男女平等参画の実践女性と労働組合
高木 郁朗:編, 連合総合男女平等局:編
発行:明石書店
この版元の本一覧
四六判 272ページ 並製
定価:2,300円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-1867-7(4-7503-1867-1)
在庫あり
奥付の初版発行年月:2004年03月
書店発売日:2004年03月11日
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紹介

職場における男女平等をめざして奮闘する労働組合女性リーダーの実践記録。JR東海ユニオン,日立製作所労組,日本介護クラフトユニオン,競走場臨時職員労組の記録等,20以上の事例を通してさまざまな職場環境,雇用形態で働く女性たちを生き生きと描く。

目次

刊行にあたって(連合事務局長 草野忠義)

第1章  女性の職域拡大をめざす
1 JR東海における女性の職域拡大
  JR連合・JR東海ユニオン中央本部執行委員 山本愛子
2 ドライバーと地下坑内作業への進出
  都市交・大阪交通労働組合特別執行委員 山口百合子
3 武田薬品における女性営業職の登用拡大
  UIゼンセン同盟・武田薬品労働組合中央書記長 杉本雅史
4 「ポジティブアクション」推進による「仕入専門職(バイヤー)」の登用拡大
  サービス・流通連合・全松屋労働組合中央執行委員長 山口洋子

第2章 女性が働きやすい職場をつくる
1 男女賃金格差是正の取り組み——JUKIの事例
  JAM東京・JUKI労働組合副執行委員長 芳野友子
2 パートの労働条件改善の取り組み——組合員化の効果
  UIゼンセン同盟・カスミユニオン中央執行書記長 高松 栄
3 改正労働基準法のもとでの取り組み——女性保護規定の撤廃、深夜業の解禁
  電機連合・三洋電機労働組合中央執行委員 藤井栄美
4 地域ニーズと公務労働
  自治労中央本部書記長 植本眞砂子
5 セクシュアルハラスメント裁判の地域支援闘争
  連合秋田元副事務局長 木村 敢

第3章 仕事と家庭を両立させる
1 男女の勤続年数格差の解消——富士フイルムの育児休業制度と女性の働く意識実態より
  JEC連合・富士フイルム労働組合中央書記長 河島靖典
2 事業所内託児施設「ゲン木くらぶ」
  電機連合・日立製作所労働組合中央執行委員 斉藤千秋

第4章  女性組合員を拡大する
1 パートタイム労働者のユニオンショップ化
  サービス・流通連合中央執行委員 山口洋子
2 介護労働者の組織化——日本介護クラフトユニオンの事例
  UIゼンセン同盟・日本介護クラフトユニオン副事務局長 高橋治義
3 パートユニオンの結成
  札幌パートユニオン会長 工藤仁美
4 おおだてユニオンの15年
  連合おおだてユニオン執行委員長 谷地田恒夫
5 ツアーコンダクター(旅行添乗員)の組織化——労働組合による派遣事業の実際と課題
  連合副事務局長 高橋 均
6 NPO・NGOとの連携による埼玉男女共同参画推進条例の制定
  連合埼玉常任執行委員 田尻 富子

第5章  女性執行委員として活動して
1 私の第一歩
  電力総連・東京電力労働組合中央執行委員 浦野英子
2 ぷらいど
  国公連合・政労連中央執行副委員長 井上久美枝
3 仲間の不当解雇から本気で組合運動へ
  全国一般・群馬県一般産業労働組合特別執行委員 千吉良啓子
4 「心地よい社会」のためのプロローグ
  自動車総連・トヨタ自動車労働組合総務局長 青木美枝
5 心はいつも青春
  連合三重副事務局長 稲垣保子
6 女性執行委員としての活動
  電機連合中央執行委員 篠原淳子
7 水と空気のように自然体で
  航空連合・首里観光労働組合書記長 佐久本久子

