
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 584ページ 上製
定価:6,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-2035-9 (4-7503-2035-8) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2005年01月 書店発売日:2005年01月29日
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性的虐待,身体的虐待,ネグレクト,ミュンヒハウゼン症候群の4分野を中心に,傷害の診断法,検査と再評価から法的手続きまでを詳解。小児科医,精神科医,ソーシャルワーカーから法学者まで,総勢40名近い専門家の研究成果を集成した決定版,待望の邦訳。
目次
序文
謝辞
日本語版への序文
PART 1 性的虐待
第1章 性的虐待を受けた子どもの初期の医療的管理(マ−ティン・A・フィンケル)
第2章 性的虐待を受けた子どもの長期的管理についての考察と課題(エーナ・オラフソン、 バーバラ・W・ボート)
第3章 親子間性的虐待ケースの長期にわたる家族の問題解決に影響する当面の課題(ベンジャミン・E・サンダース、メアリ−・B・メイニッグ)
第4章 性的虐待の医療的側面への長期的影響(キャロル・D・バーコヴィッツ)
第5章 成人期における子ども時代の性的虐待の発見(トーマス・A・レスラー)
PART 2 身体的虐待
第6章 身体的虐待を受けた子どもの初期の医学的治療(ローレンス・R・リッチ)
第7章 身体的虐待を受けた子どもの初期の心理社会的治療──分離の問題(ケリー・M・ドラチ、レズリー・ドヴォエ)
第8章 身体的虐待を受けた子どものための法的介入(アニータ・M・セントアンジ、ミーガン・L・イラム)
第9章 身体的虐待における長期の医学的後遺症(ロバート・H・ワートン、スザンヌ・ローゼンバーグ、ロバート・L・シェリダン、ダニエル・P・ライアン)
第10章 身体的虐待による発達上の後遺症の長期的管理(シンチア・クピト・スウェンソン、デヴィッド・J・コルコ)
PART 3 ネグレクト
第11章 子どものネグレクトの根源(モーリーン・M・ブラック)
第12章 ネグレクトの初期治療──医学的、心理学的、法的考察(シンディ・W・クリスチャン、トニ・セイドル、フランク・P・セルヴォン)
第13章 子どものネグレクトの予防と継続的医学的管理(ハワード・デュボヴィッツ)
第14章 ネグレクトにおける長期の心理学的管理(モーリーン・M・ブラック)
第15章 情緒的虐待とネグレクト(ステファニー・ハマーマン、シュテファン・ルードヴィッヒ)
PART 4 代理人によるミュンヒハウゼン症候群
第16章 代理人によるミュンヒハウゼン症候群──定義、確認、および評価(キャサリン・C・アユーブ、ロビン・M・ ドイチェ、ロバート・キンシェルフ)
第17章 代理人によるミュンヒハウゼン症候群の心理社会的管理の問題(キャサリン・C・アユーブ、ロビン・M・ ドイチェ、ロバート・キンシェルフ)
第18章 代理人によるミュンヒハウゼン症候群の医療(ランデル・C・アレキサンダー)
第19章 代理人によるミュンヒハウゼンの法的側面(ロバート・キンシェルフ、キャサリン・C・アユーブ)
PART 5 複合的トラウマ
第20章 複合的トラウマを負った被虐待児の治療(マーク・チャフィン、ローチェル・F・ハンソン)
PART 6 処遇決定の問題
第21章 加害者の治療(デヴィッド・B・ドゥーリトル)
第22章 治療に抵抗を示す家族(リチャード・J・ゲレス)
第23章 児童虐待の医学的法的見地(ジョン・E・B・マイヤーズ)
PART 7 子どもへの不適切な養育と社会
第24章 児童虐待の影響への理解(キャシー・スパッツ・ウィダム)
第25章 児童虐待治療の研究──現代の関心事と課題(クリス・ラティナー)
監訳者あとがき
索引
著者紹介
監訳者・訳者紹介
