焼肉の文化史
佐々木 道雄
発行:明石書店
この版元の本一覧
B6判 392ページ 並製
定価:2,800円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-1956-8(4-7503-1956-2) C0036
在庫あり
奥付の初版発行年月:2004年07月
書店発売日:2004年08月12日
※送料は無料です
※版元より営業日2~5日でお届けします
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA、MasterCard、DC、JCB、AMEX、Diners、Nicos、UFJ)がご利用になれます
タグ:

紹介

朝鮮半島をはじめ,東アジアに広がる焼肉の文化を歴史,社会現象など多方面から取り上げる。「ホルモン=放るもん」説などこれまで根拠もなく受け入れられていた俗説にも実証的に果敢に挑んだ力作。

目次

はじめに
1 焼肉って何だ
(1)焼肉という言葉/(2)焼肉という料理/(3)焼肉とプルコギは違うもの
2 朝鮮半島の焼肉の歴史
2・1 古代から高麗時代まで
(1)中国との関係/(2)仏教の影響とモンゴルによる高麗支配
2・2 李氏朝鮮時代
(1)李氏朝鮮時代の肉食/(2)李氏朝鮮時代の焼肉/(3)李氏朝鮮時代のさまざまな焼肉
2・3 植民地時代以降
(1)植民地時代以降の焼肉/(2)焼肉料理の位置
3 日本の焼肉とホルモン料理
3・1 戦前日本の焼肉と内臓食
(1)日本の肉食文化と焼肉/(2)明治以降の焼肉/(3)日本の伝統の内臓食/(4)明治以降の内臓食の浸透/(5)朝鮮人の流入とその影響/(6)内臓の統制価格の告示
3・2 “焼肉”の形成
(1)やみ市の内臓焼肉/(2)朝鮮系の内臓焼肉/(3)朝鮮料理店の焼肉/(4)“焼肉”の成立
3・3 ホルモン料理と内臓食
(1)内臓料理の流行原因/(2)「放(ほ)るもん」説を考える/(3)ホルモンという名の歴史
4 “焼肉”を考える
4・1 内臓焼肉の系譜
(1)俗説は進化する/(2)日本の内臓焼肉/(3)朝鮮の内臓焼肉/(4)朝鮮から来た内臓焼肉と日本生まれの内臓焼肉/(5)韓国の内臓焼肉の現在
4・2 日本人が作った焼肉
(1)戦前の焼肉/(2)戦後の焼肉と一般食堂の焼肉/(3)“焼肉のタレ”の登場
4・3 焼肉とプルコギ
(1)焼肉という言葉/(2)プルコギという言葉/(3)プルコギと焼肉の関係
5 “焼肉”の日韓関係
5・1 肉の消費量
(1)李氏朝鮮時代の肉の消費量/(2)肉消費量の推移
5・2 “焼肉”の歴史[現代編]
(1)70年代の専門店/(2)80年代以降の専門店と日韓の交流
5・3 違いからわかる日韓の料理文化
(1)専門店の形態とメニュー/(2)肉の焼き方・食べ方/(3)野菜の食べ方/(4)日韓の焼肉文化の共通基盤
6 ホルモン料理を見つめ直す
6・1 登録商標を巡る虚実
(1)[ホルモン煮の登録商標]説と私の疑念/(2)登録された商標の意味/(3)したたかな商魂/(4)牛の内臓をホルモンと呼ぶことが始まる
6・2 ホルモン料理の系譜
(1)ホルモンの語源を探る/(2)ホルモン料理の流行/(3)台頭する朝鮮料理/(4)ホルモン料理の衰退と変化
7 日本の内臓食を掘り起こす
7・1 戦前日本の内臓食
(1)内臓食の実態/(2)内臓の利用と流通/(3)内臓食の普及状況/(4)内臓食文化の違い
7・2 モツ料理と焼き鳥
(1)モツ料理の発展/(2)鶏の焼き鳥は高級料理/(3)モツ焼きの呼称と材料/(4)モツ料理の復活
7・3 内臓の呼称問題を考える
(1)内臓呼称の朝鮮語起源説/(2)“焼肉”で用いられる朝鮮語/(3)内臓呼称の深遠さ
8 “焼肉”の起源再考
8・1 ジンギスカン料理と“焼肉”
(1)ジンギスカン料理の歴史/(2)料理法の変遷/(3)“焼肉”に影響を及ぼしたジンギスカン料理/(4)ジンギスカン鍋とプルコギ鍋
8・2 “焼肉”の誕生
(1)溯る日本の“焼肉”の起源/(2)満州にもあった“焼肉”/(3)“焼肉”の起源地
9 焼肉と内臓食[総論]
9・1 日本と朝鮮半島の焼肉
(1)間違いだらけの焼肉史/(2)日本の焼肉/(3)朝鮮半島の焼肉の歴史/(4)日韓の“焼肉”の特徴/(5)焼肉とプルコギ
9・2 ホルモン料理と日本の内臓食
(1)ホルモン料理の意味の変遷/(2)「焼肉史」の形成/(3)内臓食についての俗説と食の実態
焼肉史の問題点とこれから——「おわりに」に代えて
主な参考文献

