のイントロ部分を岡倉天心に語らせるという手法を採用している。それは近年「天心ブーム」が再燃しているが、天心関係の記述には少なからず誤りも見られるし、時代の中にその生き方・活動を包み込んだものが少ないと感じているからである。もちろん、しかるべき天心伝を曾孫として近い将来に著したいと考え、準備中であるが、それに先立って一般読者や青年を対象に、明治期日本にこのような人物(国際人)が存在したのだとの興味をもってもらえればと考え、天心にナレーター的な役割を担わせた。また、第三章と第六章は、同一テーマを対象としているが、前者では一九世紀後半を、後者では一九〇五年前後を扱っている。
二〇〇六年九月
岡倉登志
著者プロフィール
岡倉 登志(オカクラ タカシ)
大東文化大学教授
1945年生まれ。明治大学、大学院で西洋史、西洋政治史を専攻し、主に帝国主義時代のヨーロッパ—アフリカ関係を研究。1980年代後半より、日本—アフリカ関係についても目を向け、「世界史の中の日本」をテーマに加えた。2002年より、天心研究会「鵬の会」を結成し、天心研究に力を入れ、『東洋文化』(大東文化大学東洋研究所)、『五浦論叢』(茨城大学五浦美術研究所)、『LOTUS』(日本フェノロサ協会)、『鵬』に論文を発表したり、講演を行っている。
〈主な著書〉
『二つの黒人帝国』(東京大学出版会、1987)
『「野蛮」の発見——西欧近代のみたアフリカ』(講談社、1990)
『日本—アフリカ関係史』(同文館、1993)
『西欧の眼に映ったアフリカ』(明石書店、1999)
『エチオピアの歴史』(明石書店、1999)
『ハンドブック現代アフリカ』(編著)(明石書店、2002)
『ボーア戦争』(山川出版社、2003)
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