同性愛、性同一性障害、インターセックスの当事者が語る人間の多様な性セクシュアルマイノリティ
セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク:編, 池田 久美子:著, 岡部 芳広:著, 木村 一紀:著, 黒岩 龍太郎:著, 高取 昌二:著, 土肥/いつき:著, 宮崎 留美子:著
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 232ページ 並製
定価:2,000円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-1695-6 (4-7503-1695-4)
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奥付の初版発行年月:2003年03月
タグは版元ドットコム事務局で編集することがあります。
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紹介

身体の性,心の性ってなに? 性愛の対象って決まってるの? これまで常識とされていた性の枠組みに対し,セクシュアルマイノリティの当事者が,そのおかれた現実と多様な性のあり方,性の自己決定と自分らしく生きることのできる社会のありようを語る。

目次

はじめに
序章

第一部 生物の多様な性とインターセックス

第1章 生物の多様な性
 1 はじめに
 2 メス・オスの定義
 3 性決定はメス・オスだけでない
 4 性転換をする生物
 5 同性間にもある性行動
 6 多様な性とともに生きるために

第2章 インターセックスと呼ばれる人々
 1 戸籍性別の決定と半陰陽という例外
 2 性分化の成り立ち
 3 インターセックスとはどんな人々か
 4 肉体的な特徴から見て性別のあいまいな人々
 5 インターセックスの遺伝子を持つ人々
 6 インターセックスは病気か?

第3章 インターセックスの人々を取り巻く問題
 1 医師たちの苦悩──医療現場がなしてきたこと
 2 親たちの苦悩
 3 当事者たちの苦悩
 4 社会制度の問題点
 5 現代医療の進展とともに発生してきた問題
 6 これからの社会に望まれること

第二部 心の性と性同一性障害

第1章 心の性
 1 セックスとジェンダー
 2 心の性(性自認)
 3 多様な性のなかでのトランスジェンダー
 4 トランスジェンダーも多様
 5 性のゆらぎ
 6 病気か個性か、生得か環境か

第2章 性同一性障害とは何か
 1 性同一性障害とは何か
 2 GIDの診断と治療

第3章 GIDの人たちをとりまく環境
 1 GID当事者のおかれた状況
 2 GID当事者が生きやすい社会をつくっていくために

第4章 性別二元制を超えて
 1 「らしさ」からはずれることの困難
 2 戸籍の性別変更(訂正)問題
 3 性別二元制を超えて

第三部 同性愛と性的指向

第1章 同性愛と性的指向
 1 同性愛と性的指向
 2 性的指向とはどのようなものか
 3 同性愛者は人口の何%存在するのか?
 4 同性愛は病気か?
 5 同性愛の原因
 6 同性愛は罪でしょうか?

第2章 同性愛嫌悪と差別
 1 同性愛嫌悪とは
 2 内面化された同性愛嫌悪
 3 同性愛者はどこにいる?
 4 性的指向はプライバシーか?
 5 相談コーナー
 6 カミングアウト体験記
 7 差別はどのようにして顕在化するのか

第3章 同性愛者の未来
 1 “パレード”“ドラァグ”“レインボー・フラッグ”
 2 同性愛者が求める法的権利
 3 多様なライフスタイルをめざして

第4章 HIV感染症の予防
 1 エイズをとりまく現在
 2 減らない新規患者・感染者
 3 どうすれば感染しないのか
 4 患者・感染者が暮らしやすい社会を
 5 新規の感染者をゼロに

おわりに 多様な性が認められる社会

基本用語集/執筆者が薦める図書のリスト/セクシュアルマイノリティ教職員ネットワークのメンバーが執筆した本/セクシュアルマイノリティ団体の紹介/セクシュアルマイノリティ教職員ネットワークについて/著者紹介

