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催馬楽研究
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2011年7月
- 書店発売日
- 2011年7月20日
- 登録日
- 2011年6月20日
- 最終更新日
- 2014年6月18日
紹介
古代歌謡の輪郭を明らかにするために。初めて編まれた、論考と基礎資料。
謡い物であった、古代歌謡催馬楽。
その出自は各々に異なっているが、民間に流布していたものが宮廷に入り、雅楽曲に合わせられていくという経緯をもつ。「謡い物」であるため、多くの人の口の端にのぼるという、本質的に流動的な歌謡であった。
流動的であるがゆえに、その全容も捉えにくいものであったが、本書はそんな催馬楽を理解するための基礎資料を集め、考え方を整理したものである。
[特色]
○現在伝わる、律(25曲)、呂(36曲)について、16の諸本から歌詞を一同に集め、対照できるようにした「催馬楽各歌対照表」を収録。
○見過ごされてきた資料、伴信友『神樂催馬樂私論』、平高潔(小野高潔)『催馬樂略註』、紀三冬『佐伊婆良註解』の翻刻掲載。千秋季隆『催馬樂歌評釋』を復刻。
「江戸時代以降現在にいたる少なからぬ研究書があるが、その多くを入手する過程において、従来一般に知られている注釈書および研究には、不備もしくは欠落があることに気付かざるを得ない。
1依拠する楽譜についての吟味が不十分であること。
2通行注釈書・テキストの在り方における不備についての認識不足。
3歌詞およびその異同についての検討不足。
4催馬楽のもつ長年の変化と多様を把握可能とする総合的研究の不足。
5研究上必要な資料の見落とし。
6先行研究の受容と批判不足。
この状況は、いうまでもなく従来の研究がなすべき基礎的作業を施してこなかったことに起因する。それが催馬楽研究の展望をとざしてきた面を持つ。それらについては、本書所収の各論において、本書なりの現状認識を示し、そうした認識の妥当性如何を世に問う。その基盤を整えることにより、あらためて歌のもつ創意や、これを生み出す人の心理や、歌を取り巻く世界を理解する試みに向かうことが安定を導くと考える。」・・・「本書の概要と意図」より
目次
序 本書の概要と意図
第一部■論考編
・催馬楽考説--基礎編 催馬楽の質--(藤原茂樹)
・歌の国々--万葉集歌と催馬楽と--(藤原茂樹)
・催馬楽譜の内と外
--鍋島家本『催馬楽』考および
催馬楽の基盤研究における
歌詞の異同の取り扱いについて--(藤原茂樹)
・和琴と催馬楽と
--御遊における源藤家流および広井女王--(藤原茂樹)
・催馬楽注釈史誌(森 陽香)
第二部■催馬楽各歌対照表
・律(25曲)
・呂(36曲)
第三部■翻刻・復刻編
--江戸期・明治期の催馬楽論および注釈書
・伴信友『神樂催馬樂私論』(九州大学附属図書館蔵)翻刻
○付考 伴信友『神樂催馬樂私論』
『神樂催馬樂私論草稿』のこと(藤原茂樹)
・平高潔(小野高潔)『催馬樂略註』
(東北大学附属図書館狩野文庫蔵)翻刻
・紀三冬『佐伊婆良註解』(九州大学附属図書館蔵)翻刻
・千秋季隆『催馬樂歌評釋』復刻
催馬楽研究文献目録(稲石陽平)
上記内容は本書刊行時のものです。