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源氏物語のモデルたち 斎藤 正昭(著) - 笠間書院
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源氏物語のモデルたち (ゲンジモノガタリノモデルタチ)

文芸
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発行:笠間書院
A5判
248ページ
上製
定価 5,800円+税
ISBN
978-4-305-70744-4   COPY
ISBN 13
9784305707444   COPY
ISBN 10h
4-305-70744-6   COPY
ISBN 10
4305707446   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0093  
0:一般 0:単行本 93:日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年10月
書店発売日
登録日
2014年9月23日
最終更新日
2014年10月17日
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紹介

『源氏物語』の真実は、モデルの特定なくして語られない。
『源氏物語』はモデル・准拠を前提としている。また、紫式部本人も物語中で、そこに物語の本質があることを認めている。
このようにして書かれた以上、モデルの解明なくしては、物語の正しい読みはありえない。『源氏物語』千年の謎も、まさに、ここに隠されている。

紫式部にとって「物語」とは、現実世界と物語世界、双方に対して不即不離の関係をもつものであった。
本書は、モデルを特定するための必須条件として、正しい巻序と正しい出仕年度を提示し、現実世界と物語世界の二つの異なる次元の世界を繋ぐ橋をかけ、『源氏物語』の本質・核心に迫る。

【…紫式部にとって物語とは、ありのままを語るものでもなく、かといって全くの作り話でもない。それは、歴史書でもとらえきれない世の実相を、仮の形で現す手段(方便)であり、虚構と現実、そのいずれにも完全に属さず、紙一重の差に位置するものであった。この現実世界と物語世界との微妙な距離感にこそ、紫式部の言うところの「物語」の本質が隠されている。准拠・モデルは、こうした物語の本質に関わる、現実世界と物語世界を結びつける有効な概念にほかならない。…】はじめにより

目次

はじめに―発表の場から浮かび上がるモデルたち
 モデルとは何か―准拠とモデル
 二つの前提条件―正しい巻序と正しい出仕年度
 モデルの諸相―複合モデルと着想的モデル
 本書の構成

Ⅰ 帚木三帖(「帚木」「空蟬」「夕顔」)―作者直結の世界
 1 「帚木」「空蟬」巻
   光源氏(具平親王)と空蟬(紫式部)
   伊予介・紀伊守親子(父為時・伯父為頼兄弟と夫宣孝・継子隆光親子)
   小君(弟惟規)と衛門督(曾祖父兼輔)
   空蟬・軒端の荻・光源氏(故姉君・紫式部・夫宣孝)
 2 「夕顔」巻
   夕顔(具平親王寵愛の雑仕女)と撫子(具平親王御落胤、藤原頼成)
   惟光(具平親王のおじたち、源重光・保光・延光)

Ⅱ 「桐壺」巻―多重構造の世界
 1 『長恨歌』の世界
   桐壺帝(玄宗皇帝)・桐壺更衣(楊貴妃)・靫負命婦(方仕)・典侍(方仕)・藤壺(李夫人)
 2 「いづれの御時」の世界
   桐壺帝(醍醐天皇と宇多天皇)
 3 一条朝後宮の世界
   桐壺帝(一条天皇)・桐壺更衣(中関白家三姉妹、定子・原子・御匣殿)・藤壺(彰子中宮)・光る君(敦康親王)・弘徽殿女御(藤原義子)
 4 紫式部の私的世界
   桐壺更衣(紫式部)

Ⅲ 若紫―「若紫」巻における複合モデル
 1 若紫(賢子)と北山尼君(紫式部)
 2 若紫(彰子)と光源氏(一条天皇)

Ⅳ 六条御息所―巻を隔てた複合モデル
 1 京極御息所―「夕顔」巻
 2 中将御息所―「葵」巻
 3 斎宮女御―「葵」「賢木」巻

Ⅴ 朝顔斎院―連動するモデル
 1 式部宮卿(代明親王)の姫君(恵子女王)と女五の宮(婉子内親王・恭子内親王姉妹)
 2 式部卿宮の姫君から朝顔斎院へ

Ⅵ 玉鬘―変容するモデル
 1 筑紫の五節(筑紫へ行く人の女)
 2 玉鬘(筑紫へ行く人の女)
 3 筑紫の五節から玉鬘へ

Ⅶ 薫と匂宮―成長するモデル
 1 薫(藤原顕信)
 2 匂宮(敦良親王)

Ⅷ その他のモデルたち
 1 「末摘花」巻―大輔命婦(大輔命婦)
 2 「紅葉賀」巻―源典侍(源明子)
 3 「花散里」巻―麗景殿女御(荘子女王)
 4 「蓬生」巻―末摘花(紫式部)
 5 「鈴虫」巻―秋好中宮(彰子中宮)
 6 「御法」「幻」巻―光源氏(一条天皇)と紫の上(彰子中宮)
 7 「橋姫」巻―八の宮一家(父為時と紫式部・故姉君)
 8 「浮舟」巻―時方と仲信(源時方・仲信親子)
 9 「手習」巻―横川僧都(源信)

Ⅸ その他の着想的モデルたち
 1 「末摘花」巻―末摘花(左近の命婦と肥後の采女)
 2 「明石」巻―明石の君の懐妊(彰子中宮の懐妊)
 3 「胡蝶」巻―光源氏と玉鬘(道長と紫式部)
 4 「真木柱」巻―玉鬘の男児誕生(彰子中宮の敦良親王出産)
 5 「若菜下」巻―紫の上、三十七歳での発病(紫式部、三十七歳)

Ⅹ 発表の場から浮かび上がる准拠
 1 「花宴」巻―花宴(三十二年ぶりの花宴)
 2 「葵」巻―葵祭(王朝時代最大の葵祭)
 3 「松風」巻―六条院構想の萌芽(法華三十講時の土御門邸行啓)
 4 「梅枝」巻―薫物競べ(薫物配り)
 5 「藤裏葉」巻―冷泉帝・朱雀院の六条院行幸(一条天皇の土御門邸行幸)
 6 「胡蝶」巻―六条院の船楽(土御門邸の船遊び)
 7 「紅梅」巻―紅梅大納言の春日明神祈願(長和二年二月の春日祭)
 8 「蜻蛉」巻―明石中宮主催の法華八講(一条天皇三回忌法華八講)

Ⅺ その他、モデル・准拠の問題点
 1 道長は光源氏か―土御門邸と六条院の関係を手掛かりとして
 2 醍醐・朱雀・冷泉天皇の准拠―村上天皇スキップの理由
 3 物語世界から現実世界へ―道長、宇治遊覧の背景

おわりに―史実との照応による〈五期構成説〉と〈寛弘二年出仕説〉の妥当性
 五期構成説の妥当性―第一・三期について
 寛弘二年出仕説の妥当性―寛弘二年以外の場合


五十四帖の構成
五十四帖の執筆・発表年譜
巻々の主要なモデル一覧
五十四帖の出来事と史実の関係一覧
紫式部略年譜
あとがき
モデル名索引

著者プロフィール

斎藤 正昭  (サイトウ マサアキ)  (

1955年、静岡県生まれ。1987年、東北大学大学院博士課程国文学専攻単位取得退学。元いわき明星大学人文学部教授。文学博士。
著書に『源氏物語 展開の方法』(笠間書院、1995年)〈私学研修福祉会研究成果刊行助成金図書〉、『源氏物語 成立研究―執筆順序と執筆時期―』(笠間書院、2001年)、『紫式部伝―源氏物語はいつ、いかにして書かれたか』(笠間書院、2005年)、『源氏物語の誕生―披露の場と季節』(笠間書院、2013年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。