ポストメトロポリス期の都市エスノグラフィ集成都市的世界/コミュニティ/エスニシティ
渡戸 一郎:編著, 広田 康生:編著, 田嶋 淳子:編著
発行:明石書店 この版元の本一覧
A5判 448ページ 上製
定価:4,500円+税 総額を計算する
ISBN 978-4-7503-1669-7 (4-7503-1669-5) C0036
在庫僅少
奥付の初版発行年月:2003年02月 書店発売日:2003年02月01日
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紹介

「大都市衰退地区の再生」のテーマと接続し1980年代後期以降継続実施されている,越境アジア系ニューカマーズ調査。その調査研究過程が反映された,都市エスノグラフィの集大成。多文化社会を生きるニューカマーズの姿が克明に描かれている。

目次

第一部 「下からの(from Below)」トランスナショナリズム
第1章 越境する知と都市エスノグラフィ編集[広田康生]
    ——トランスナショナリズム論の展開と都市的世界
第2章 トランスナショナル・ソーシャル・スペースの思想[田嶋淳子]
    ——中国系移住者の移動と定着のプロセスを中心に

第二部 変容する都市的世界のなかから
第3章 池袋/新宿のアジア系外国人調査[鈴木久美子]
    ——一九八八─二〇〇一の全仕事
第4章 「錯綜体都市」のリアリティ[大橋健一]
    ——池袋〜香港〜神戸〜ソウルを結ぶもの
第5章 ポストメトロポリス期の都市空間とエスニック・コミュニティ[水上徹男]
第6章 ゆらぐ英国の多文化主義[菅原尚子]
    ——「ブラッドフォード暴動」(二〇〇一年七月)が提起したもの
第7章 発想としての「福祉コミュニティ」[和田清美]
    ——コミュニティ論とセツルメント論の架け橋
第8章 都市と保存のフィールドワーク[堀川三郎]
    ——「コミュニケーションとしての調査」へのスケッチ

第三部 都市エスノグラフィの試み
第9章 エスニック・ビジネスの生成過程[白岩砂紀]
    ——広がるネットワークと起業家精神
第10章 大都市の二つのイスラム世界とエスニシティーズ[李天国]
    ——中国の「回族」と「ウイグル族」の結び合うかたち
第11章 移動する人々と「故郷」[高鮮徽]
    ——在日済州島人男性を事例に
第12章 都市的身体の表象化と沖縄人ネットワーク[桃原一彦]
第13章 越境する日系ボリビア人[生野恵理子]
    ——横浜市鶴見区の事例から
第14章 新宿─台北、再越境家族の生活誌[加納彩子]
    ——複数化するアイデンティティ感覚
第15章 池袋の歴史社会学ノート[菱山宏輔]
    ——都市共生の作法

第四部 都市コミュニティから/へ
第16章 「越境する知」としての都市コミュニティ[奥田道大]
    ——ストリート・ワイズの復活

解題 都市社会学ノート[渡戸一郎]
   ——奥田都市論のリアリティのとらえ方

奥田道大教授 略歴
奥田道大教授 著作目録

前書きなど

本書は都市的世界と都市コミュニティに関する最前線の問題提起とエスノグラフィックな研究論集である。 本書における様々な問題提起の背景をなす問題群とは何か。その中心には、国境を越えた人びとの移動が提起する問題群がある。実際、彼らが集住する都市コミュニティにおいては、医療、福祉、教育、地域生活等々の具体的で現実的な問題をめぐって、その住まい方や生き方から提起される問題が多く噴出し、従来わが国社会そして地域社会で築かれてきた既存の制度的世界への、日常的な場面からの様々な問題提起がなされている。無論ここでは、こうした動向を受け止め、それに共振する人びとの活動や運動も起きる一方で、いわゆる受入れ側住民の中には、相手をネガティブな存在として捉えようとする風潮も同時に出現している。そしてこうした問題の噴出に呼応するように、今、都市的世界や都市コミュニティを巡って、様々な角度から、多元的な問題提起が生じてくる。 現在の都市的世界、そして都市コミュニティをめぐるこうした問題に対して、われわれはどのように取り組むべきか。 こうした現象の意味を理解するためには、個々の現象の背後に進行している社会過程への認識と、同時に、個々の現象が発する意味を現実に即して認識することが必要になる。本書では、都市的世界をめぐるそうした現象の背景をなす社会過程に目を向ける一つの手がかりとして「トランスナショナリズム(transnationalism)」の展開(特に「下からのトランスナショナリズム(transnationalism from below)」の展開)と、「ポストメトロポリス論(postmetropolis theory)」の諸概念に注目し、個々の現象が発する意味を理解する試みとして都市エスノグラフィの研究諸論文を掲載している。 はしがき 編者

著者プロフィール

渡戸 一郎(ワタド イチロウ)

1950年生まれ。立教大学大学院社会学研究科修士課程修了。財団法人地方自治協会主任研究員を経て、現在、明星大学人文学部教授(都市社会学、地域社会論)。
編著書:『自治体の外国人政策』(共編著、明石書店、1997)、『超過滞在外国人と在留特別許可』(共編著、明石書店、2000)、『多文化教育を拓く』(共編著、明石書店、2002)、『都市社会学』(共著、有斐閣、1999)、『21世紀の都市社会学』(共著、学文社、2002)など

上記内容は本書刊行時のものです。

広田 康生(ヒロタ ヤスオ)

1949年生まれ。立教大学大学院社会学研究科修士課程修了。現在、専修大学文学部教授(都市社会学、地域社会論)。
編著書:『エスニシティと都市』(有信堂、1997)、『外国人居住者と日本の地域社会』(編著、明石書店、1994)、『多文化主義と多文化教育』(編著、明石書店、1996)、『シカゴ・ソシオロジー:1920−1932』(共訳、ハーベスト社、1990)、『ホーボー』上・下(訳、ハーベスト社、2002)など

上記内容は本書刊行時のものです。

田嶋 淳子(タジマ ジュンコ)

1954年生まれ。東京外国語大学中国語科卒業。1990年立教大学大学院社会学研究科博士前期課程修了。同大学院博士後期課程を経て、現在、淑徳大学社会学部教授(都市社会学、移住研究)。博士(社会学)。
編著書:『世界都市・東京のアジア系移住者』(学文社、1998)、『離土離郷:中国沿海部農村の出稼ぎ女性』(南窓社、2002)、『上海−甦る世界都市』(編著、時事通信社、2000)、『新宿のアジア系外国人』(共編著、めこん、1993)、『新版・池袋のアジア系外国人』(共編著、明石書店、1995)など

上記内容は本書刊行時のものです。
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