前書きなど
日本語版への序文 最近の児童虐待防止法の制定などもあり、日本でも児童虐待とネグレクトへの関心は高まってきており、法の制定は子どもを診ている実践家に国境のないこの問題に気づくよう警告している。そして児童虐待の短期、中期、長期における悪影響も次第にわかってきた。 社会的悪影響は顕著である。児童虐待とネグレクトの影響は広範な望ましくない結果を引き起こす。認知や知的障害、軽度・重度の脳障害、社会行動的な障害、医療的な問題(消化器や婦人科系障害、慢性の診断不可能な疼痛症候群、慢性疲労)といった神経学的影響、攻撃性、衝動性、非行、薬物乱用、売春、乱交、妊娠、犯罪、家庭内暴力、そして次の世代への児童虐待といった心理社会的な影響がある。心理的な影響は、不安、抑うつ、自殺願望、外傷後ストレス症候群、解離、人格障害などを含む。いくつかのうまくデザインされた研究では、子ども時代のトラウマに続いて、構造的あるいは機能的変化が脳に生じることを示している。扁桃体や海馬の解剖学的変化やセロトニンとドーパミン濃度の変化も認められている。 とりわけ虐待といった子どものころの不幸な経験が、医者や精神保健の専門家にかかっている多くの大人に影響していることは今や明らかである。さらに、子どものころの虐待の経験が、数えきれない加害者を裁判へと送り込む多くの犯罪行為を支える土台となっていることも最近わかってきている。 日本では児童虐待が増加しているとの統計があり、多くの保健、精神保健の専門家がこの大流行を認めている。診断は最初のステップだが、当事者の子どもとその家族にとってそれは長い正常化への道のりの始まりに過ぎない。虐待の重篤さのために正常になれない者もいる。しかし、よりよい結果のためにできる限りの努力をしなくてはならない。多くの被害者は治療を受け入れ正常な人生を取り戻すことができる。ただ、この目標に向けてのこれらの子どもと家族のケアには最大限の知識が必要である。これが児童虐待とネグレクトの治療のための本書の目的である。 この本の原書が刊行されたときから、治療のアプローチはほとんど変化していないので本書に書かれている情報は現在も最新のものといえる。アメリカと日本では法律的な違いはあるが、心理社会的問題について、そして子どもたちとその家族にどのようにかかわっていくかについては共通している。本書がこの本を利用する専門家の方に有用なものであることを望むが、何よりも不適切な養育の網に捕らわれた子どもたちとその家族にとって有用なものであればと願う。
著者プロフィール
ロバート・M.リース(リース,ロバート・M.)
ロバート・M・リース<br>Robert M. Reece, M.D.<br>タフツ大学医学部小児科臨床教授、専門教育研究所所長、マサチューセッツ児童虐待防止協会(ボストン)
上記内容は本書刊行時のものです。郭 麗月(カク レイゲツ)
1973年、大阪大学医学部卒業。医学博士。桃山学院大学社会学部社会福祉学科教授、かくにしかわ診療所勤務、心斎橋心理療法センター主宰。神戸大学医学部精神神経科、 大阪府公衆衛生研究所精神衛生部、近畿大学医学部精神神経科を経て現在に至る。児童青年精神医学会認定医、青年期精神療法学会常任理事、大阪府精神保健福祉審議会委員、大阪府社会福祉審議会児童措置審査部会委員、兵庫県青少年問題協議会委員。著書に『青年の精神病理3 前思春期の人格発達とその障害』(弘文堂、1983年)、「心身分化」(岩波講座『精神の科学4 精神と身体』岩波書店、1983年)、「ヒステリー」(『シリーズ精神科症例集第6巻 児童青年精神医学』山中書店、1994年)、「ジェンダー・アイデンティティーの障害」(『臨床精神医学講座11 児童青年期 精神障害』山中書店、1998年)、訳書に、アドラー『子どものおいたちと心のなりたち』(ミネルヴァ書房、1982年)など。
上記内容は本書刊行時のものです。※FAXによるご注文は、原則としてお受けしておりません。
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