前書きなど

 『セクシュアルマイノリティ』は性教育、人権教育の一環としてのセクシュアルマイノリティ教育にふさわしいテキストとして編集されました。インターセックス、トランスジェンダー、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアルなどのセクシュアルマイノリティ(性的少数者)と呼ばれる人たちが抱えているさまざまな問題を網羅的に解説したテキストはこれまでありませんでした。教育関係者のみなさんには、ぜひこのテキストを使ってセクシュアルマイノリティ教育をすすめていっていただきたいと思います。  これまで性的少数者が抱える問題が人権問題として認識されることはありませんでした。しかし、ごく最近になって人権問題としての理解がようやくひろまりつつあります。性的少数者が悩む社会的な差別や偏見を取り除き、その意識を変革していくねばりづよい努力はまず教育を通じてなされねばならないと思います。その努力の一助に本書がなれば幸いです。  本書の最大の特徴は、執筆者全員がセクシュアルマイノリティの当事者であるという点です。時として、書き手の実体験が顔を出すこともあります。高校生から一般の初学者にわかりやすいようなるだけ平易で明快に記述するよう心がけました。  人間の性が多様であるように、性を巡る問題もさまざまに異なった見解や立場があり、ときとしてそれは激しい論争を巻き起こすこともあります。執筆者たちはセクシュアルマイノリティの代表者のような顔をして語るつもりはありません。できる限りいろんな見解を盛り込もうと努力しました。しかしそれは執筆者各人に何の立場や主張もないことを意味するものではありません。また本書の記述はセクシュアルマイノリティ教職員ネットワークの団体としての統一した見解ではありません。同じ問題であっても立場が異なればその視点は自ずと異なることもあり、あえて執筆者同士で考え方をすりあわせて一つの見解にまとめるということをしていません。ですから、内容や文章上の最終的な責任は各原稿の執筆者にあります。  わたしたち執筆者一同は、次の世代を担う若い人たちが本書を手にとることで、セクシュアルマイノリティがどのような人たちであるかをよく理解してほしいと思います。そうすることで、差別や偏見のない、多様な性を認め合うことのできる社会が築かれることを期待しています。 はじめに 高取昌二

著者プロフィール

セクシュアルマイノリティ教職員ネットワーク(セクシュアルマイノリティキョウショクインネットワーク)

1964年、大阪府生まれ。大阪府立大学総合科学部卒。90年より大阪府内の私立女子高校の生物教諭。97年に同性愛者であることを表明して以来、人権教育・性教育の視点で活動している。99年に『先生のレズビアン宣言』(かもがわ出版)を出版。

上記内容は本書刊行時のものです。

池田 久美子(イケダ クミコ)

1963年、大阪市生まれ。神戸大学大学院教育学研究科修了。大阪府立高校教員、出版社勤務等を経て95年より東京都立高校教員(音楽担当)。HIV/AIDSの啓発イベントであるVOICE(ぷれいす東京主催)には初回から関わり、東京レズビアン&ゲイパレード2001では実行委員をつとめるなど、コミュニティ内で多様に活動している。

上記内容は本書刊行時のものです。

岡部 芳広(オカベ ヨシヒロ)

1962年、京都市生まれ。同志社大学大学院文学研究科英文学専攻修了。京都府立定時制高校教諭を5年、短大非常勤1年、宮崎県の私立大学専任講師を8年、塾、予備校非常勤講師(いずれも英語担当)を2年勤めた後、現在ニューヨーク州立大学バッファロー校大学院在学。専門は英語学、日本語学、言語学。ハンドルネームは「豊作」。

上記内容は本書刊行時のものです。

木村 一紀(キムラ カズノリ)

1957年生まれ。山口県出身。アテネ・フランセ フランス語本科中退。93年より経営・経済関係の文筆業(専門はフィランソロピー)。元トランス・サポート・グループ(TSG)FTM代表。都蘭西(とらんす)亭(自助グループ)・亭主。

上記内容は本書刊行時のものです。

黒岩 龍太郎(クロイワ リュウタロウ)

1962年生まれ。京都府出身。大阪大学文学部文学科国文学専攻卒業。85年より京都府立高校教員(担当国語)。94年より、ゲイ・フロント関西およびHIVと人権・情報センターで活動。97年に職場で、1999年には生徒に対してもカミングアウト。『同性愛者として coming out の軌跡』(きょうと教組)を2000年に出版。01年、セクシュアルマイノリティ教職員ネットワークを設立、代表を務める。

上記内容は本書刊行時のものです。

高取 昌二(タカトリ ショウジ)

1962年生まれ。京都府出身 同志社大学工学部卒。85年より京都府立高校教員(担当数学)。『部落解放』2002年5月号の座談会にトランスジェンダーとして参加。京都のミックス系グループ「玖伊屋(くいや)」スタッフ。

上記内容は本書刊行時のものです。

土肥/いつき(ドヒ/イツキ)

九州男児とされる熊本の生まれ。戸籍の性である「男らしさ」になじめず、また、思春期のころには、自分の性別に違和感を感じ始めた。親元から離れ、北海道大学(農学部・農業経済)に入学。学業のかたわら、歓楽街であるすすきのでニューハーフとしてのアルバイトをする。接客業が自分に合わないと感じ東京都立高校教員(担当公民)になる。自分の性のありようはずっと隠し続けてきた。98年に埼玉医大で性別適合手術が行われ、それを機に生徒にカミングアウト。2000年末には、『私はトランスジェンダー』(ねおらいふ)という本を出版する。

上記内容は本書刊行時のものです。


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