
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 224ページ 並製
定価:1,000円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2042-7 (4-7503-2042-0) C0036
在庫僅少
奥付の初版発行年月:2005年02月 書店発売日:2005年02月02日
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民族問題,障害者問題などでさまざまな差別・問題発言をくり返す石原都知事がまたもやくり返した差別・問題発言,「ババア」発言に怒る131人の女たちが法廷で都知事の責任を追及する証言・意見書などの記録を収録。
目次
裁判経過報告 石原都知事の「ババァ発言」—撤回と謝罪を勝ち取るために
人権と民主主義の根幹が問われている(中野麻美)
原告陳述書(青木真知子/青野まり/有薗栄子/池田幸代/神尾京子/石川みのり/大出幸子/戒能民江/金子さち/斉藤ふみ子/酒井和子/深山野々女/佐藤桂/関優美/高木澄子/柳田もと子/高井戸啓子/田辺久子/津和慶子/土井登美江/戸張雅子/富山洋子/永井よし子/野崎光枝/今日織/倭乃ひみこ/真壁清子/牧田真由美/米田佐代子/丸岡明子/三島ひろ子/三橋敦子/宮口高枝/森本幸子/斉藤美奈/安田保奈美/柚木康子/吉川あや子/若林苗子/渡辺文恵/渡辺美奈/五十嵐美那子/池田靖子/亀永能布子/鈴木さよ子/関千枝子/谷瀬綾子/寺崎明子/深澤純子)
講演録 2002年9月13日集会 石原発言を告発する(松井やより)
2004年2月27日集会 提訴から一年、裁判から見えてきたもの(中野麻美)
座談会 石原裁判で思ったこと、見えてきたもの
意見書(戒能民江/熊本理抄/丹羽雅代)
資料 日本弁護士連合会警告書 最終準備書面
前書きなど
出版にあたって 「本」としてまとめて出版したいと思ったのは、集まった陳述書をそのまま裁判所に提出してしまうだけでは惜しいと思ったからだった。言葉の暴力によって傷つけられた心を言葉で表現する作業は想像以上に困難だったが、どれも真摯に自分と向き合わなければ書けない、ひたむきに生きた記録だった。長い間胸のおくにしまっていた叫びであり、消すわけにはいかない祖母や母たちの苦闘と愛の人生だった。それらはいままさに生きているその人の存在そのものを形づくっているのだ。 それぞれの生きてきた道程で、女であるが故に受けた傷や痛みや損失はそれぞれが全く違うにもかかわらずその痛みはわたくしの痛みであった。表現する言葉を見つけかねていた心にささった棘を呼び起こすものでもあった。 現在働いている職場での生きにくさが増してきたと書いた人もいたし男女平等を目指す運動に力をつくしていた人の徒労感も容易ならぬことだ。 石原都政をはじめ地方自治体などでも「女らしさ、男らしさ」に執着する問題提起がなされ、教育委員会は男女の区別を強調し、混合名簿を男女別に戻せと叫ぶ。君が代の起立斉唱に従わない教師は「処分」される。「ジェンダーフリー」への攻撃はまさに言論統制である。 ものを言わせない雰囲気がこの国を覆っている。いえない空気の裏で進行している何かがある。戦争まえと似ているという。イラク派兵に反対するものは「反日分子」だといった議員がいた。「自己責任」という言葉が飛び交った日々もあった。二度と聞きたくない「非国民」という言葉をいともやすやすと口にする輩がいる。 憲法「改正」の論議が夥しい。9条はいうまでもないが、24条が問題だ。個人の尊厳がないときの抑圧をわたくしは子どもながら戦時中に体験している。「一億一心」は真っ平だ。個人の尊厳がなければまだ底の浅い日本の男女平等などけし飛んでしまう。 各方面での女性たちの差別との闘いはいまも続いている。悪戦苦闘ともいえる。しかし女性たちはたくましく、あきらめることはしない。娘たち息子たち孫たち、後に続くものたちのためにも必死で闘う。石原裁判も同じ土壌にある。今はすべてに敏感に反応し、行動する力を蓄えられればと思う。 そんな中で、陳述書は集まった。一人ひとりの陳述書の現実に圧倒され、共感が深まるとともに一人でも多くの方に読んでいただきたいという気持ちが抑えがたくなった。編集を業とする仲間がいたことはさいわいであった。それは明石書店で出版をひきうけてくれるという僥倖を引き寄せた。 「ぱっと咲いて、ぱっと散る」覚悟で提起した訴訟は2年間続き、10回の法廷をもって結審した。判決の日も決まった。あとは裁判所の国際感覚、良識に俟つのみである。 話し合いの末、敢えて判決の前に出版をきめた。ひとりでも多くの方が関心をよせて判決を見守っていただきたいと思う。 出版にあたって、素晴らしい意見書を書いていただいた戒能民江さん、熊本理抄さん、丹羽雅代さん、無理をお願いしたにもかかわらず渾身の準備書面などたくさんの書面を書き上げ、常に指標を立てていただいた弁護団のみなさま、そしてこの裁判にかかわったすべてのかたに心から感謝申し上げる。 なお、本書の標題にある「131人の女たちの告発」は、原告131人だけでなく、全国に散らばるサポーターをはじめ、多くのかたがたの思いが凝縮したものであることを付加えておきたい。 *陳述集は原告番号順に掲載した。なお陳述の執筆については2002年から04年までの時間差があることを念頭に読んでいただければさいわいだ。2005年1月 野崎光枝原告団事務局一同
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