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季刊ロゼッタストーン第19号
命が与えてくれたもの
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2004年10月
- 書店発売日
- 2004年10月9日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
紹介
次々に起こる悲惨な事件、昨年の自殺者数は3万4000人を超え過去最悪……、最近の日本人は、なんだか「命」を粗末にしているような気がしませんか? 今回は、「命」という重いテーマに、正面から取り組んでみました。愛する人を亡くした人、命の危機をくぐりぬけた人、がんと一緒に生きている人、過去に自殺未遂の経験がある人…など、「命」と真剣に向き合ってきた人たちの話は、自分にとって本当に大切なものは何なのかを思い出させてくれます。
■田原総一朗(ジャーナリスト)
愛する奥様、節子さんが8月に乳がんで亡くなりました。以前、「女房が死んだら自分もあとを追う」とまで公言していた田原氏ですが、いまは、節子さんが残した宿題に取り組んでいます。
■高遠菜穂子(ボランティア)
イラクで人質になり、生きるか死ぬかのギリギリの経験をした高遠さん。一時は、心の傷が深く、外出もできない状態でしたが、いまは再びイラク支援活動を始めています。
■絵門ゆう子(エッセイスト・産業カウンセラー)
絵門さんは、「がんになって、いくつか山を乗り越えて、いまは最高に充実した日々」と言います。実際、全身にがんが転移しているとは思えないほど、明るい笑顔でした。
■加藤浩美(『たったひとつのたからもの』著者)
お父さんが小さな男の子を抱きしめているCMが感動を呼びました。息子・秋雪君は、病気のために6歳で短い生涯を終えましたが、家族にとってはとても幸せな6年間だったそうです。
■河野義行(松本サリン事件被害者)
松本サリン事件の後遺症で、奥様の澄子さんはいまも寝たきり状態。河野さんは「妻は家族の支え。ただ生きていてくれるだけでいい」と言います。
■藤井輝明(熊本大学医学部教授)
藤井教授の顔は、「海綿状血管腫」という病気で赤く膨れ上がっています。子ども時代は「バケモノ」といじめられていたとか。しかし、常に前向きに自分の人生を切り開いてきました。
■雨宮処凛(作家)
子ども時代、いじめられっ子だった雨宮さんは、10代の頃からリストカットを繰り返していました。その後、イラクに行ったり、北朝鮮に行ったり、スケールの大きな「自分探し」を続けています。
■「人は病気から何を学ぶのか?」
ーー『電池が切れるまで』の仲間のその後…ーー
長野県立こども病院に入院していた子どもたちの詩や作文を集めた文集『電池が切れるまで』は、ベストセラーとなり、ドラマ化もされました。今回は、かつてこども病院に入院していた藤本一宇君(脳腫瘍を克服)と、盛田大介君(白血病を克服)に取材。2人とも現在大学生で、藤本君は学校の先生、盛田君は医者をめざして勉強しています。
■大人のための「いのちの授業」
金森俊朗先生(現在、金沢市立西南部小学校教諭)は、日本で初めて「デス・エデュケーション」(死の教育)を実施したことでも知られる、「いのちの教育」の第一人者。今回は、金森先生の「命の授業」のエッセンスを公開。
■外国在住の日本人女性が見た世界各国最新情報
現地で効果をあげている「心の教育」
日本人女性が見た、各国の「心の教育」を紹介。例えば、イギリスでは、子ども同士のマッサージでいじめが減り、学力が向上したそうです。
■危ないの?危なくないの?ニッポンの食品大解剖
今年7月末、「イギリスの食品企画庁が『日本産のヒジキはヒ素含有量が多い』として、英国民に食べないように勧告した」というニュースが流れました。聞けば、お米にも、魚にも重金属が含まれているのだとか。日本の食品は大丈夫なのでしょうか。
その他のインタビューや、いつもの連載も、もちろん充実しています。今回の号は、とくに、教育に関心のある人たちに、ぜひ読んでほしい内容です。
目次
大特集 「命」が与えてくれたもの
■INTERVIEW
●最愛の妻と8月に死別
田原総一朗(ジャーナリスト) 6
●日本人イラク人質事件から半年
高遠菜穂子(ボランティア) 10
●誰よりも元気ながん患者
絵門ゆう子(エッセイスト・産業カウンセラー) 14
●息子・秋雪君を撮った写真が全国に感動を呼んだ
加藤浩美(『たったひとつのたからもの』著者) 18
●サリン被害で妻が寝たきりになって10年
河野義行(松本サリン事件被害者) 22
●見つめられる運命の顔
藤井輝明(熊本大学医学部保健学科看護学専攻教授) 26
●右翼、北朝鮮、イラク…さまよった末に得たものは?
