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インドネシアを知るための50章 村井 吉敬(編著) - 明石書店
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インドネシアを知るための50章 (インドネシアヲシルタメノゴジュッショウ)

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発行:明石書店
四六判
280ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-1930-8   COPY
ISBN 13
9784750319308   COPY
ISBN 10h
4-7503-1930-9   COPY
ISBN 10
4750319309   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2004年7月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2011年3月18日
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紹介

東南アジア諸国の中でも日本と特に関係の深いインドネシア。観光スポットとしても人気の高い同国の魅力を,「バティック」「エビ」「石油」など,50の「モノ」をキーワードにして,民衆の視点から,政治,経済,社会,歴史,文化を幅広く紹介する。

目次

はじめに
第1章 ルピア――いまだ続く通貨危機の影響
第2章 金――戦後賠償の黒い影と経済スキャンダルのシンボル
第3章 銅――鉱山開発と住民の犠牲
第4章 アルミニウム――日・イ双方の思惑が絡んだプロジェクト
第5章 ニッケル――鉱山と土地問題
第6章 石油・天然ガス――権力の資金源
第7章 ヤシ――ヤシをめぐる超能力者とふつうの人びと
第8章 パームオイル――「清潔」「健康」志向と森林火災
第9章 合板――巨大財閥が進めた森林破壊
第10章 エビ――集約養殖とマングローブ林伐採
第11章 マグロ――外国漁船の半数は不法操業
第12章 カツオ――日本の食卓を支えるカツオと鰹節
第13章 ナマコ――海民と華人
第14章 真珠――日本人ダイバーの命懸けの産物・白蝶貝
第15章 コメ――村人たちは大食い早メシ
第16章 肥料――開発の功罪と経済危機をどう克服するか
第17章 テンペ――厳しい環境を飄々と行商するたくましい女性たち
第18章 ドリアン――トゲに覆われた果物の王様の素顔
第19章 アクア――改善進まぬ水道インフラ事業
第20章 粉ミルク――「向こう三軒両隣」で経済危機を乗り切る
第21章 コーヒー・紅茶――甘くて苦い植民地支配の遺産
第22章 ジャムゥ――民衆の思考と技法
第23章 丁子――甘美な香りに隠された搾取・汚職
第24章 白檀――侵略・虐殺に翻弄される「白檀の島」
第25章 ガバガバ――サゴヤシの持続可能な利用
第26章 家――伝統家屋を消滅させた日本のODA
第27章 おみやげ――他者のための自文化
第28章 GPS――地図づくりをとおした草の根の自然資源管理
第29章 ゴング――稲作農耕社会のアンサンブル
第30章 カセット――ダンドゥットは庶民の一番人気
第31章 携帯電話――進まない電気通信事業
第32章 パソコン――民主化をあと押しするインターネット
第33章 テレビ――ファミリー企業による民放の急成長
第34章 飛行機――国産機開発をめぐる政治的野望と汚職
第35章 車――スハルト・ファミリーの利権の温床「国産車」計画
第36章 ピニシ――群島をつなぐ物流ネットワークの花形
第37章 ベチャ――利権がらみの交通行政
第38章 バティック――産業としての伝統
第39章 ジルバブ――権力争いに利用されるイスラーム
第40章 ジーンズ――若者ファッション観察
第41章 ナイキのスポーツ・シューズ――労働環境をより悪化させる経済のグローバル化
第42章 Tシャツ――政治色あふれるデザインの数々
第43章 ポスター――秘められた強い政治的影響力
第44章 メラ・プティ――偏狭な「民族主義」を象徴する国旗
第45章 名刺――学位を重視する国民性
第46章 爆弾――スハルト退陣後、頻発するテロ事件
第47章 ワニ――9・30事件とワニの穴
第48章 水牛――インドネシアの家畜・家禽
第49章 クスクスと極楽鳥――慣習法による資源管理と「生物多様性保全条約」
第50章 豚肉とピナン――パプア人の文化的アイデンティティ
インドネシアに関する基本文献
索 引

