
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 88ページ 並製
定価:1,000円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2109-7 (4-7503-2109-5) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年05月 書店発売日:2005年04月30日
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2004年6月,自民党・憲法改正プロジェクトチームによる憲法24条の見直しが明らかになった。男女平等と個人の尊厳を謳う24条が改正されることで今後我々個人ならびに家族にどのような影響が出るのか。24条成立経緯にまで遡り,深く掘り下げ考える。
目次
はじめに
一 憲法二四条の意義
1 旧民法の「家」制度
(1)明治民法の成立過程
(2)「家」制度と男女不平等
(3)戸籍と氏
2 憲法制定過程における議論
3 二四条の解釈
(1)従来の解釈
(2)女子差別撤廃条約と二四条
(3)二四条の今日的意味
二 憲法改正案の中の家族
1 憲法調査会における議論
(1)憲法調査会の成立
(2)旧憲法調査会での議論
(3)今日の憲法調査会での議論
2 自民党政憲構想の中の家族
(1)憲法改正への経緯
(2)『論点整理』と『憲法改正のポイント』
(3)『たたき台』
(4)問題点
3 読売新聞『憲法改正二〇〇四年試案』の中の家族
4 世界平和研究所の『憲法改正試案』と家族条項
5 経済界の政憲構想と家族
6 教育基本法改正と家族
まとめにかえて
前書きなど
はじめに 二〇〇四年五月三日、読売新聞は、一九九四年、二〇〇〇年に続き、独自の憲法改正試案の骨格を踏襲する形で『憲法改正二〇〇四年試案』を発表した。その見出しに「家族は『社会の基礎』」と書き、家族条項を設けることを明文化した。また、自民党内の憲法改正プロジェクトチーム(以下、「自民党憲法改正PT」)は、二〇〇四年六月一五日、『論点整理』を発表し、その中で見直すべき規定に憲法二四条(以下、「二四条」)を掲げた。こうしたことから、憲法二四条改悪反対の運動がくり拡げられるようになった。 現行の二四条は、大日本帝国憲法の下で「家」を中心とする家族主義の観念に基づいた制度が存在し、男尊女卑の思想により、戸主(そのほとんどは男性)を中心として生活していたことを否定し、廃止する意義をもっている。そのことはすなわち「明治以来の日本的絶対制のイデオロギーの巨大な堡塁(ほうるい)」といわれた儒教的=封建的家族制度の解体を意味していた。このように家族制度の大転換をもたらし、それ以降は、憲法上はまがりなりにも「個人の尊厳」と「両性の本質的平等」に拠る家族のあり方を基本としてきた。にもかかわらず、今回の「見直し」が憲法改正の争点の一つとしてのぼってきたのである。何故に?その真意は何か?と女性たちがいぶかしがるのも当然であろう。ここに二四条の成立経緯を明らかにし、その意義を確認するとともに、二四条に関わる憲法改正案を分析・検討して、憲法改正案のもつ意味を正してみたいと思う。
著者プロフィール
植野 妙実子(ウエノ マミコ)
1973年 中央大学法学部卒業<br>1978年 中央大学大学院 法学研究科 博士前期課程修了<br>1981年 中央大学大学院 法学研究科 博士後期課程満期退学<br>現在、中央大学教授(憲法・フランス公法専攻)<br><br>主な著書<br>・『いま女の権利は』(共著、学陽書房・1989年)<br>・『憲法構造の歴史と位相』(編著、南雲堂・1991年)<br>・『「共生」時代の憲法』(学陽書房・1993年)<br>・『法女性学への招待』(共著、有斐閣・1996年)<br>・『フランス公法講演集』(編訳、中央大学出版部・1998年)<br>・『憲法の基本』(学陽書房・2000年)<br>・『21世紀の女性政策』(編著、中央大学出版部・2001年)<br>・『現代国家の憲法的考察』(編著、信山社・2001年)<br>・『フェミニズム国際法学の構築』(共編著、中央大学出版部・2004年)など
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