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本居宣長 山下 久夫(著) - 笠間書院
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本居宣長 (モトオリノリナガ)

文芸
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発行:笠間書院
四六判
112ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-305-70658-4   COPY
ISBN 13
9784305706584   COPY
ISBN 10h
4-305-70658-X   COPY
ISBN 10
430570658X   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0092  
0:一般 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年7月
書店発売日
登録日
2012年7月11日
最終更新日
2012年8月3日
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紹介

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、本居宣長です。

詠歌は歌学の骨格を成すものであり、
詠歌の上で、古風後世風を、
自在に詠み分けられないようでは、
歌学者とは言えない。
その点で、彼は、
はっきりした自信を持っていたーー
小林秀雄

本居宣長(もとおりのりなが)
伊勢松阪出身の国学者で、ご存じ『古事記伝』四十四巻の著者。古語の探求を通して、日本古代人の思想と心性を解き明かした。その他著書は総数二百六十巻を越え、『源氏物語』の「物のあはれ」論や『新古今集』を推奨したことでも知られる。ただし学者としての蘊蓄と業績に比し、和歌の方はあまり上手ではなかったというのが通説に近い。今回は上手か下手かを論じる従来の評価とは異なった切り口で和歌の世界を覗き、宣長的感性の本質を浮かび上がらせる。

目次

01 敷島のやまと心を人問はば朝日ににほふ山桜花
02 いと早も高根の霞先立てて桜咲くべき春は来にけり
03 待ち佗ぶる花は咲きぬやいかならむ覚つかなくもかすむ山の端
04 桜花さくと聞くより出立ちて心は山に入りにけるかな
05 山遠く見に来し我を桜花待ちつけ顔ににほふ嬉しさ
06 飽かずとて折らば散るべし桜花なほかくながら見てを止みなむ
07 暮れぬとも今はしばし見む山桜入相の鐘は聞かず顔にて
08 しろたへに松の緑をこき交ぜて尾上の桜咲きにけるかな
09 かき絶えて桜の咲かぬ世なりせば春の心も寂しからまし
10 鬼神もあはれと思はむ桜花愛づとは人の目には見えねど
11 花の色はさらに古りせぬ桜かな朽ち残りたる老木なれども
12 花さそふ風に知られぬ陰もがな桜を植ゑてのどかにを見む
13 春をおきて五月待ためや時鳥桜てふ花咲くと知りせば
14 駆けり来て桜が枝にとぶ蛍散にし花の魂かあらぬか
15 松はあれど桜は虫の名にだにも聞えぬ秋の野べのさびしさ
16 桜花散りて流れし川風も又身にしみて千鳥なくなり
17 うつせみの世の人言は繁くとも吾は見にこむ妹があたりを
18 あし引の嵐も寒し我妹子が手枕離れて独寝る夜は
19 八島国ひびき響もすかぐつちの神の荒びは畏きろかも
20 古事の文らを読めば古への手振り言問ひ聞き見るごとし
21 立ちかへり世は春草の栄ゆれど神の屋代は冬枯れのまま
22 うまさけ鈴鹿の山を朝越えてわぎ家の方はいや離りきぬ
23 玉くしげ都とこことわが背子に飽かでふたたび別れなんかも
24 家を措きていづち往にけん若草の妻も子どもも恋ひ泣くらんに
25 この世には今は渚の友千鳥踏みおく跡を泣く泣くぞ見る
26 大空は曇りも果てぬ花の香に梅さく山の月ぞかすめる
27 声はして山たち隠す夕霧に面影おつる雁の一つら
28 軒くらき春の雨夜の雨そそぎあまたも落ちぬ音のさびしさ
29 風わたる梢に秋や通ふらん鳴きおろす蝉の声ぞ涼しき
30 世の中の善きも悪しきもことごとに神の心の所為にぞある
31 善きことに禍事い継ぎ禍事は善き事い継ぐ世の中の道
32 東照る御神貴し天皇を斎きまつらす御功みれば
33 蔵王ちふ神は神かも仏かも仏に似たる神の名あやし
34 水分の神の幸ひのなかりせばこれの吾が身は生まれ来めやも
35 賤の女が心をのべし言の葉も代々の教へとなるぞ畏き
36 新玉の春来にけりな今朝よりも霞ぞそむる久方の空
37 託たれし涙の袖や忍ぶらん春は昔の春の夜の月
38 浜千鳥鳴きこそ明かせ和歌の浦や立つらん方も波の寄る寄る
39 忘るてふ吉野の奥も知らぬ身はいとど都の花ぞめでたき
40 思ひやれ慣れし都にかりそめの夢も結ばぬ草の枕を
41 契りをきし我が宿過ぎて小車の憂しやいづこに牽き違ふらん
42 亡き魂も通ふ夢路はあるものをなどて今宵も見え来ざりけむ
43 書よめば昔の人はなかりけり皆今もある我が友にして
44 見るままに猶長かれと長月の夜をさへ惜しむ影のさやけさ
45 朝霧の晴るるも待たで心あてに尋ねつつ入る山のもみぢ葉
歌人略伝
略年譜
解説「宣長にとっての歌」(山下久夫)
読書案内
【付録エッセイ】『本居宣長』(抄)(小林秀雄)

著者プロフィール

山下 久夫  (ヤマシタ ヒサオ)  (

1948年鹿児島県生。立命館大学大学院修了。博士(文学)。現在 金沢学院大学文学部教授。
主要著書・論文『本居宣長と「自然」』(沖積舎)『秋成の「古代」』(森話社)「篤胤のトポス」(「日本文学」No616)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。