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非暴力非まじめ 櫻井 淳司(著) - ウネリウネラ
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非暴力非まじめ (ヒボウリョクヒマジメ) 巻次:vol.1 包んで問わぬあたたかさ (ツツンデトワヌアタタカサ)

哲学・宗教
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四六判
192ページ
並製
価格 1,100円+税
ISBN
978-4-9911746-1-2   COPY
ISBN 13
9784991174612   COPY
ISBN 10h
4-9911746-1-9   COPY
ISBN 10
4991174619   COPY
出版者記号
9911746   COPY
Cコード
C0016  
0:一般 0:単行本 16:キリスト教
出版社在庫情報
在庫あり
書店発売日
登録日
2021年12月17日
最終更新日
2022年5月21日
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紹介

 女子学院創設の祖・櫻井ちかの曾孫で、どの教会にも属さないフリー牧師の著者・櫻井淳司が、生涯「非暴力」にこだわり続けるのは何故か――。彼が歩んできた80年余の人生の道のりとともにその理由を説く。

 著者は1978年、福島県石川町で小学校の廃校舎を借り、「ただの人」をめざす全寮制私塾(無学校)「インターナショナルニューライフカレッジ」を創設した。
 この全寮制私塾は、公的機関からの補助金など一切ない、完全に独立、自由な存在としてはじまった。「学歴信仰」「学校信仰」が支配する時代の中で、あえて、その支配からの自由を求めることをめざしたのだった。だが、この学園の活動途上で直面した「暴力」の嵐こそ、著者が「非暴力」にこだわる最大の要因となっていった。

(以下本文より)
 私は自分のことを決して暴力的な人間だと思っていなかった。ところが(中略)教育事業の経営者、塾長という立場になった時、無自覚的に管理者として、支配者としての精神的暴力をふるっていたことに気づかされるに至った。
 ある教育雑誌の記者が取材にきた時、塾生に「塾長ってどんな人?」とインタビューした。塾生たちの回答は「独裁者」「デスラー」「ワンマン」などだった。自分が相当な暴君になっていたことを率直に知らされ、たじろいだ。
 自分の創設した塾の価値を高めるために、教育の成果として立派な人間を輩出することを目指していたのである。そのために看板の肩書に「人間形成私塾」とつけたりしていた。それは、陶器師が泥をこねて自在に器を形成するごとくに、人間を形成できるとの思い上がりであった。

目次

まえがき
目次

第一部 非暴力とは
 第一章 人生から学んだ非暴力 
      逆説的真理の道
      家庭内暴力
      ⅮⅤを防ぐ非暴力対応とは
      私は「独裁者」だった
      学園に吹き荒れた暴力の嵐
      生命を脅かす間接的暴力
      自転車事故の真相
      事故が問いかけたもの
      仏をつくって魂入れず
      「包んで問わぬあたたかさ」を指導理念に

 第二章 非暴力非まじめのエッセンス
      非暴力は「無力」ではない 
      非暴力は「総合力」
      非暴力的生の出発点
      柔道における非暴力精神
      非暴力は「抗する力」
      「世界の宝」を救う非暴力
      「非まじめ」について
      非まじめ思考
      丸太とおがくず
      包んで問わないあたたかさ
      被包感
      クリスマス

 第三章 実践・非暴力
      ライフスタイルとしての非暴力を  
      わたしの非暴力トレーニング
      コンセンサスメソッド
      寿司を握る

 第四章 生への畏敬
      死刑制度について
      無実の死刑囚の存在
      無差別殺人について
      ある日の朝会で
      障碍について
      問題児=イエス

 「いのちの和泉村」子ども自然体験塾

第二部 非暴力説教集
     「原祝福」を享受する生き方へ
      平和創造の道を歩もう
      カインに注がれた愛の配慮
      太っ腹の神と共に生きる
      大いなる「しかし」―失望・落胆してもよいのです
      敵であっても大事にしろ
      敵も味方もなく魂の平安を祈る
       戦わずに黙々と和睦を引き寄せる―非暴力平和の先駆者イサク
      不服従―自分を縛るものを捨てる
      立ち帰って、生きよ

