発行:明石書店
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A5判 304ページ 上製
定価:5,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-2065-6(4-7503-2065-X) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年02月
書店発売日:2005年03月04日
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米国の地域史を対象とした博物館活動において,少数民族と主流民族が相異なる歴史認識に基づき展示や教育プログラムを制作・提示する過程と,その過程で見られる政治性について,民族誌的現地調査によって収集した資料を分析した文化人類学的研究。
目次
序 論 博物館は誰に語りかけているのか
第1章 アメリカ合衆国における博物館の政治性
1 民族と歴史をめぐるアメリカ合衆国の博物館
2 文化人類学と博物館
3 歴史解釈とシンボル
第2章 インディアナ: 民族のクロスロード
1 フィールドワーク
2 インディアナポリス: その歴史と景観
第3章 「開拓」と南北戦争の歴史表象
1 「開拓」の記憶
2 南北戦争の記憶
第4章 多様性の承認
1 過去と向かい合う
2 自分たちアフリカ系の展示
第5章 多様性への挑戦
1 自律あるコミュニティ像の形成
2 起源としての「開拓」の表象
第6章 多様性の交渉
1 多様化の浸透
2 多様化の表現
3 博物館における多様性
結 論 博物館は我々に何を語るのか
あとがき
引用・参考文献
索引
前書きなど
博物館は黙して語らず? 「博物館行き」という言葉に示されるように、博物館は使われなくなった物が最後に行き着く場所であり、少し良い意味では貴重な物を保管する場所というイメージが持たれてきた。しかし、そのような博物館像は少しずつ変わりつつあるのではないだろうか。博物館は収集・保管という役割に加えて、展示・教育活動にも力を入れてきている。その背景には博物館が地域社会とのつながりをより強く持とうとしていることがうかがえる。筆者は博物館が地域社会の住民に貢献する努力はとても重要であると考えている。 博物館、その中でも文化史系の博物館では、民族あるいは民俗文化、歴史、美術などが幅広く選択され展示されている。筆者の試みは、博物館の展示・教育プログラムにおいて民族の歴史や文化がどのように解釈され、提示されているのかを明らかにすることである。特に、エスニックマイノリティの人々が博物館においてどのように位置づけられているのか、マイノリティに関する展示や教育プログラム、マイノリティの人々の博物館参加などに焦点を当てて検討していきたい。筆者がエスニックマイノリティに注目するのは、博物館が展示・教育活動を重視し、地域社会との関係を再形成しようとしていることの理由の一つに、エスニックマイノリティの住民が深くかかわっていると考えているからである。 筆者は以上の課題を検討するにあたり民族誌的調査の手法を用いた。調査地として選んだアメリカ合衆国中西部(ハートランド)に位置するインディアナ州インディアナポリスにおいて、予備調査を1992年と1995年の夏に約2週間ずつ、そして本調査を1998年8月から1999年8月の13カ月間、その後、補充調査を2000年2月から4月の3カ月間行った。本調査では博物館展示を見学し、教育プログラムに参加し、博物館に関係する方々からインタビューを通して多くのことを教えていただいた。調査の過程で気がついたことは、博物館関係者の言葉が展示や教育プログラムを超えて外に出ることが実に少ないことである。筆者が博物館の方々との対話を通して学んだこと、その対話そのものも本書を通してお伝えしたい。(「序論 博物館は誰に語りかけているのか」より抜粋)
著者プロフィール
田川 泉(タガワ イズミ)
1965年生まれ<br>国立歴史民俗博物館外来研究員、博士(学術)<br>主要論文<br>「博物館展示における文化表象——北西海岸先住民のエスニック・アイデンティティの再形成——」(『民族社会研究』創刊号 1998年)<br>「開拓をめぐる歴史表象——博物館活動の文化人類学的考察——」(『中・四国アメリカ研究』創刊号 2003年)
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