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電子写真 (デンシシャシン) プロセスとシミュレーション (プロセストシミュレーション)
原書: 0

工業・工学
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A5判
264ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-501-32650-0   COPY
ISBN 13
9784501326500   COPY
ISBN 10h
4-501-32650-6   COPY
ISBN 10
4501326506   COPY
出版者記号
501   COPY
Cコード
C3055  
3:専門 0:単行本 55:電子通信
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2008年6月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2021年1月12日
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目次

プロセス編
 第1章 プロセス総論
  1.1 はじめに
  1.2 電子写真の歴史
  1.3 電子写真プロセス
 第2章 プロセス各論
  2.1 帯電・除電
  2.2 露光
  2.3 現像
  2.4 転写
  2.5 定着
  2.6 クリーニング
 第3章 プロセス制御
  3.1 ジョーンズプロット
  3.2 デジタル電子写真での画質設計方法
  3.3 制御の基礎とプロセス制御
  3.4 プロセス制御各論とセンシング技術
  3.5 製品におけるプロセス制御の例
  3.6 今後の動向
 第4章 カラーシステム
  4.1 カラー電子写真の市場
  4.2 カラー画像エンジン
  4.3 色空間・測色・光沢度
  4.4 カラー画質
  4.5 今後の動向
シミュレーション編
 第5章 理論とモデル化
  5.1 シミュレーションの手順
  5.2 電子写真プロセスの定式化
  5.3 移流拡散方程式
 第6章 計算手法
  6.1 有限差分法
  6.2 有限要素法
  6.3 個別要素法
 第7章 解析事例
  7.1 概要
  7.2 帯電・除電プロセスにおけるシミュレーション
  7.3 露光プロセスにおけるシミュレーション
  7.4 現像プロセスにおけるシミュレーション
  7.5 転写プロセスにおけるシミュレーション
  7.6 定着プロセスにおけるシミュレーション
  7.7 クリーニングプロセスにおけるシミュレーション

前書きなど

 活版印刷の起源は東洋にあるが,ヨーロッパにおいて現在にいたる活字文化の枠組みがつくられた。15世紀のドイツでグーテンベルク(J.Gutenberg,1398-1468)は活版印刷術を発明し実用化した。1455年に有名な42行聖書を印刷し教会に専有されていた聖書を市民に普及させ,ルターの宗教改革の推進力となった。
 文字文明の長い歴史を通じて,紙がそのメディアの役割を果たしてきた。文明や文化は本質的に相応の情報処理を伴ってきたが,文書情報処理が行なわれるところではもともと文書複写の必要があった。筆写やカーボン紙による複写作業の省力化のために,1938年にカールソン(C.F.Carlson,1906-1968)によって発明された電子写真は,普通紙複写機への応用によって技術発展を遂げ重要な産業のひとつとなった。近年のデジタル情報通信技術の急速な進歩の中で,電子写真技術は複写機能はもとより電子文書の出力装置,つまりプリンタへの応用が主要な領域となってきている。主として組織内の業務プロセスで使われる複写やプリントを超えて,電子写真プリンタによる出力は最終顧客をもターゲットにしはじめた。ここでは,オフセット印刷並みの画質,一様性,信頼性,コスト,メディア対応性が求められている。画像形成プロセスが単純でカラー化も容易なインクジェットは,小型・低速プリンタおよび超高速連帳プリンタのセグメントではすでに電子写真の脅威技術に育ち,電子写真技術者はこれへの対応も迫られている。発明されてすでに70年になり,一時は成熟したともみられていた電子写真は,デジタル技術の導入とトナー構成材料をはじめとする画像形成材料の革新に伴い新たな発展の機会を得ている。
 上記の電子写真の置かれた状況をふまえて,本書は刊行された。電子写真システムは,物理,化学,材料,光学,機械,電気,電子,デバイスなどの要素が渾然一体となって高度なプロセス制御の下で機能している。電子写真プロセスで基本性能が決まり,これを基に画像形成システムの枠組みが決まる。また,要求画質と信頼性の設計のため,実験的・経験的な手法で主要パラメータを迅速かつ正確に決定することは難しく,最適なパラメータを決定する技術としてのシミュレーションへの依存度が高まっている。
 本書では,1~4章をプロセス編,5~7章をシミュレーション編として構成した。1章で電子写真の画像形成技術としての位置づけと基本プロセスと原理を確認したのち,2章のプロセス各論で典型的な6サブプロセスに分けて解説している。3章ではシステムの安定化に欠かせないプロセス制御について説明し,4章では応用面で重要なカラーシステムについてまとめた。5章ではシミュレーションへの導入として,電子写真のあらゆるプロセスに関与する移流拡散方程式を中心に理論面の説明を行った。6章では主要な計算手法について言及したが,とくに有限差分法については初心者を配慮して詳細な説明を加えた。7章では,2章のプロセス各論に対応させて代表的な計算例を紙面の許す範囲で紹介した。なお,シミュレーション編では平林純氏から有益な助言を多数いただいたので,ここで感謝の意を表したい。
 今後も電子写真の本質をより深く理解し,より高度なレベルに飛躍するためにも本書は役立つものと信じる。
 2008年5月
 平倉 浩治
 川本 広行

上記内容は本書刊行時のものです。