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三条西実隆 豊田 恵子(著) - 笠間書院
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三条西実隆 (サンジョウニシサネタカ)

文芸
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発行:笠間書院
四六判
130ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-305-70655-3   COPY
ISBN 13
9784305706553   COPY
ISBN 10h
4-305-70655-5   COPY
ISBN 10
4305706555   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0092  
0:一般 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年12月
書店発売日
登録日
2012年11月9日
最終更新日
2014年8月14日
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紹介

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、三条西実隆です。

政治家としての責務の傍らで
一万首を越える膨大な歌を残した
歌人にして当代一流の文化人

一条兼良亡きあと、堂上にあって和歌や源氏学、古筆などを対象とする古典学万般の世界に幅広い知見を誇った当代最高の知識人として、応仁の乱後における文化再興に多大な功績を残した。連歌師宗祇は、実隆に古今伝授を授けており、三条西家に入った古今伝授は、後に御所伝授へとつながる。実隆が残した六十余年の漢文日記『実隆公記』は、東山時代の文化動向を示す当時の一級史料。家集に『雪玉集』『再昌草』などがあり、特に『雪玉集』は後世「三玉集」の一つとして後水尾院など、近世の歌人の手本とされた。

目次

01 法の道に仕へんものを春日山その氏人の名を汚しぬる
02 暫しとも言伝てやらむ程ぞなき嶺越し山越し急ぐ雁がね
03 己が上に生ふる例や忘草罪あらぬ身を託ち果てつつ
04 忘るなよ三笠の山を射してこそ知らぬ海辺の月も見つらん
05 秋風も心あるべき宿なれや掻きなす琴に初雁の声
06 枝ながら見むも幾ほど色変はる下葉はもろし萩の上の露
07 吹くからに風の柵掛けも敢へずまた山水にゆく木の葉かな
08 深からぬ齢のほどに惜しみしはただ大方の年の暮れかな
09 年も経ば鏡の影に落ちぬべし黒き筋なき滝の水上
10 年をへて宿にまづ咲く花しあれば待たでも来鳴く春の鶯
11 水鶏なく浦の苫屋の夜の月心ある海人のなどかなからん
12 落つと見し波も凍りて滝つ瀬の中にも淀は冬ぞ知らるる
13 色どるも限りこそあれ墨書きの山は幾重を畳みなしける
14 契り来し身はそれなれど同じ世のあらぬ筋にや思ひ果つらん
15 棹さして教へやすると言問ふも海松布はいさや海人の釣舟
16 吉野川妹背の山の中に見よ落ち初めてよりいつか絶えける
17 行末をいかに掛けまし思ふにも余りわりなき小夜の手枕
18 指して行く方をも花に忘れ来て道妨げの梅の下風
19 誘ふをも誰許せばか玉垂れの隙求めくる花の下風
20 思ひかけぬそれぞ契りを狩衣頼まぬものの忘れずもがな
21 織女に心を貸して眺むれば今日の夕べは憂き秋もなし
22 誰が方に夜の枕の雁の声名残も春の夢ばかりなる
23 暮れがたき夏の日わぶる宵々のその事となき夢もはかなし
24 折をりつれば身に染みかへる梅が香に我とはなしの手枕の袖
25 鳴神はただこの里の上ながら雲居はるかの夕立の空
26 吹かぬ間は招く袖とも誰か見し風ぞ尾花が姿なりける
27 枯れやらぬ片方もあれや草の原訪ふべき誰をしひて待つらん
28 世の中は言のみぞよきさしも草見ぬ面影は慕はずもがな
29 世の中に絶えて春風なくもあれな吹かでも花の香は匂ひけり
30 み熊野やいく夜を月に重ぬとも夏は程なき浦の浜木綿
31 急ぐより手に取るばかり匂ふかな枝に籠もれる花の面影
32 今日ならでなどか渡らぬ天の川人目包みも空にあらじを
33 白妙の月の砧や織女の手にも劣らぬ物と打つらん
34 思ふこと成りも成らずも行く末を知るとはなしの身をや尽くさん
35 光ある玉を導べに海松布刈る便りもがなや和歌の浦波
36 植ゑざらば吉野も春の名にはあらじ人の心を花の種かな
37 年はただ暮れう暮れうと言ひながら手に取るものは今日までもなし
38 時雨降る神無月とは僻ごとぞ神鳴り月と人は言ふなる
39 わが家の妹心あらば明月の光さしそふ盃もがな
40 何事も負をのみする身の上に持といふもののあるが怪しき
歌人略伝
略年譜
解説「実隆にとっての和歌とは何か」(豊田恵子)
読書案内
【付録エッセイ】実隆評伝「老晩年期」(抄)(伊藤敬)

著者プロフィール

豊田 恵子  (トヨダ ケイコ)  (

新潟県生。奈良女子大学大学院博士後期課程単位修得退学。現在 宮内庁書陵部図書課研究員。主要論文「歌題「けだもの」」(『鳥獣虫魚の文学史―日本古典の自然観〈1〉獣の巻』所収、三弥井書店、2011年)「「心あるあまのなどかなからん」考―三条西実隆による正徹の趣向摂取について」(叙説、2006年)

上記内容は本書刊行時のものです。