前書きなど

 焼肉は人気料理である。ダイエットばやりの世の中だが、焼肉は別扱いのようで、テレビや雑誌でも盛んに取り上げられる。焼肉の歴史を書いた本もいくつかあり、単一の料理に関するものではトップクラスに属するであろう。したがって、いろいろなことが調べられ、明らかになっているようにも思われる。そして実際に、日本の焼肉の歴史から韓国の焼肉の現状に至るまで、実に多彩に紹介されてきた。  だがである。読んでいて「本当かな?」とか、「間違えているな」と思うようなところも見受けられる。というのも、私が朝鮮半島などの東アジアの食文化に関心を持ち、調べ始めてから10年以上にもなるからだ。その知識と照らし合わせると、納得できないところがいくつも見受けられる。  その疑問を解くには、自分で調べるしかないだろう。そう思いつつ、なかなか決断がつかなかった。というのも焼肉産業は、在日韓国・朝鮮人が主体になって涙と汗を流しながら築き上げた金字塔である。これに係わる歴史を書くには、それなりの覚悟がいる。心してかからなくてはならない。  一方で、焼肉について質問を受けて、冷や汗をかくことも何度かあった。自分で確信を持てないことを受け売りするわけにはいかないからだが、だからといって別の答えを持っているわけではなかった。専門家(のつもり)としては恥ずかしい限りである。  これではいけない。そう考えて、私が属している会の会誌(『むくげ通信』〈隔月刊〉)に「焼肉」の連載を始めることを決心した。  ところが、資料をあれこれ集めてみて私は驚愕した。これまで述べられてきた焼肉史の根拠となってきたものが、事実ではないことが次々と明らかになったからだ。つまり、これまでの焼肉史は、事実に則さない砂上の楼閣であったことがわかったのだ。  そこで私は、焼肉史を書き換えなくてはならないと決意した。そして、“初めて明らかになる焼肉の歴史”と副題を入れて、『むくげ通信』の連載を続けた。  作業を続けて行くと、次から次に疑問が沸き起こる。「これはどうなっているのか?」とか、「別の考え方で整理した方がいいのでは?」などの考えや発想が出てくる。こうして連載はどんどん延び、最終的には15回、2年半もの長期連載(2001年9月〜2004年1月)になった。この途中で新しい情報が手に入ることもあったし、考え方も回を追う毎に整理され、修正や拡充を要する部分も出てきた。また、紙幅の都合でカットしてしまった部分も多くあった。それらを合わせ、全体を練り直してできたのがこの本である。  書き上げてみると、焼肉の話に止まらず、内臓食や焼き鳥の話、さらにジンギスカン料理の話まで、きわめて広範な分野に関するものとなった。しかもそのほとんど全部が、初めて明らかになるものばかりである。  あまりに盛りだくさんで、消化不良を起こしそうな感もあるが、焼肉を理解するためには、どうしてもそこまで拡げざるを得なかった。言い換えれば、焼肉はそれほど、いろいろな分野とのつながりを持ちながら、今日に至っていることを示している。  焼肉のことを調べるのは、焼肉について知りたいばかりではない。焼肉文化を生み出した社会、人々の暮らし、日本と朝鮮半島の食文化の比較、さらには日韓の文化交流についても知ることができるし、この本ではそうしたことを心掛けたつもりだ。また、その時代を生きた人々の息吹きを、少しではあるが感じることもできる。  一方、この本はこれまでの焼肉史の間違いを追求するものでもある。しかしこれは、事実に則した歴史を示すためのものであって、焼肉史を構築してきた先達を攻撃するためのものではない。むしろ、先達の築いた情報を基にして、新たな道筋を示したものであると考えている。間違いの追求の方が目立ち、これまでの先達の成果を十分に示し得なかったとすれば、私の実力不足によるだろうし、おわび申し上げたい。(後略)

著者プロフィール

佐々木 道雄(ササキ ミチオ)

本名、道淵信雄(みちぶちのぶお)<br>1947年 岩手県盛岡市生まれ<br>1970年 山形大学文理学部卒業<br>現在 朝鮮半島を中心とする東アジアの食文化史研究に専念<br>  著書 『朝鮮の食と文化——日本・中国との比較から見えてくるもの——』むくげの会、1996年<br>     『韓国の食文化——朝鮮半島と日本・中国の食の交流——』明石書店、2002年<br>  共著 『朝鮮一九三〇年代研究』三一書房、1982年<br>     『新コリア百科』明石書店、2001年<br>  訳書 尹瑞石『韓国 食生活文化の歴史』(仮題)明石書店、2004年<br>住所 〒658-0015<br>   神戸市東灘区本山南町 8-5-6-514

※送料は無料です
※版元より営業日2~5日でお届けします
※お支払いは郵便振替(到着後後払い)・クレジットカード(VISA、MasterCard、DC、JCB、AMEX、Diners、Nicos、UFJ)がご利用になれます


タグで関連している本:

コメントとトラックバック »

まだコメントとトラックバックはありません

TrackBack URI : http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-7503-1956-8.html/trackback/

コメントをどうぞ

お寄せいただいたコメントは、当サイトに掲載されますが、内容によっては削除させていただく場合がございます。なお、コメントへの回答は原則としていたしておりません。当サイト・著者・各版元へのお問い合わせの際は、お問い合わせフォームをご利用下さい。

▲ページの上端へ