前書きなど

 少し変わったインドネシア・ガイドブックかもしれない。見ていただければすぐにわかることだが、この本は「モノで迫る」インドネシアである。これまでの多くのインドネシア「指南書」は、歴史、文化、政治経済等々、いわゆる社会のジャンルにしたがって書かれてきた。あるいは人物(スカルノとかスハルトとか)で書かれてきた。それはそれで必要な知識を与えてくれる。それも一応は系統的に与えてくれる。 わたしたちは、この本をお引き受けするとき、インドネシアを「身近に感じる」、そして「わかりやすい」本にしたいと思った。ない頭をいろいろとひねった結果、モノでいこう!と決めた。インドネシアの人びと、そこを旅したり、そこに駐在したりする日本の人びとにとって、誰もが「モノ」なしでは暮らせないし、旅もできない。歴史だって見えない歴史もあれば遺跡のように見える歴史もある。自然も抽象的自然もあれば具体的な草や木や動物もある。インドネシアをとらえるにあたって欠かせないモノは何なのか。それを選び出すのにかなり苦労した。 五〇のモノをああでもない、こうでもないと議論しながら抽出した。おそらくこれだけでインドネシアをすべて語れるはずはない。それぞれのモノはモノとして解説したが、じつは、それ以上に、そのモノから類推できることも書き込むようにした。でないと「モノ事典」で終わってしまうからである。そこで書き手には、この「モノ」を通じて、こういうことも書き込んでほしいと要求した。その結果、刊行が大変遅れてしまった。書き手の何人かに原稿が集中したこともある。三年近い歳月が経ってしまった。しかし、明石書店の大江道雅さん、法月重美子さんのねばり強いプッシュで何とか刊行にこぎつけることができた。深甚なる謝意を表したい。 書き手のみなさんにはご苦労のかけっぱなしのうえ、刊行が遅れてしまったことをお詫びしたい。書き手はインドネシアに何度も足を運んだり、その地で暮らしてきた事情通であり、インドネシア好きばかりである。 インドネシアはいま、総選挙を終え、初の大統領・副大統領選挙を迎えようとしている。四月五日の総選挙結果は、メガワティの与党、闘争民主党の不振が目立った(得票率一八・五%)。ゴルカル党が首位だったが得票率は二一・六%にすぎない。大統領が誰になるのか、現時点では不明である。メガワティ大統領が再選されるのか、新しい大統領が生まれるのか。また軍人政権が生まれるのか?すべてがわからない。九八年のスハルト退陣以降、インドネシアは大揺れであり、六年経ったいまも、インドネシアがどこに向かうかすら定かではない。アメリカの進める「反テロ戦争」のなかでも、インドネシアは大揺れである。アル・カイーダ系といわれるジェマア・イスラミアによるあいつぐ爆弾事件、反米気運の盛り上がり、そしてアチェやパプアの独立運動、マルク紛争、ポソ紛争など地方騒乱、膨大な対外債務、失業者の急増と貧困層の拡大、問題は山積している。 こうした情勢のなかで、本書が少しでもインドネシア理解に役立てば編者として大きな喜びである。事実誤認や思いちがいもあるかもしれない。読者のみなさまのご批判、ご叱正を賜りたい。二〇〇四年六月編者 村井 吉敬   佐伯奈津子

著者プロフィール

村井 吉敬  (ムライ ヨシノリ)  (編著

上智大学外国語学部教授、アジア太平洋資料センター理事
専攻:東南アジア社会経済論
【主要著書】
『スンダ生活誌――変動のインドネシア社会』(日本放送出版協会、1978年)
『エビと日本人』(岩波書店、1988年)
『サシとアジアと海世界――環境を守る知恵とシステム』(コモンズ、1998年)など。

佐伯 奈津子  (サエキ ナツコ)  (編著

上智大学外国語学部非常勤講師、インドネシア民主化支援ネットワーク事務局長
専攻:インドネシア政治学
【主要共書】
『インドネシア――スハルト以後』(岩波書店、1998年)
『スハルト・ファミリーの蓄財』(コモンズ、1999年)

上記内容は本書刊行時のものです。