あとがき

前書きなど

 「非暴力」は私にとって人生最大のテーマである。なぜ私が非暴力にこだわり続けているのか、これまで歩んできた道のりを紹介しながら記したい。

 私は1978年、福島県石川町で小学校の廃校舎を借り、「ただの人」をめざす全寮制私塾(無学校)、インターナショナルニューライフカレッジを創設した。
(中略)
 創立当初、私は教育の課題・目標に「非暴力」を掲げていなかった。開校から二年間は順調に塾生も増え、順風満帆の航海であった。ところが、三年目から異変が起こった。生徒たちのあいだで暴力の嵐が吹き荒れ、私自身がターゲットになり九死に一生を得たこともあった。
(中略)
 私の間違いの出発点は、塾生をしつけの対象と見て、私の理想的人間像を押しつけていたことであった。何より一人の人間として対応して、何かをさせようとする時は必ず本人の意志を確かめることを忘れてはならないのである。「これからこういうことをしたいと計画していますが、あなたはやりたいですか?」と問い、もし「やりたくない」と応答があれば納得いくまでその必要性を説明し、それでも「NO」と言うならば強制はしない。手助けする時も、「手伝おうか」と聞く。相手が「自分でやる」と答えたら、時間がかかっても一人でやりぬいてもらう。まじめ過ぎない、ゆとりのある間合いをつくる「非まじめ」対応。これをすることで押しつけ的、暴力的な支配に陥ることを避けることができる。私は学園での暴力の嵐を経験し、このことをようやく学びはじめた。

 こうして私の指導理念になったのが、本書のサブタイトルにも採用した「包んで問わぬあたたかさ」であった。

版元から一言

 「非暴力」という言葉を聞くと、多くの人が思い浮かべるのはマハトマ・ガンディーやマーティン・ルーサー・キングの姿ではないでしょうか。苛烈な差別や迫害に対して、武力を用いず、毅然とした態度で闘い、壮絶な死を遂げる――。そんな高貴な姿を思い浮かべると、「わたしには無理です」と思ってしまいそうです。
ところが本書の著者、櫻井淳司さんの語る「非暴力」は少し違います。

“世界には、戦争や差別、貧困などの「暴力」があふれている。そのことを念頭に置き ながらも、しかし私は、これらの政治的、構造的暴力に立ち向かう前に、まずは日常的にありふれた人間関係の中で、「非暴力的な自分」となることを目指す。”
  
 櫻井さんはガンディーやキングの思想を踏襲しつつ、一人ひとりが非暴力的な生き方をすることの大切さを説きます。巨大な「暴力」「悪」よりも、「まずは自分から」です。

 でも、そう言っている櫻井さん自身、聖人君子ではありません。気は短いし、学園の生徒たちから「独裁者」「デスラー総統」と呼ばれていたこともありました。80歳を過ぎた今も、彼自身が手探りで、非暴力的な生き方を目指している状態です。

 そう思うと、なんだか自分たちにもできそうな気がしてきます。
 失敗ばかりでいい。もともと100点は取れない。でも、昨日よりも少しだけ「非暴力的に生きよう」。櫻井さんの文章を読むと、そう思えてきます。肩ひじ張らない、背伸びしない、「ふだん着の非暴力」をぜひ、お試しください。

著者プロフィール

櫻井 淳司  (サクライ ジュンジ)  (

1940年神戸生まれ東京育ち。東京神学大学大学院修士修了。福島県石川町在住。特定の教会に所属しない「フリー牧師」。「無学校主義」を掲げ全寮制私塾「インターナショナルニューライフカレッジ」を設立(1978年)。非暴力トレーニング・ピースセンター「いのちの和泉村」代表。女子学院中学校・高等学校の前身「櫻井女子英学塾」を設立した櫻井ちかの曾孫。

上記内容は本書刊行時のものです。