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『紫式部集』歌の場と表現
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年9月
- 書店発売日
- 2012年10月3日
- 登録日
- 2012年8月30日
- 最終更新日
- 2013年11月21日
紹介
『紫式部集』を伝記研究から解放し、
自立した作品として捉える試み。
特定の場において詠じられる歌は、個人的な感情とは別に、儀礼性に即した表現形式を必然とするが、歌集という統一性のある作品となる際、歌人の記憶や感慨において意味付けられ、再び選択・配列される。新たな原理に基づき編纂されたという視点から『紫式部集』を読み直す。
目次
まえがき
第一章 『紫式部集』歌の場と表現
第一節 『紫式部集』冒頭歌考--歌の場と表現形式を視点として--
はじめに
一 冒頭歌をめぐる研究史
二 離別歌の表現形式
三 類歌の検討
四 対照軸としての哀傷歌
五 対照軸としての釈教歌
まとめにかえて
第二節 『紫式部集』歌の場と表現--いわゆる宮仕期の歌の解釈について--
はじめに
一 見えない女房の姿
二 『紫式部集』における「殿」と「私」
三 宴席に残された歌
四 捨てられた歌
五 技巧の歌と歌の技巧
おわりに --宮仕期の歌の特質--
第三節 『紫式部集』における女房の役割と歌の表現
はじめに
一 隠れた私
二 異伝の中の歌
まとめにかえて--代作としての歌--
第二章 『紫式部集』の表現
第一節 紫式部の表現--宣孝の死をめぐって--
はじめに
一 「消えぬ間の身をも知る/\」の論理
二 死--喪失と季節--
三 物語を動かす力と死の翳り
四 和歌の贈答という方法
まとめにかえて
第二節 『紫式部集』の地名--旅中詠考--
はじめに
一 言葉の遊戯性への関心--「知りぬらん」の歌--
二 歌を喚起する地名--「老津島」の歌--
三 名に対する親近感--「見し人の」の歌--
四 即境性としての地名--「難波潟」「三尾の海に」の歌--
五 歌における地名の有無
まとめにかえて--言葉としての地名--
第三節 『紫式部集』「数ならぬ心」考
はじめに
一 五五番歌と初句「かずならぬ心」の解釈
二 『源氏物語』における「身」と「心」
三 「心」の意義
四 『源氏物語』における転換と『紫式部集』「数ならぬ心」の意義
まとめにかえて
第三章 『紫式部集』和歌の配列と編纂
第一節 『紫式部集』における和歌の配列と編纂--冒頭歌と末尾歌との照応をめぐって--
はじめに
一 勅撰集の公と私家集の私
二 勅撰集の部立と詞書
三 『紫式部集』冒頭歌の意義
四 『紫式部集』二番歌の意味
五 『紫式部集』三番歌の解釈と和歌の配列
六 流布本系本文と古本系本文における和歌の配列と異同
七 古本系の末尾歌の解釈
八 流布本系の末尾歌の解釈
九 流布本系伝本の一代記的構成
第二節 『紫式部集』離別歌としての冒頭歌と二番歌
はじめに
一 離別歌の禁忌--「言忌み」と忌詞--
二 忌詞としての「雲隠れ」
三 離別歌としての二番歌
四 『源氏物語』における離別歌群
まとめにかえて
第三節 話型としての『紫式部集』
はじめに--清水好子『紫式部』を手がかりに--
一 『紫式部集』分析の方法
二 類型という視点
三 一代記という話型
四 『紫式部集』の歌群配列
五 「身」と「心」との対立
六 『源氏物語』における「身」と「心」
七 話型としての『紫式部集』
第四章 『紫式部集』の研究史
一 陽明文庫本の性格
二 『紫式部集』の研究史
三 歌集としての内容的特質
四 南波浩氏の『紫式部集』研究をめぐって
五 『紫式部集』研究の現在
まとめにかえて
付論 『紫式部日記』の構成と叙述
はじめに
一 『紫式部日記』の構成
二 日記の構成と配置
三 『紫式部日記』成立をめぐる問題
まとめにかえて
付論 『源氏物語』「独詠歌」考
はじめに
一 『源氏物語』における「独詠歌」
二 『源氏物語』独詠歌の研究史
三 『小右記』道長の詠歌と和すこと
四 『源氏物語』における呼びかけ、問いかけとしての「ひとりごつ」
まとめにかえて--独詠歌とは何か--
初出文献一覧
あとがき
索引[人名・書名]
上記内容は本書刊行時のものです。