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なぜ和歌を詠むのか
菅江真澄の旅と地誌
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2011年3月
- 書店発売日
- 2011年3月18日
- 登録日
- 2011年1月18日
- 最終更新日
- 2011年9月15日
書評掲載情報
2011-12-25 |
東京新聞/中日新聞
評者: 原田信男(国士舘大学教授・日本生活文化史) |
2011-12-25 |
日本経済新聞
評者: 井上章一(風俗史家) |
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紹介
和歌とは、いかなるものか--。
人は何を和歌に託し、
和歌は何を秘めて続いてきたのだろうか。
本書は江戸後期、信越・東北・北海道などを歩き数多くの旅日記や地誌を記した菅江真澄の「和歌」「地誌」に注目する。
秋田藩主はなぜ、菅江真澄に、名所探し・名所作りを命じたのか?
それは真澄が「和歌」の役割を十分に理解していたから託すことが出来たのではないか。とすれば、その役割とは何なのか。
菅江真澄から、日本全土を覆い尽くしてきた、「和歌」が見えてくる。
本書はそれだけ根源的な問いを投げかける。日本人にとって、和歌とは何か、と。
目次
Ⅰ 新しい眼で真澄を捉える
国文学の姿
菅江真澄の旅日記--虚構性
和歌の機能
真澄の方法
真澄の地誌--〈逸脱〉と〈過剰〉
〈日本論〉としての国文学へ
Ⅱ 真澄の旅--なくてはならない和歌
第一章 和歌の帝国
和歌の力--場面転換
古典和歌の想起
和歌の帝国
真澄の和歌
第二章 旅と風土
真冬の北国へ
古歌をふまえて歌を詠む
遊女のこと
古歌を思い浮かべて
和歌の力
第三章 和歌を引けば本当の真澄か
故郷を背にして
旅日記と地誌
異邦人だから記す
和歌を削除した現代語訳
真澄の〈語り〉
「清水」へのこだわり
Ⅲ なぜ地誌を書いたか--藩主とのかかわり
第一章 旅日記から地誌へ
さすらう人々への関心
和歌を詠み歩く探訪記
旅日記から地誌へ
「真澄の考証、他国の見聞」
〈逸脱〉〈過剰〉〈愉楽〉
藩主のために
第二章 モノガタリの位置
旅の始まり
柳田國男の真澄観
資料(史料)の区別
『前々太平記』の手法
『雪の出羽路』の構成
〈歴史〉叙述の方法
藩主の意向
第三章 和歌を詠みながら巡覧する藩主
文芸的観点
「常民」のための記録か
「書記(フミ)」と「モノガタリ」
秋田藩における〈歴史〉の再構築
真澄以前の〈歴史〉認識
「清水」から書き始める地誌
秋田藩主の領内巡覧(鷹狩)
和歌を詠みながら巡覧する
Ⅳ 地誌を生みだす和歌
第一章 藩主の地名変更--歌枕・名所へ
旅日記と地誌の違い
地誌を書き始めた時期
和歌・漢詩に詠める地名へ
名所を見立てて報告せよ
「妻恋山」と「琴の海」
藩主の文化意志
第二章 藩主の和歌観--和歌と歴史と神社
『奥羽観蹟聞老志』(仙台藩)と「出羽旧記」(秋田藩)
藩士の紀行に見る和歌と歴史(秋田藩)
茂木知亮の歌論
藩主の《領内名所和歌集》編纂と和歌観(仙台藩・津軽藩)
和歌の〈歴史性〉〈領土性〉〈万民性〉
仙台藩主の和歌観
和歌の神は子孫繁栄の神
和歌に包まれた日本
第三章 真澄を求めて--まとめ
柳田・内田の定説を疑う
名所の見立て
秋田藩主の名所づくり
和歌にも漢詩にも詠める地名
歌枕・名所の意義
おわりに
補注
初出誌一覧
上記内容は本書刊行時のものです。