メキシコ現代史
鈴木 康久:著
発行:明石書店 この版元の本一覧
四六判 264ページ 上製
定価:3,000円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-1704-5 (4-7503-1704-7)
在庫あり
奥付の初版発行年月:2003年04月
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紹介

19世紀末から1992年の北米自由貿易協定締結に至る約100年の歴史を,各政権の政治・外交政策を中心に解説。米国,国際債権銀行団,軍閥,キリスト教徒,労働組合,学生運動,ゲリラ等の活動の政治的意味合いを分析し,リアルなメキシコ社会を活写する。

目次

1 ポルフィリオの時代と近代国家建設(一八七七〜一九一一)
2 革命の第一段階と社会の混乱(一九一一〜一九二〇)
3 革命憲法の施行時代:ソノラ人脈による国家再建(一九二〇〜一九三四)
4 カルデナスの時代と革命の理想への回帰(一九三四〜一九四〇)
5 安定成長を続けた「ポスト革命期」(一九四〇〜一九七〇)
6 ポピュリズムが支えた経済危機の時代(一九七〇〜一九八二)
7 テクノクラートによる政治期:保護主義経済との決別(一九八二〜)
 ■メキシコ史主要年表
 ■参考文献

前書きなど

 太平洋を挟んで日本と反対側にあるメキシコは、歴史的には我が国に近い国でもある。一八九七年に中南米で最初に日本人が移住を目指した国であり、戦後の一時期日本でも人気を集めたトリオ・ロスパンチョスを生んだ国で、心情的に親しさを感じている日本人も多い。地震などの自然災害に苦労してきた国でもあり、一九二三年の関東大震災の際には日本に支援を送ってくれた。一方、一九八五年のメキシコ大地震では多くの日本人が街頭でメキシコへの義援金集めの活動に参加した。近代史の中では、我が国が明治維新を迎えて大きな社会改革が進められたのと同様に、メキシコでも我が国の明治維新のしばらく後に発生したメキシコ革命を通じて大きな社会改革が進んだ。明治初期に我が国が西欧各国と結ぼうとした通商航海条約で、最初に不平等規定を廃して結ぶことを受け入れたのもメキシコであった。当時メキシコが我が国と平等条約を結んだのは、米国という大国の隣国に位置し、独立して国家建設を進める新興国のつらさを一番よく知っていたからと言えよう。その後の経済発展過程でも、メキシコのオリンピックが東京オリンピックの四年後に開催されたことは、国際社会の中で当時の両国の置かれていた政治的・経済的状況が似ていたことを意味しよう。  メキシコは、先住民族の割合が高く、旧宗主国スペインと対立していたこと、米国ときわめて長い国境線を有していること、自由思想あるいは革命思想とカトリックとの深い相克があったことなどから、近代史を形成する縦糸と横糸が複雑に絡み合って、見た目の印象よりは奥の深い政治構造になっている。同じ中南米諸国の中でも特異な歴史を歩んできたと言える。そして最近では、石油や鉱山と農業といった一次産品を主たる生産品としていた国が、米国・カナダとの自由貿易協定に象徴される自由経済の落とし子として産業国家に衣替えし、政治的にも社会的にも大きな変貌を遂げつつある。  本書では、そうしたメキシコの動きを理解するために、メキシコ近代発展の基礎を作ったポルフィリオ大統領から今日までの歴代大統領にいたる約一〇〇年についての政治と外交を分析してみた。メキシコに関心のある方がメキシコについての理解を少しでも深めて頂くことの足がかりになれば幸甚である。 はじめに 著者

著者プロフィール

鈴木 康久(スズキ ヤスヒサ)

1955年兵庫県生まれ。東京外国語大学外国語学部卒業後、外務省に入省。スペイン・サラゴサ大学法学部に留学後、在グアテマラ日本大使館、本省中南米第2課、国際報道課、在メキシコ日本大使館、ニカラグア日本大使館を経て、現在、本省領事移住部に勤務。
(主な著書)
『西ゴート王国の遺産』中公新書、1996年

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