イキイキ働きキャリアアップしよう女性技術者と男女共同参画社会
佐野 夕美子:著
発行:明石書店 この版元の本一覧
四六判 264ページ 上製
定価:2,200円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-1936-0 (4-7503-1936-8)
在庫あり
奥付の初版発行年月:2004年06月 書店発売日:2004年06月22日
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紹介

初の大学院出の女性技術者として中堅メーカーに就職した著者が,男性中心の職場でぶつかった様々な問題をどう考え,それにどう対応していったか。ユニークなストレス解消法などのエピソードをまじえて語られるいきいきキャリアアップのすすめ。

目次

まえがき
プロローグ あと二〇年遅く生まれていたら
1 出発 意識させられる「女性」
第1話 同じ土俵に立ちたい
第2話 初物社員、会社の不安・私の不安
第3話 そろりそろり反撃
第4話 増える大学卒女性社員
第5話 華麗なる?ファッションショー
第6話 “珍しさ”が生んだ学会こぼれ話
第7話 仕事で海外へ
第8話 正体不明“あんた”
2 模索 自らの責任で研究を
第9話 大企業の芝生が青い
第10話 私にも彼にも責任はないのに……
第11話 研究テーマについての悩み
第12話 父親のようなズバズバ顧問
第13話 限りなくゼロ近くからの研究出発
第14話 進化する“手作り微粒子作製装置”
第15話 “光感度”のための楽天的決心
第16話 化学系以外のメンバーが欲しい
第17話 この際、開き直って学会発表しよう
3 希望 強気と弱気の綱引き
第18話 反抗する後輩
第19話 頼りなさ満杯特選怒り鎮静法
第20話 信じていたのに……
第21話 またもやのちょっかい
第22話 再び二人
第23話 やれる!
第24話 一転注目の的
第25話 夢追い人捜し
第26話 冗談のつもりがホントに
4 発展 力の結集
第27話 “難しい……。でもやってみる”
第28話 難題解決の救い主
第29話 “一挙倍増”の困惑
第30話 チームを作ろう
第31話 心ウキウキ見回りタイム
第32話 よい機会なれど、気疲れどっと
第33話 ワンショットでカラー画像が出た!
第34話 いくつでも欲しい実験室
第35話 分業ではなく、一連の仕事を!
第36話 “主賓がおらん!主賓はだれがすんねん!”
第37話 何で?あいつぐ退職
5 前進 少し跳んでみる
第38話 “研究室長にはなって欲しくなかった”
第39話 力を合わせて昇級試験突破
第40話 週報を生かす
第41話 案ずるより産むがやすしのアドバイス
第42話 楽しき仮面のはがれ
第43話 アップアップロード
第44話 強気のアピール
第45話 幻のアメリカ出張
第46話 勇み足が運んでくれた刺激
第47話 思いがけなく“招待”委員に
第48話 後ればせながら、初挑戦!
第49話 プレッシャーへの防御反応?
第50話 同類の友を捜したい
第51話 どんどん昇級させよう
6 転機 時代の風
第52話 何かおかしい……
第53話 これがまかり通れば、組織はなし
第54話 研究中断命令
第55話 自分の手で白黒付けるのもすっきりするかも
第56話 将来売るものがなくなるのでは
第57話 疑問符の面接
第58話 組織変更は何のため?
第59話 私は一従業員に過ぎないのだ
第60話 次を目指そう
エピローグ 社会は変わったか

前書きなど

 私は、大学受験時に工学部全受験生二〇〇〇人のうち、女性はたったの一〇人であった世代である。男女共同参画に関連して、応用物理学会が学会員に対して実施したアンケート結果(二〇〇二年三月報告)で、「五〇代前半の女性は気の毒な世代、最悪の世代」と報告された世代である(調査分析が可能であった対象中)。  ちなみにその他の世代に関しては、「四〇代後半もひどいけれど、まだ少しは救われるかというところ。やっと何とかというのは、四〇代前半まで」ということであった。「私は最悪の世代か……。しかし、それで片づけられたんではなあ……」という思いと、「理工系女性の働く現状について、統計的な調査や分析報告はあるのだろうが、具体的な状況はよく知られていないのではないか?私もほかの人のことは知らないし……。今の恵まれているという世代は、私がぶつかったようなことにはぶつからなくてすんでいるんだろうか?」という思いがわいた。  企業が女性研究者・技術者を採用することなどほとんど考えもしなかった一九七九年、工学博士の学位を得た私は大阪の複写機メーカー(中小企業)に就職した。大学であれ、企業であれ、「正規の立場で、男性と同じ土俵で働きたい」と望んでいた私に現実は厳しく、“拒絶の連続”であった。そんな中で得た唯一の就職先だった。  採用した企業にとっても、私は“初物”であった。会社でも、学会でも同じ立場の女性は見当たらなかった。しかし、それほど“男”“女”ということを意識せずに仕事をすることができた。たぶん“男女共同参画社会”的なものが、私のまわりにある程度あったからだと思う。とはいうものの、社内で、学会で、突然思いがけない場面で“女性”を意識させられることは多々あった。  仕事をしていく中で私自身、新入社員、先輩社員、グループリーダー(係長)、研究室長(課長)と立場が変化した。その間に国連婦人の一〇年が過ぎ、男女雇用機会均等法が成立した。経済バブルの崩壊、アジアへの工場進出、急速な情報化社会への転換といった、日本の社会的経済的な大きな変化もあった。複写機という情報機器を扱っていた会社は、そのような変化の影響を大きく受けた。一方、まったくゼロ状態から始めた新しい画像形成技術の研究も、さまざまな状況に直面した。  これらがからみあって発生した種々の事態の中には、男女の別なく、多くの企業内研究者・技術者が経験するであろうものもあった。しかし、たまたま私が女性研究者・技術者であったがゆえに遭遇したのかもしれないものもあった。  楽しいことも、戸惑わせるような、考えさせられるような、複雑な気持ちにさせられたこともあった。怒りを感じたこともあった。そんないろんな場面で、何を感じ、何を考え、どう対応したのか? その時、相手はどのような対応をしたのか? それぞれの場面の相手は、ほとんどの場合男性であった。社内の同輩、後輩、先輩、上司、そして社外の同年配、年上などなど。そのような種々の立場の相手と私との間に起こった出来事をここに書いた。(後略)

著者プロフィール

佐野 夕美子(サノ ユミコ)

1949年生まれ。<br>1979年、大阪大学大学院工学研究科応用化学専攻博士課程修了。有機光導電体の光物理過程に関する基礎研究を行う。工学博士。<br>1979年4月、三田工業株式会社(現、京セラミタ株式会社)入社。主に、光導電性微粒子やトナー粒子を利用した、新しい画像形成方法の研究開発に従事。1997年8月、同、退社。<br>1998年5月、株式会社関西新技術研究所入社。種々の受託研究に従事。2002年1月、同、退社。<br>現在(1998年4月〜)、大阪工業大学工学部応用化学科非常勤講師。

上記内容は本書刊行時のものです。
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