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反市民の政治学
フィリピンの民主主義と道徳
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年3月
- 書店発売日
- 2013年4月1日
- 登録日
- 2013年2月25日
- 最終更新日
- 2015年3月4日
受賞情報
第30回大平正芳記念賞受賞
第35回発展途上国研究奨励賞受賞
書評掲載情報
2013-12-22 |
読売新聞
評者: 開沼博(社会学者、福島大学特任研究員) |
2013-05-26 |
読売新聞
評者: 開沼博(社会学者、福島大学特任研究員) |
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紹介
膨大な数の市民が立ち上がり、マルコス大統領の独裁政治に終止符が打たれてから約30年。貧富の差が拡大し、選挙のたびに票の売買が取りざたされるこの国に、「正しい」民主主義は根付かないのだろうか。著者はスラムに暮らし、したたかでたくましい庶民の声に耳を傾けて、新たな共同性の可能性を探る。国民の分断が進む日本社会に本書は参考となるに違いない。
目次
序章 フィリピン民主主義と道徳政治
第1節 民主主義の社会的条件は何か
第2節 調査の対象と方法
第3節 本書の構成
第1章 分析枠組みの提示
第1節 フィリピン社会と政治の変容
第2節 二重公共圏のヘゲモニー闘争
第2章 二重公共圏の形成
第1節 言語の分断
第2節 メディアの分断
第3節 生活空間の分断
第4節 調査地の概要
第3章 ピープル・パワーをめぐる道徳的対立
第1節 民主化を勝ち取った国民の連帯
第2節 市民デモと大衆デモの激突
第3節 道徳的市民の勝利と暴徒への恐怖
第4節 金持ちの独善と貧者の敗北
第4章 選挙をめぐる道徳的対立
第1節 ポピュリズムと金による票集め
第2節 大衆に抑圧される市民の票
第3節 金持ちに裏切られる貧者の票
第4節 有権者教育の逆説
第5章 都市統治をめぐる道徳的対立
第1節 国家規律と貧困層の軋轢
第2節 市民による貧困の犯罪化
第3節 生活と尊厳を守る貧困層の抵抗
第4節 貧困層の生活基盤を合法化する挑戦
第6章 道徳的ナショナリズムの再興
第1節 アロヨ政権の腐敗と暴力
第2節 階層を越えた「国民の敵」
第3節 大統領選挙における道徳と貧困の闘争
第4節 道徳を希求する国民の再形成
終章 道徳政治を越えて
第1節 フィリピン政治理論への寄与
第2節 道徳政治の台頭とその逆説
第3節 民主主義の隘路を打開するために
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。