書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
どうして私は養子になったの?
[絵本]
原書: Why Was I Adopted?
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2003年12月
- 書店発売日
- 2003年12月5日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
養子となった子どもに,養子となること,養子であることの意味を教えるための絵本。1978年にアメリカで刊行。子どもだけでなく,里親にとっても「告知」にあたっての基本的な考え方を知るのに役立つ。養子や里子と接する人たちにぜひ一読してほしい良書。
前書きなど
この本は、養子の子どもに養親(育ての親)が「自分たちは血のつながりのない親子である」ことを伝える、いわゆる「真実告知」の問題を、絵本というかたちで述べたものです。 ごくふつうの親子であると思っていた子どもにとって、血のつながった親子ではないことを知らされるのは、また親だと思っていたのは「育ての親」で、「生みの親」は別の人であることを知らされるのは、まさに青天の霹靂といえるでしょう。 いったいなぜそんなことになったのか? なぜ親はこのことを私に言ったのか? 生んでくれた親(原書では「いのちをくれた人」となっています)はどんな人だったのだろうか? そもそも養子縁組って何? 子どもが感じるであろうこれらの問いへの答え(あるいは考え方)を述べることが本書の目的です。子どもにとってもっとも重大な問題を、著者は、考え方のポイントはしっかり押さえ、しかもユーモアをまじえ、思いやり深い態度で述べています。 本書には養子縁組制度についての説明もありますが、これはアメリカのことで、わが国の制度とはちがうこところもあります。しかし、趣旨を理解するうえでとくに支障はないと考え、そのまま訳出してあります。あとがきの最後に、わが国の養子縁組制度と、これと関係の深い里親制度について、簡単に述べておきました。 なお、本文では世界の人口は35億人以上となっていますが、現在は60億人を超えています。もう1カ所、養子縁組をするにはお金がかかるかということについては、わが国で児童相談所をとおして行う場合には特別の費用はかからないことを指摘しておきます。 養親や里親として幼い子どもを引き取って育てている人にとって、この「真実告知」の問題は大きな関心事です。「告知」をすることをためらう人は少なくありません。できれば言わずにすませたい、隠しておきたいと考えるのは自然な感情といえるかもしれません。しかし、子どもを引き取ったときが第一の出会いだとすれば、告知をすることは改めて自分と子どもとに向き合う第二の出会いともいえるのではないでしょうか。私は、「真実告知」をすることは養親や里親の責任であり、子どもが小学校低学年のころまでに、養親や里親が行うのが適当であると考えています。しかし、これは原則であり、真実告知をするかしないか、あるいはいつするかは、それぞれの養親や里親が、自ら判断すべきことであるでしょう。 私はこの本を1990年にオーストラリアを訪れたときに書店で見つけ、買い求めました。その後、アメリカでも買いました。というのは判型がやや小さくなっていたからです。あとで読み比べてみると、具体的な例を示すところがいくつか異なっていました。アメリカ版が原本であることがわかったので、これを翻訳の底本としました。本書の原本は1978年に出版され、今日でも版を重ねており、スペイン、スウェーデンでも翻訳されているということです。 残念ながら、著者や作画をした方については情報が得られませんでした。しかし、彼らは、本書が含まれるシリーズの他の本にもかかわっています。 翻訳にあたって、絵本であること、若い読者がいることを考え、小学校低学年で学ぶレベルの漢字を使用し、また漢字にはすべてルビをふりました(このあとがきは、大人の方を対象に書いています)。本書は、養親(里親)が読んで、告知をするときの心構えをつくるのにも役立つのではないでしょうか。また、養子に限らず、里親のもとで生活している子ども、親と別れて施設で生活している子どもにも当てはめて考えることができると思われます。また、多くの方に読んでいただき、生まれた家庭で(あるいは生んでくれた親のもとで)生活することのできない子どもたちへの理解が深まることを期待します。(後略)あとがき 訳者
上記内容は本書刊行時のものです。