グローバル化時代における市民性教育のための原則と概念民主主義と多文化教育
ジェームズ・A・バンクス:著, 平沢 安政:訳
発行:明石書店 この版元の本一覧
四六判 152ページ 上製
定価:1,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2260-5(4-7503-2260-1) C0337
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奥付の初版発行年月:2006年01月 書店発売日:2006年01月31日
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紹介

グローバルな社会で生徒が有能な市民として育つことを支援する市民性教育プログラムをつくる。そのために学校教育実践者が利用可能な原理・概念・ガイドラインとは何か。多文化的な国民国家での市民性教育のコースやプログラムを補強する人権教育の役割とは。

目次

日本語版への序文(ジェームズ・A・バンクス)
国際レビューパネル
謝 辞
全体の要約
はじめに
原 則
 第一部 多様性、統一、地球規模の相互依存および人権
 第二部 経験と参加
概 念
 一 民主主義(Democracy)
 二 多様性(Diversity)
 三 グローバリゼーション(Globalization)
 四 持続可能な開発(Sustainable Development)
 五 帝国、帝国主義、権力(Empire, Imperialism, and Power)
 六 偏見、差別、人種主義(Prejudice, Discrimination, and Racism)
 七 移住(Migration)
 八 アイデンティティ/多様性(Identity/Diversity)
 九 多元的な視点(Multiple Perspectives)
 一〇 愛国主義と世界主義(Patriotism and Cosmopolitanism)
結 語
民主主義と多様性の原則と概念チェックリスト
訳者解説
 —DEMOCRACY AND DIVERSITYの翻訳出版にあたって
 —多文化教育に関する一考察—シアトルでの経験をふまえて
参考文献
著者一覧

前書きなど

日本語版への序文(ジェームズ・A・バンクス)
 このたびDEMOCRACY AND DIVERSITY が日本語に翻訳されたことをうれしく思います。日本において社会正義を推進するために取り組んでおられる教育者や政策立案者の皆さんが、本書をあたたかく受け止めてくださることを願っています。日本が多様性の増大に直面し、問題をはらみながらグローバル化する多様な世界において有能さを発揮することができる市民を育てようとしていることを考えると、本書の出版は時宜にかなっているといえるでしょう。
 本書を執筆した国際コンセンサスパネル(シカゴのスペンサー財団とワシントン大学から資金提供を受けた)は、ほぼ三年をかけて本書を構成する原則と概念について検討し、最終的に整理する作業を行いました。本書は、二〇〇二年六月にイタリアのベラジオにあるロックフェラー財団の研究・会議センターで開かれた会議での議論をもとにワシントン大学多文化教育センターが作成した報告書を、さらに発展させた内容になっています。日本を含む一二カ国から教育者や研究者がこのベラジオ会議に参加し、多文化国家がどのように多様性と統一の間のバランスをとれるかについて検討しました。『多様性と市民性教育—グローバルな視点』(Diversity and Citizenship Education: Global Perspectives)(Banks, 2004)の中には、ベラジオ会議でまとめられた主な知見や提案が整理されています。
 ベラジオ会議の重要な提案のひとつは、創造的で、思慮深く、センシティブなやり方で多様性と統一の両方に対応できるような市民性教育プログラムを実施するために学校が活用できる原則とガイドラインを開発することを目的として、国際コンセンサスパネルを招集することでした。こうして、多文化教育センターはベラジオ会議の提案を実行するために国際コンセンサスパネルを設置しました。このパネルがほぼ三年間、本書を構成する四つの原則と一〇の概念を明らかにし、最終的なまとめを行うために取り組みました。
 本書には、多様でグローバルな世界における市民性教育を発展させるために、各国の異なった状況において応用することができる原則と概念が述べられています。
 二〇〇五年四月に公刊されて以来、本書はアメリカおよび各国において広範な関心を集めてきました。とくにワシントン州、およびシアトル市とその周辺地域においては、多くの政策立案者や教育者が本書を読み、そこに示された原則やキー概念を反映するような形で教育実践を作りかえつつありますが、なかでも、原則と概念のチェックリストが教育現場から好評を得ています。
 日本で本書を読まれる皆さんが、その内容を有用なものとして受け止められるとともに、日本の学校や政策立案者の間での議論や取り組みが促進されることを願っています。また、世界中の国家間で、多様性や市民性教育に関する対話と意見交換が促進されることを願っています。私たちは、これらの諸問題についての国際的な対話を歓迎するとともに、そのような対話が私たちすべてをより豊かにすると信じています。

著者プロフィール

ジェームズ・A・バンクス(バンクス,ジェームズ・A)

ワシントン大学(シアトル校)教授(教育学)・同大学多文化教育センター所長

平沢 安政(ヒラサワ ヤスマサ)

大阪大学大学院人間科学研究科教授(生涯教育学・人権教育学)。
1954年大阪府生まれ。1978年大阪大学人間科学部卒業。1989年ハーバード大学教育大学院博士号取得(Ed.D)。中学校教員、国際会議通訳者を経て現職。社会的活動としては部落解放・人権研究所理事、大阪府人権施策推進審議会委員など。
〈主要著書〉
『アメリカの多文化教育に学ぶ』明治図書出版、1994年
『解説と実践 人権教育のための世界プログラム』解放出版社、2005年
〈主要訳書〉
ジェームズ・A. バンクス『入門 多文化教育—新しい時代の学校づくり』明石書店、1999年
ポーラ・A. コルデイロ他『多文化・人権教育学校をつくる』明石書店、2003年

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