発行:明石書店
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A5判 720ページ 上製
定価:6,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2177-6(4-7503-2177-X) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年09月
書店発売日:2005年09月03日
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子ども虐待に関して臨床経験豊富なアメリカの研究者が記した実践的対応マニュアル。虐待の定義,スクリーニング,アセスメント,面接法,出廷準備など124の項目について簡潔かつ具体的にまとめられている。子ども虐待防止に関わるすべての専門家必読の書。
目次
第1部 通告とスクリーニング
第2部 関与
第3部 面接
第4部 初期のアセスメント
A:虐待全般
B:ネグレクト
C:身体的虐待
D:性的虐待
E:心理的マルトリートメント
F:リスク・アセスメントと安全性の評価
第5部 家族のアセスメント
A:子ども
B:親および養育者
C:家族
第6部 サービス計画
第7部 介入
A:子ども
B:親または養育者
C:家族
第8部 経過の評価と終結
第9部 法律問題と倫理問題
第10部 子ども保護の実務
付録
前書きなど
序 文
子ども虐待とネグレクトの分野で仕事をすることには多くのむずかしい問題がある。情緒的には、傷ついた子どもやもがく家族を目の当たりにするのは苦痛である。家族への実質的な援助をおこなう資源は不足しがちであるし、たとえ適当な資源があっても、子どもへのマルトリートメントを生じさせる複雑な状況を変えるのは大きな挑戦である。この分野の性質として、ソーシャルワーク、メンタルヘルス、医療、公衆衛生、看護、警察、法制度、教育など、広い専門領域が関係することになる。しかし、それぞれの領域の専門家たちも虐待やネグレクトを受けた子どもやその家族について仕事をするための十分な準備ができていないことが多い。さらに、子ども虐待やネグレクトの分野ではたらくには、一つの領域の専門家といえども、関連領域についてたくさんのことを学ばなければならない。たとえば、小児科医には法律の知識が必要になるし、ソーシャルワーカーは医療について知らなければならない。こうした状況において、重要な意思決定がなされなければならないのである。われわれは家族につぎのように言う。「あなたのお子さんは虐待(あるいはネグレクト)を受けています」「あなたには助けが必要です」「お子さんはあなたのもとでは安全ではないので、どこかに移す必要があります」「お子さんがあなたのもとに戻ることはできません」。
われわれは本書が、前述のような難問に直面している専門家に役立つ、実際的なガイダンスとなることを望んでいる。実務において多忙な日々を送っている専門家にとって、多くの複雑な問題を十分に検討し、学ぶのはけっして容易なことではないだろう。本書は一つの妥協の産物である。さまざまな領域の、すぐれた専門家の助けを得て、広範な臨床的問題の中でもっとも重要な情報に優先順位をつけ、読みやすく、役立つものとなるように努めた。実務にたずさわる忙しい専門家を念頭におき、重要な情報を簡潔に述べるよう努力した。より詳しい情報を求める読者のために、多くの章には参考となる図書や論文、その他の資料が示されている。
われわれはどのようにして本書の内容を決めたのであろうか。まず、重要と考えられたトピックの長いリストを作成した。このリストを、子ども虐待とネグレクトの分野の約30名の専門家(付録1)に送り、それぞれのトピックの重要度を評価してもらった。また、このリストから落ちている、重要なトピックについて推薦してもらった。こうした作業をへて、最終的な構成が決まった。あらゆる事項を取り上げるのは不可能であり、むずかしい決断を下さなければならなかった。もちろん、何を取り上げ、何をはずすかということに意見の一致をみないこともあったが、本書はこの分野のかなりの数の専門家の合意を得たものといえる。われわれは読者の皆さんからのフィードバックを期待しているので、ご意見をお寄せいただきたい。