解題 日本女子大学教授 高木郁朗
   連合総合男女平等局長 吉宮聰悟

前書きなど

刊行にあたって  男女雇用機会均等法が公布されてから、早や20年になろうとしております。その前身である勤労婦人福祉法から数えれば、すでに30余年が経過をしております。この間、女性の社会進出は目覚ましいものがあり、各分野で活躍される女性も相当数にのぼっております。法律や制度の面で幾度かの改訂や新設が実施されてきてはおりますが、私たちの目からみると、まだまだ改善しなければならない余地は少なくないと思っております。  連合としては、このような視点から性による差別の撤廃と女性の地位向上をめざしてさまざまな活動を積み上げてきました。すなわち、「連合の進路」(1989〔平成元〕年連合結成大会決定)では、「われわれは、社会のあらゆる分野での男女平等の実現、働く女性の雇用・労働条件の向上、母性保障の充実、社会環境の改善に取り組む。このため労働組合への女性の積極的参加をはじめ、あらゆる分野への女性の参加を進め、男女平等社会づくりをめざした活動を進める」とし、課題・活動分野を示しており、これを踏まえて連合結成時から男女平等に取り組んできました。  具体的には、男女間賃金格差の解消(これを生み出す要因の改善)、妊娠・出産に伴う解雇や不利益取り扱い禁止、男女労働者の仕事と家庭の両立、パートや有期契約労働者の均等待遇、労働組合や審議会等への女性参画に向けた計画策定と実行に取り組むとともに、国際自由労連や国連「世界女性会議」等の国際活動にも積極的に参加してきました。また連合の責任である政策制度面では、男女平等推進の国際的な流れもあり、男女共同参画社会基本法、男女雇用機会均等法、育児介護休業法、次世代支援対策推進法等の制定・改正が進んできました。  結成から15年間の取り組みのなかで、連合内で白熱した議論と対応に苦慮したのが1997年の第2次男女雇用機会均等法改正でした。連合の要求案は、雇用の分野での女性差別を禁止することとあわせ、労働基準法の深夜労働、時間外労働の女子保護規定を男女共通の規制に組み替えることについて、賛成と反対に分かれ、中央委員会(高松市で開催)採決で決したほどでした。しかし、最終的には皆さん方の賛同を得て、改正にあたって成果を上げることができたわけであります。  しかしながら、全体からみれば、まだまだ女性の登用は限定的であり、また働く現場に目を転じれば、きわめて多くの課題が残されていると言っても過言ではありません。無理解どころか、理解しようともしない経営者や、いまだに根強く残っている古い考え方などの壁がある一方で、不安定な雇用、劣悪な労働条件でかつ自己の能力向上の機会にほとんど恵まれないパートタイマーの急増など、労働組合が本気で取り組まなければならない課題が山積していると考えます。そのため、連合としても、全国レベル、地域レベル、そして職場レベルの各段階において、しっかりとした問題意識を持って活動を展開していかなければなりません。  本書は、こうした男女平等をめぐる第一線の活動家を中心とする事例をもとにした報告であります。そのため、組合員のなかでの女性たちの生き生きとした活動が読み取れます。それは、労働組合活動全体への大きな刺激剤にもなるものと確信しております。ぜひとも参考にしていただき、真の男女平等参画社会の前進に役立てていただければ幸甚です。 2004年1月   日本労働組合総連合会 事務局長 草野忠義

著者プロフィール

高木 郁朗(タカギ イクロウ)

1939年生まれ 1961年東京大学経済学部卒業<br>日本女子大学家政学部教授<br>【著訳書】<br>『労働経済と労使関係』(発行・教育文化協会、発売・第一書林 2002年)<br>『ジェンダー主流化と雇用戦略——ヨーロッパ諸国の事例』(共訳 明石書店 2003年)<br>

連合総合男女平等局(レンゴウソウゴウダンジョビョウドウキョク)

 正式名称は日本労働組合総連合会・総合男女平等局。連合を構成する産別の構成組織と地方連合会の女性委員会などと連携し、男女平等参画の運動を進めている。また、国際自由労連(ICFTU)の参画と運動の推進も展開している。<br> 現在取り組んでいる主要なテーマは、男女雇用平等法の制定を実現するために男女雇用機会均等法の抜本改正、男女間賃金格差是正、育児・介護休業法改正、次世代育成支援対策推進法による行動計画の策定、女性と年金、パート・有期契約労働者の均等待遇確立、など。<br> 担当副事務局長は林誠子、総合局長は吉宮聰悟。

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