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源実朝 三木 麻子(著) - 笠間書院
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源実朝 (ミナモトノサネトモ)

文芸
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発行:笠間書院
四六判
124ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-305-70651-5   COPY
ISBN 13
9784305706515   COPY
ISBN 10h
4-305-70651-2   COPY
ISBN 10
4305706512   COPY
出版者記号
305   COPY
Cコード
C0092  
0:一般 0:単行本 92:日本文学詩歌
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年6月
書店発売日
登録日
2012年6月14日
最終更新日
2012年7月5日
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紹介

うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、源実朝です。

彼は、「自分の現実」にそっぽを向いて、
「ススんだ都会の文化」である和歌に生きがいを見いだすしかありませんでした。
「お飾りの将軍」だった彼は、それをしても許される立場にいて、
彼のまわりには、彼のことを理解してくれる人なんか一人もいなかったのです。
橋本 治

源実朝(みなもとのさねとも)
雪の夜、鶴岡八幡宮参拝のおりに甥の公暁(くぎょう)に暗殺され、二十八歳の若さで散った鎌倉幕府第三代将軍。肉親御家人を巻き込んで権力闘争を続けた北条氏に担がれて将軍職に就いた。それでも東国の王者として和歌の道を積極的に学び、定家を師と仰いで、家集『金槐集(きんかいしゅう)』を残した。『百人一首』にいう鎌倉右大臣である。唐船を造営し宋に渡ろうとしたが挫折、結局政争の犠牲となり、源氏三代の最後を迎えた「悲劇の人」の心を映す、知的な歌作りを明らかにする。

目次

01 けさ見れば山もかすみて久方の天の原より春は来にけり
02 この寝ぬる朝明の風にかをるなり軒端の梅の春の初花
03 みふゆつぎ春し来ぬれば青柳の葛城山に霞たなびく
04 ながめつつ思ふも悲し帰る雁行くらむ方の夕暮れの空
05 山風の桜吹きまく音すなり吉野の滝の岩もとどろに
06 山桜今はの頃の花の枝に夕べの雨の露ぞこぼるる
07 行きて見むと思ひしほどに散りにけりあやなの花や風立たぬまに
08 君ならで誰にか見せむわが宿の軒端ににほふ梅の初花
09 あしびきの山時鳥深山出でて夜ぶかき月の影に鳴くなり
10 萩の花暮れぐれまでもありつるが月出でて見るになきがはかなさ
11 海の原八重の潮路に飛ぶ雁の翼の波に秋風ぞ吹く
12 濡れて折る袖の月影ふけにけり籬の菊の花の上の露
13 雁鳴きて寒き朝明の露霜に矢野の神山色づきにけり
14 風寒み夜の更けゆけば妹が島形見の浦に千鳥鳴くなり
15 夕されば潮風寒し波間より見ゆる小島に雪は降りつつ
16 乳房吸ふまだいとけなき嬰児とともに泣きぬる年の暮れかな
17 はかなくて今宵明けなば行く年の思ひ出でもなき春にやあはなむ
18 もののふの矢並つくろふ籠手の上に霰たばしる那須の篠原
19 千々の春万の秋にながらへて月と花とを君ぞみるべき
20 黒木もて君がつくれる宿なれば万代経とも古りずもありなむ
21 宿にある桜の花は咲きにけり千歳の春も常かくし見む
22 ちはやぶる伊豆の御山の玉椿八百万代も色は変はらじ
23 宮柱ふとしき立てて万代に今ぞ栄えむ鎌倉の里
24 うき波の雄島の海人の濡れ衣濡るとな言ひそ朽ちは果つとも
25 小笹原おく露寒み秋されば松虫の音になかぬ夜ぞなき
26 来むとしも頼めぬ上の空にだに秋風ふけば雁は来にけり
27 草深みさしも荒れたる宿なるを露を形見に尋ね来しかな
28 涙こそ行方も知らね三輪の崎佐野の渡りの雨の夕暮れ
29 旅寝する伊勢の浜荻露ながら結ぶ枕に宿る月影
30 住の江の岸の松ふく秋風を頼めて波のよるを待ちける
31 沖つ波八十島かけて住む千鳥心ひとつといかが頼まむ
32 恋しとも思はで言はば久方の天照る神も空に知るらむ
33 世の中は常にもがもな渚こぐ海人の小舟の綱手かなしも
34 物いはぬ四方の獣すらだにもあはれなるかなや親の子を思ふ
35 いとほしや見るに涙も止まらず親もなき子の母を尋ぬる
36 炎のみ虚空にみてる阿鼻地獄行方もなしと言ふもはかなし
37 塔をくみ堂をつくるも人の嘆き懺悔にまさる功徳やはある
38 時により過ぐれば民の嘆きなり八大龍王雨やめたまへ
39 うば玉や闇の暗きに天雲の八重雲がくれ雁ぞ鳴くなる
40 紅の千入のまふり山の端に日の入るときの空にぞありける
41 玉くしげ箱根のみ湖けけれあれや二国かけて中にたゆたふ
42 箱根路をわれ越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄る見ゆ
43 空や海うみやそらともえぞ分かぬ霞も波も立ち満ちにつつ
44 大海の磯もとどろに寄する波われてくだけてさけてちるかも
45 君が代になほ永らへて月清み秋のみ空の影を待たなむ
46 山は裂け海はあせなむ世なりとも君に二心わがあらめやも
47 出でて去なば主なき宿となりぬとも軒端の梅よ春を忘るな
歌人略伝
略年譜
解説「源実朝の和歌」(三木麻子)
読書案内
【付録エッセイ】古典は生きている(橋本治)

著者プロフィール

三木 麻子  (ミキ アサコ)  (

1955年兵庫県生。大阪女子大学大学院修士課程・関西大学大学院博士後期課程修了。現在 夙川学院短期大学准教授。
主要著書『八雲御抄の研究』(共著・和泉書院)『海人手子良集 本院侍従集 義孝集 新注』(共著・青簡舎)「『八雲御抄』と『源氏物語』」(『源氏物語の展望』第四輯・三弥井書店)

上記内容は本書刊行時のものです。