群馬県太田・大泉地区を事例として在日ブラジル人の教育と保育
小内 透:編著
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 232ページ 上製
定価:3,600円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7503-1696-3(4-7503-1696-2) C0036
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奥付の初版発行年月:2003年03月
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紹介

日系ブラジル人の定住化が進む,群馬県太田・大泉地区を対象に,日本に居住するブラジル人の子どもの教育と保育の実態と課題を実証的に明らかにし,日系ブラジル人の教育問題解決の視点と,地域社会における共生の可能性を探求する。

目次

序 章 課題と方法
 第1節 入管法の改定と日系ブラジル人の流入
 第2節 ブラジル人の定住化とセグリゲート化
 第3節 ブラジル人の子どもの就学・就園状況
 第4節 従来の研究の特徴と本書の課題

第1部 公立小中学校におけるブラジル人児童・生徒の教育と学校生活

第1章 公立小中学校における外国人教育の特質
 第1節 日本語学級の設置と外国人児童・生徒の増加
 第2節 日本語学級の仕組みと学校全体の取り組み
 第3節 外国人教育の特徴

第2章 日系ブラジル人の子どもの教育と親の意識
 第1節 ホスト社会の学校における日系ブラジル人の子ども
 第2節 ホスト社会の学校教育に対する親の態度
 第3節 ホスト社会の学校教育と子どもの将来

第3章 日本人の親子から見た外国人の子ども
 第1節 日本人児童・生徒の外国人児童・生徒との交流
 第2節 外国人児童・生徒に対する意識
 第3節 子どもの交流に与える親の影響
 第4節 子ども同士の交流体験がもつ二重の可能性

第4章 教師から見た外国人児童・生徒をめぐる教育問題
 第1節 普通授業における外国人児童・生徒の教育問題
 第2節 外国人児童・生徒の学校文化への適応と教育課題
 第3節 外国人児童・生徒に対する日本語教育
 第4節 分離教育をめぐる評価

第2部 ブラジル人学校における教育と父母の意識

第5章 太田・大泉地区のブラジル人学校
 第1節 「補助的な」教育機関としてのブラジル人学校
 第2節 「独立した」教育機関としてのブラジル人学校
 第3節 各ブラジル人学校の概要
 第4節 太田・大泉地区のブラジル人学校の現状

第6章 ブラジル人学校選択にみられる親の教育戦略
 第1節 ブラジル人学校選択の経緯
 第2節 ブラジル人学校についての現状認識
 第3節 定住化と「アンカー」としてのブラジル人学校
 第4節 親の教育戦略をめぐる諸問題と子どもの将来

第7章 ブラジル人学校に通う子どもの生活と意識
 第1節 過去の生活と意識
 第2節 ブラジル人学校生徒の現在の生活
 第3節 ブラジル人学校生徒の将来志向

第8章 ブラジル人学校教師の生活と教育意識
 第1節 ブラジル人学校教師までの歩み
 第2節 教育への自負心と教育意識
 第3節 教師たちの日常生活
 第4節 教師たちの将来志向
 第5節 ブラジル人学校に愛着をもつ教師

補 章 ブラジル人不就学者の生活と意識
 第1節 ブラジル人不就学者のライフヒストリー
 第2節 ブラジル人不就学者の現実

第3部 ブラジル人の保育の実態と父母の意識

第9章 太田・大泉地区のブラジル人の保育
 第1節 認可保育所
 第2節 大泉地区の幼稚園
 第3節 ブラジル人託児所
 第4節 ブラジル人学校

第10章 認可保育所の実態と保育士の意識
 第1節 保育所の概要
 第2節 外国人児童の姿と保育実践
 第3節 外国人保護者に対する保育士のまなざし
 第4節 まとめと今後の課題

第11章 認可保育所に子どもを預ける親の意識
 第1節 対象者の概要
 第2節 日本人父母の意識
 第3節 外国人父母の意識
 第4節 まとめと今後の展望

第12章 ブラジル人託児所と認可保育所の選択
 第1節 ブラジル人託児所という選択肢
 第2節 保育施設の選択と父母の意識
 第3節 定住化の現実とその受容

終 章 在日ブラジル人の教育・保育の現状と課題
 第1節 在日ブラジル人の教育と保育の現状
 第2節 在日ブラジル人の教育と保育の問題
 第3節 教育・保育問題の背景と問題解決の視点

前書きなど

本書は、日系ブラジル人の集住地として知られる、群馬県太田市・大泉町(以下、太田・大泉地区)における在日ブラジル人の教育・保育の現状と課題を明らかにしようとしたものである。 日系人を中心とする在日ブラジル人は、1990年の入管法改定以降、急増し、今や26万人を超えるまでになっている。ブラジル人は、主に自動車・電機等の製造業が集積している地域に数多く居住し、それぞれの地域で独自のコミュニティを形成しつつある。本書で対象とした太田・大泉地区も例外でなく、ブラジル銀行の出張所、ブラジル人学校をはじめとする、ブラジル人向けの各種エスニック・ビジネスが生み出され、独自のブラジル人コミュニティが形成されつつある。それに伴って、それぞれの地域社会は様々な課題を抱えるようになっている。 そのうち、近年とりわけ大きな問題として指摘されるようになっているのが、在日ブラジル人の子どもの教育や保育の問題である。なかでも、学校に通わない不就学の子どもの問題は、ホスト社会・ブラジル人コミュニティのいずれからも深刻な問題として指摘されるに至っている。もちろん、日本の公立小中学校・認可保育所やブラジル人学校・ブラジル人託児所等に通っている子どもたちも、それぞれに独自の問題を抱えている。むしろ、それらの問題が不就学の子どもを生み出す背景になっていると考えることもできる。そのため、現実の課題を克服するためには、こうした諸問題の全体的な構図を明らかにすることが求められている。 にもかかわらず、少数のブラジル人の子どもを対象にした調査やブラジル人の教育問題を指摘した研究などはあるものの、在日ブラジル人の子どもの教育や保育の全体像について十全な形で把握した研究は、今のところ、見当たらないのが現状である。 われわれは、これらの点をふまえ、1998年以来、太田・大泉地区にある日本の公立小中学校、ブラジル人学校、日本の認可保育所、ブラジル人託児所等を対象にして、調査研究を継続してきた。少数であるが、不就学の子どもたちへのインタビューも行った。本書は、このような形で取り組んできた調査研究の成果をまとめたものである。 (後略) はしがき 編者

著者プロフィール

小内 透(オナイ トオル)

1955年 群馬県生まれ
1984年 北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学
現 在 北海道大学大学院教育学研究科教授(博士・教育学)

主な著書
『地域産業変動と階級・階層』御茶の水書房、1982年(共著)
『日本社会の社会学的分析』アカデミア出版会、1982年(共著)
『倉敷・水島/日本資本主義の展開と都市社会』東信堂、1992年(共著)
『変動期の社会学』中央法規出版、1992年(共編著)
『生活問題の社会学』学文社、1995年(共著)
『再生産論を読む』東信堂、1995年
『戦後日本の地域社会変動と地域社会類型』東信堂、1996年
『日系ブラジル人の定住化と地域社会』御茶の水書房、2001年(共編著)
『階級・ジェンダー・エスニシティ』中央法規出版、2001年(共編著)



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