
シリーズ・叢書「世界の教科書シリーズ7」の本一覧
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 752ページ 並製
定価:4,800円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-1679-6 (4-7503-1679-2)
品切・重版未定
奥付の初版発行年月:2003年01月 書店発売日:2003年01月30日
あらかじめご了承下さい。
紹介
コロンブスの新大陸「発見」後,欧州の植民地支配に始まり現在に至るまでの歴史を詳解する。支配する側だけではなく支配される側にも焦点をあてて,様々な角度から500年の歴史を描き出した,ブラジルの高等学校で最も使われている歴史教科書の全訳。
目次
一 植民地期
1 ピンドラーマ——原始共同体と先植民地期
2 黒人の地獄——砂糖生産と16〜17世紀の植民
3 トルデシーリャス条約の分割線を越えて
4 金への渇望は止まない
5 何を考え、何を語るのか——18世紀末の反逆事件
6 宮廷が移転した——独立への歩み
二 帝政期
1 ペドロ4世の座を待つより、ペドロ1世になる方が得だろうか
——第1帝政 1822〜1831
2 中央集権と地方分権の相克
——摂政制の危機と帝国の確立 1831〜1850
3 ブラジルとはコーヒーのことである
——帝政最盛期の政治・経済・社会 1850〜1870
4 落下(デグリンゴラーダ)
——君主政の衰退と共和国宣言 1870〜1889
三 共和政期
1 大農園主たちの共和国
——オルガルキー共和政の形成と確立 1889〜1920
2 これはわれわれが夢見た共和国ではない
——オリガルキー支配の危機と1930年革命
3 「新国家(エスタード・ノヴォ)」
——ヴァルガスの独裁体制 1937〜1945
4 「国民は私とともに登るであろう」
——ポプリズモ国家の矛盾と葛藤 1940〜1964
5 権威主義体制——1964〜1985年の共和政
6 夢を探して——ブラジル政治の現在と将来
図版の出典および所蔵・提供機関と補足説明
引用文献一覧
関連年表
ブラジルとの新しい出会いのために——邦語参考文献案内
索引
訳者あとがき
前書きなど
(前略)本書の意義を考えるにあたっては、初版刊行当時のブラジルとラテンアメリカを取り巻いていた政治的・経済的・社会的情勢を想起しなければならない。1979年当時、ブラジルをはじめ、アルゼンチン、ウルグアイ、チリといった南米の主要国は軍事政権下に置かれていた。一方、中米ニカラグアではサンディニスタの革命政権が樹立され、その後の長い泥沼の中米紛争が始まろうとしていた。ブラジル国内では、この年の1月、軍政最後のフィゲイレード大統領が就任するにあたって、悪名高い軍政令第5号が廃止され、民主化への第1歩が踏み出された。しかし、早くも3月には、サンパウロ大都市圏の金属労組による大規模なストに対し、厳しい弾圧が加えられ、民主化の前途多難なことを予想させた(この時のストを指導したのが、2003年1月1日に就任した新大統領ルーラである)。この意味で、本書は、民主化過程の1つの証言としても読むことができるであろう。軍政下で青春時代を送り、当時30代を迎えたばかりの著者たちの鋭い時代感覚は、本書と無縁ではないはずである。教科書といえども1つの作品であると考えれば、本書に垣間見られるマルクス主義歴史学の影響もまた、ブラジルの青年たちの歴史意識を知るうえで貴重であると言える。そして、この教科書がこの23年間、民主化過程の重要な節目ごとに改訂され、版を重ねて読み継がれてきたという事実は、そうした歴史意識が、ブラジル社会の中で一定の支持を得てきたことを物語っている。あとがき 鈴木茂
著者プロフィール
シッコ・アレンカール(アレンカール,シッコ)
1951年リオデジャネイロ市生まれ。
フルミネンセ連邦大学(UFF)歴史学科卒、ジェトゥリオ・ヴァルガス経営大学(FGV)大学院(教育学)修了。リオデジャネイロ連邦大学教授等を経て、リオデジャネイロ州議会議員。2003年1月より連邦下院議員(労働者党PT)。他の著書として、Brasil vivo, 1, 2(Petropolis: Vozes, 1997/1995)(Marcus Vinicio RibeiroとClaudius Cecconとの共著)などがある。
ルシア・カルピ(カルピ,ルシア)
リオデジャネイロ市生まれ。
フルミネンセ連邦大学(UFF)歴史学科卒、同大学院(歴史学)修了。リオデジャネイロ州立公文書館勤務等を経て、現在リオデジャネイロ市内の私立中高校で教鞭をとっている。
マルクス・ヴェニシオ・リベイロ(リベイロ,マルクス・ヴェニシオ)
1948年ミナスジェライス州バルバセーナ市生まれ。
フルミネンセ連邦大学(UFF)社会科学科卒、同大学院(歴史学)修了。現在国立図書館出版部コーディネータのかたわら、リオデジャネイロ市内の私立中高校で教鞭をとっている。
東 明彦(アズマ アキヒコ)
ブラジル、サンパウロ市生まれ。国費留学生として来日し、新潟及び東京大学大学院を経て、ポルトガル語新聞の編集長に就任。現在、武蔵大学、東京外国語大学他で非常勤講師。
〔主要著書〕
『仕事の創造』(共著、岩波書店、1997年)
『ブラジルを知るための55章』(明石書店、2001年)
『シリーズ国際社会 第2巻 変容する日本社会と文化』(共著、東京大学出版会、2002年)
アンジェロ・イシ(イシ,アンジェロ)
大阪外国語大学外国語学部助教授。日本ラテンアメリカ学会会員、日本ポルトガル・ブラジル学会会員。
〔主要著書〕
『ラテンアメリカ史——植民地時代の実像』(共著、世界思想社、1989年)
『ラテンアメリカ——自立への道』(共著、世界思想社、1993年)
鈴木 茂(スズキ シゲル)
東京外国語大学外国語学部教授。歴史学研究会会員。
〔主要著訳書〕
『〈南〉から見た世界05 ラテンアメリカ』(共著、大月書店、1999年)
ロナルド・シーガル『ブラック・ディアスポラ』(共訳、明石書店、1999年)
『ラテンアメリカからの問いかけ』(共著、人文書院、2000年)
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