本書のような企画には多くの人の協力があり、われわれはそれらの方々に感謝申し上げたい。まず、セイジ出版社のテリー・ヘンドリックス(Terry Hendrix)の熱烈な支援に感謝する。彼は、本書が重要なニーズに応じるものであることをすぐに理解し、出版に同意してくれた。同社のキャシー・ガヴリリス(Kassie Gavrilis)とダイアナ・アクセルセン(Diana Axelsen)のおかげで楽しく作業をすすめることができた。本書に原稿を寄せてくれた執筆者たちはすばらしい仕事をしてくれた。膨大な情報を数ページに凝縮するのはおどろくほどむずかしいことであり、その申し分のない仕事に感謝の念でいっぱいである。本書の企画を注意深く検討し、的確な助言をしてくれた多くの専門家にも御礼を申し上げる。メリーランド大学のすばらしい同僚、ボルチモアとメリーランドのさまざまな分野の専門家、全米子ども虐待防止専門家協会(American Professional Society for the Abuse of Children)の会員が、日々、われわれの仕事を支えてくれている。ジャン・ミラー(Jan Miller)は事務的な面で貴重なサポートをしてくれた。
子ども虐待とネグレクトに関する分野には多くの難問もあるが、大きな満足と喜びもある。われわれは、本書の編集をとおして多くのことを学んだ。われわれが得たのと同様の利益を読者も得られるよう希望している。いっそう重要なことは、われわれの実践をよりよいものとする絶え間ない努力によって、子どもと家族が利益を得ることである。
著者プロフィール
ハワード・ドゥボヴィッツ(ドゥボヴィッツ,ハワード)
メリーランド大学医学部小児科教授であり、メリーランド大学医学系子ども保護プログラムの指導者でもある。メリーランド小児科学会子どものマルトリートメント委員会の委員長、全米子ども虐待防止専門家協会(APSAC)の理事も務めている。
臨床においては、あらゆる種類のマルトリートメントを取り扱っているが、とくにネグレクトを重視している。研究では、子どものネグレクト、性的虐待、身体的虐待、親族による養育、虐待に関する医師のトレーニングに焦点をおいている。最近は、連邦政府の研究費によるマルトリートメントの先行要因と結果に関する研究の主任研究者を務めている。また、国および州レベルでの子どもの権利擁護にも積極的に関わり、APSACの法に関する委員会の委員長でもある。地域や国レベルでの会議だけでなく、国際会議への出席も多い。最近、セイジ(Sage)出版社から刊行された“Neglected Children: Research, Practice, and Policy”の編者でもある。
ダイアン・デパンフィリス(デパンフィリス,ダイアン)
メリーランド大学ソーシャルワーク学部の助教授。そこで、ソーシャルワーク入門と児童福祉臨床実践を教えており、社会福祉修士課程(MSW)では研究コースを担当。また、児童福祉の分野で、ケースワーカー、スーパーバイザー、プログラム・マネージャー、全国的なトレーナー、コンサルタント、研究者として25年におよぶ経験があり、児童福祉機関のコンサルタントにもたびたびなっている。最近は、連邦政府からの研究費による、ネグレクトのリスクのある家庭に対する早期介入をおこなうモデル事業の主任研究者を務めている。最近の研究と報告は、マルトリートメントの再発の疫学、子ども保護機関のリスク・アセスメントと安全性の評価と意思決定、子どものマルトリートメントと青年の子育て、マルトリートメントと母親のアルコール・薬物問題の関係、ネグレクトの予防における社会的支援の役割、ネグレクトのリスクを減少させるための結果にもとづいた介入、に関するものである。彼女がとくに関心をもっているのは、研究と実践のギャップをうめる方法についてである。全米子ども虐待防止専門家協会(APSAC)の理事会の前会長でもあった。APSACは、マルトリートメントを受けたすべての人が、可能な限りの最良の専門的対応を受けられることを保障する学際的な組織である。
庄司 順一(ショウジ ジュンイチ)
青山学院大学文学部教授、日本子ども家庭総合研究所福祉臨床担当部長(非常勤)
1949年、東京生まれ。1975年早稲田大学大学院文学研究科修士課程心理学専攻修了。
同年東京都職員として、都立母子保健院などに勤務。1992年恩賜財団母子愛育会日本総合愛育研究所(現日本子ども家庭総合研究所)主任研究員、企画室長を経て、研究企画・情報部長。1999年青山学院大学文学部教育学科教授。
【主要著書・訳書】
『子ども虐待の理解と対応』フレーベル館、2001年
『ソーシャルワーカーのための心理学』有斐閣、2001年(共編著)
『子ども虐待』中央法規、2002年(共編著)
『フォスターケア:里親制度と里親養育』明石書店、2003年
『どうして私は養子になったの?』明石書店、2003年(訳)
『乳児保育(第9版)』南山堂、2004年(共著)
Applied Developmental Psychology, Greenwich, Connecticut: Information Age, 2005(共著)
『Q&A里親養育を知るための基礎知識』明石書店、2005年(編著)
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