雨宮処凛(作家) 30
●『電池が切れるまで』の仲間のその後……
「人は病気から何を学ぶのか?」 34
●身近な青年の自殺を機に自殺防止活動を開始
西原由記子
(東京自殺防止センター所長) 38
●火事、事故…常に命の危険と隣り合わせ
「消防士」 41
■未来総理INTERVIEW
「いのちを守る政策」 44
荒木清寛(参議院議員・公明党)
桜井 充(参議院議員・民主党)
小池 晃(参議院議員・共産党)
■「大人のためのいのちの授業」
金森俊朗(金沢市立西南部小学校教諭) 54
■特集
危ないの?危なくないの?
ニッポンの食品大解剖 76
■海外在住の日本人女性が見た世界各国最新情報
現地で効果をあげている「心の教育」 58
◎特別エッセイ
「父の生前葬」 小池百合 50
「失語症の父の話」 走辺寿美子 52
◎フォトエッセイ
「ある晴れた昼下がりに」 浅田悠樹 82
「命は自分一人だけのものではない」 松美里瑛子 98
◇注目の連載企画
●オクモト陽典の“不運から風雲”
「生まれたばかりの小さな命でさえ
本能的に生きる術を身につけている」 64
●アマチュア編集長シリーズ「私の生きがい」 66
●キャラメルボックス・プロデューサー、加藤昌史の“嫌われ者のすすめ”
世界中のどんな国の人でも参加できる
「国際演劇オリンピック」を開催しよう!! 74
●イケメン花ムコ料理講座
第7回「きのこの炊き込みご飯」 86
●逆転人生相談――マダム・ウマ子のアドバイス付――
「子供がほしくない私は人間失格ですか?」 102
■大好評連載
●話のネタ袋「ピンからキリまで…『命』のお値段」 62
●特派員クラブの窓から(渡辺晴子)
森 英恵 さん感謝晩餐会-引退直前に制服寄贈ー 83
●にしかわたくの「でんぐり映画館」(華氏911) 84
●越前君の“あなたが陪審員”
「友人の患者を『安楽死』させてしまった医師の罪は?」 88
●気になる食品「徹底比較しま専科」(ヨーグルト) 90
●職業裏辞典「電車運転士」 92
●ホッカホカ科学(人工臓器) 94
●ショートショートストーリー「一粒の毒薬」(大崎知仁) 96
●本間正人の“21世紀の学習学”
「生命は学ぶ。学ぶために生きる」 99
●世代別ミニ世論「命」大アンケート 100
●ベラ西原の体験エッセイ「努力する女」 104
●読者のページ「私にとって“命”とは?」 105
●保存版・「ニュースのおさらい」(2004年6月~8月) 106
●マザー夏目の気学占い 109
●ロゼッタストーンINFORMATION 1 112
●ロゼッタスト-ンINFORMATION 2 114
前書きなど
「やっぱり一人では生きられない」
毎日流れる殺人事件やテロのニュース……。
なかでも、小学生による同級生殺人事件は、本当に衝撃でした。
昨年1年間の日本の自殺者数は、史上最悪の3万4427人です。
毎日、毎日、100人近くの人が自分で命を絶っているのです。
自殺には至らなくても、高校生のなかには、
「リストカット」(自分の腕を切りつける自傷行為)をする人が増えているといいます。
なぜ、日本では「命」がこんなに粗末に扱われるようになってしまったのか。
今回は、「命」に真剣に向き合ってきた方々にお話をうかがいました。
普通の人以上に、悲しいこと、辛いこと、大変なことに直面してきた人たちは
毎日をとても大切に生きています。
他人の命に対しても、かけがえのないものだという思いが強いようです。
また、自分をまるごと受け止めてくれる存在がどんなに大切なことなのか、
取材を通じて痛感しました。
たったひとりでも、自分をわかってくれる人がいれば
人間は生きることを諦めないですむようです。
「人が人を理解すること」が
「命を大事にすること」につながるのかもしれない……、
なんだか、そんな気がしてきました。
ロゼッタストーン代表 弘中百合子
版元から一言
「命」について考えるという意味で、今回は最高の人選ができたと思っています。小さな出版社なので、この雑誌を大々的に宣伝できないのが残念でなりません。学校の先生、お子様がいる方、教育に関心のある方、いま現在、生きづらさを感じている方……など、絶対に読んでほしい1冊です。
上記内容は本書刊行時のものです。