健康とジェンダー3ジェンダーと交差する健康/身体
根村 直美:編著
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 240ページ 並製
定価:2,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2064-9 (4-7503-2064-1) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年02月 書店発売日:2005年02月18日
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紹介

お茶の水女子大学ジェンダー研究センター「健康とジェンダー研究プロジェクト」の最新成果をまとめた第3弾。健康・身体をめぐる知の在り方をジェンダー・パースペクティブによって捉え直し組み替えていこうとする本書は,読者に新しい視座を提供する。

目次

序論(根村直美)
1 学問知とジェンダー・パースペクティブ
第1章 看護学におけるジェンダー/フェミニスト・パースペクティブ──「ケア/ケアリング」理論と差異のフェミニズム(朝倉京子)
第2章 倫理学におけるジェンダー・パースペクティブ──「世話(ケア)の倫理学」と「性別秩序改編の倫理学」の視点(根村直美)
2 「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」概念の過去と現在
第3章 戦後沖縄における「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」の萌芽──米軍統治と助産婦による避妊普及活動(澤田佳世)
第4章 リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関するバックラッシュとトランスナショナルなNGOによる対抗戦略(兵藤智佳)
3 「健康」「身体」をめぐる「語り」
第5章 月経/生理を語る「場所」(田口亜紗)
第6章 青年期における身体像とジェンダー──高校生の語りより(藤田智子)
4 「男性の健康」研究に向けて
第7章 男性と健康に関する研究・序説──たばこ広告「HOPE」にみる男性の喫煙表象を事例に(村田陽平)
第8章 〈男らしさ〉と生活空間──私的領域に男性の居場所はあるのか(田中俊之)
あとがき(根村直美)

前書きなど

序論  本書の構成・内容  本書は、お茶の水女子大学21世紀COEプログラム「ジェンダー研究のフロンティア」の研究プロジェクトにおいて、2003年度(平成15年度)・2004年度(平成16年度)に得られた成果をまとめたものである。本研究プロジェクトは、上記COEプログラムのうちでも、とくに、「身体と医療・科学・技術」をテーマにして営まれたものである。また、この研究プロジェクトは、お茶の水女子大学・ジェンダー研究センターにおいて、2002年度(平成14年度)に立ち上げられた「健康/セクシュアリティとジェンダー」研究プロジェクトの一環でもある。本書は、第一弾『健康とジェンダー』および第二弾『ジェンダーで読む健康/セクシュアリティ——健康とジェンダー2』に引き続き、異なる専門分野・領域の者が、ジェンダー・パースペクティブ(ジェンダーの視点)を取り入れつつ、「身体・医療・科学・技術」「健康・セクシュアリティ」に関わる事柄について考えることを通じて生まれているが、この書ではとくに「健康」「身体」が主要なテーマとなっている。本書は、第一弾・第二弾と同様に、多様な執筆者の手による論文より構成されている。各論文は、相互に関連してはいるものの内容的に独立しているため、読者の皆様には、関心のおもむくまま読み進めていただければと思う。 (中略)  さて、本書は4部構成となっている。各パートの目的、および、パート間の関連は以下の通りである。  大きく言えば、本書の第1部では、「健康」「セクシュアリティ」の考察に関わる学問において支配的な状況にある知をジェンダー・パースペクティブによって捉え直し組み換えていこうとする試みがなされている。第2部においては、ジェンダー・パースペクティブを取り入れることにより「対抗知」として生み出されてきた「健康」「身体」に関わる「政治的」な知を、より一層深化させようとする考察となっている。第3部・第4部においては、「健康」「身体」に関わる日常的な知をジェンダー・パースペクティブによって捉え直し組み換えていこうとする試みがなされていると言える。  本書では、各パートの目的を明確に示すために上述のように「知」を区分したが、それらの「知」はもちろん、相互に切り離されたものではない。学問的な知は、当然、日常的な知と関わりあっている。しかしながら、日常的な知は必ずしも反省的に捉え直され理論化(ここでは「体系的に説明する試み」のことを指してこの語を用いている)されたものではない。日常的な知を扱うジェンダー研究(第3部・第4部)は、ジェンダー・パースペクティブにより日常的な知を反省的に捉え直し理論化するという意味で、その知を「顕在化」させるものである。そして、日常的な知の「顕在化」を通じてその知を変容させようとする試みと言えるであろう。  一方、学問的な知は、すでに、日常的な知が自覚的に反省され理論化されたものである。したがって、学問において支配的な状況にある知をジェンダー・パースペクティブにより捉え直し組み換えようとするジェンダー研究(第1部)とは、自覚化され理論化された知をさらに自覚的に反省し、その知をより「よい」ものへと変容させていこうとする試みと言えるであろう。  「政治的」な知もまた、日常的な知を自覚化することによって生み出されるものである。「対抗知」として生み出されてきた「政治的」な知をより深化させるためのジェンダー研究(第2部)とは、支配的な状況にある「政治的」な知をジェンダー・パースペクティブにより組み換えることで生み出された「対抗知」を、一層反省的に捉え直すことで、その知をより精緻に理論化していこうとする試みと言えよう。(後略)

著者プロフィール

根村 直美(ネムラ ナオミ)

1992年お茶の水女子大学大学院人間文化研究科(博士課程)比較文化学専攻単位修得、1996年博士(人文科学)号取得。現在、日本大学経済学部助教授/お茶の水女子大学ジェンダー研究センターCOE客員研究員。哲学・倫理学。特に、生命倫理・情報倫理やジェンダー/セクシュアリティに関わる問題を関心の対象とする。<br>【主な著書・論文】<br>『バイオエシックスの諸相』、創英社/三省堂書店、2001年。『健康とジェンダー』(原ひろ子との共編著)、明石書店、2000年。『ジェンダーで読む健康/セクシュアリティ——健康とジェンダー2』(編著)、明石書店、2003年。

上記内容は本書刊行時のものです。
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