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a:9:{s:12:"shoshi_title";s:25:"台湾二二八の真実 ";s:11:"shoshi_isbn";s:17:"978-4-944235-28-5";s:16:"shoshi_publisher";N;s:11:"description";s:243:"1947年、死者2万人以上という台湾二二八事件で、新聞社社長の父が拉致されて消えた。その娘・阮美朱が父の失踪と壮大な事件の真相を追う戦後史の衝撃のドキュメントである。 ";s:6:"author";s:21:"阮 美朱(著/文)";s:10:"publishers";s:15:"まどか出版";s:9:"publisher";N;s:9:"productor";s:15:"まどか出版";s:12:"release_date";i:1138892400;}

台湾二二八の真実 消えた父を探して
孤寂煎熬四十五年

阮 美朱(著)
発行:まどか出版

四六判   256頁  上製
定価 2,000円+税

ISBN 978-4-944235-28-5   C0022
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2006年2月
書店発売日 2006年2月3日

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紹介

娘は、消えた父の行方を追った…。
1947年、死者2万人以上を出したという台湾の「二二八事件」のさなか、新聞「台湾新生報」総経理(社長)の阮朝日が5人の男に拉致され、そして虐殺された。
その娘・阮美朱は父の失踪、そして謎めいた壮大な事件の真相を追う。
本書は——日本の戦後とも通底する台湾・戦後史の迫真のドキュメントである。

目次

序 李登輝(台湾・前総統)
日本語版への自序

一、父・阮朝日と私たち
 その日、父は捕らわれた
 父の道 遊学から実業家へ
 父母の結婚
 台北の新居
 我が家は本当に素晴らしい
 父母の教育方針
 芸術家としての父
 父の日記
 台湾新生報
 父の自動車事業
 手放さなかった彰化銀行株券
 父の編纂した北京語辞典
 台湾籍の日本兵看護記
 私の結婚

二、父のいない長い日々
 父の捜索
 ピアノの音と涙の痕
 孤募悲歌
 「お父さんに一目でも会いたい」
 財産は奪われた
 地方での悪性
 妹・美娃の誓い

三、血の涙で歴史を記す
 歴史の暗闇で夜明けを待つ
 日本で父の足跡を尋ねる
 異国で父を想う
 二二八交響曲
 李登輝時代
 統治者の文型
 父の葬儀
 天安門前の二二八
 中国への旅
 悲情城市
 泣き虫
 南港橋の冤魂

四、タブーの四十年
 タブーに踏み出す
 タブーよ、さようなら
 二二八記念館の設立
 父の「死亡」宣告
 二二八事件叛乱首謀者
 暗い夜の泣き声

エピローグ

前書きなど

◎本文抜粋
 2月27日の夜、私たち二人は中山堂へ映画を観に行った。映画は、大戦さなかのフランス領モロッコを舞台とした、あの『カサブランカ』だった。
 結婚したばかりの私と夫が並んで、この映画を観ている時間——『カサブランカ』に出た来るハンフリー・ボガードとイングリッド・バーグマンに見とれているとき、台北の街ではたいへんなことが起きていた。

 当時、台湾ではヤミ煙草が出回っていた。煙草と酒の専売局は、その対策にやっきになっていた。
 その日も、ヤミ煙草の売人たちがいるとの通報を受けて、専売局の調査官六名が出動した。調査官とはいっても、銃を携帯した鋭い眼光のたくましい男たちである。
 彼ら調査官が向かった先は、台北市内の南京西路にある喫茶店・天馬茶房付近であった。延平北路との交差点に近いあたりである。が、彼らが現場に着いたときには、売人たちの姿はすでになく、逃げ遅れたようなかっこうで、煙草売りの女性が一人いたのみだった。林江邁という名の四十歳になる女性で、夫に先立たれ生計のためにヤミ煙草を売っていたのだ。
 調査官らは、林江邁が持っていた煙草と現金をすべて没収しようとした。煙草には、ヤミのものだけでなく、専売局の正規のものもあったというのに。
 林江邁は必死の思いで訴えた。
「そんな! 没収なんてされたら生活できません。お金は全部あげますから、専売局の煙草は返してください。お願いです!」
 林江邁は調査官の一人にしがみついている。そんなやりとりの周りを、いつしか大勢が取り囲んでいた。先にも述べた怨念を胸にした民衆が集まってきたのだ。
 林江邁は取り合ってくれない調査官にますます強くしがみつく。
「おい、煙草を返してやれよ」
「何してるんだ、おい!」
 人びとが調査官に向かって、怒りをこめて叫ぶ。
 と、調査官は力づくで彼女を引き剥がそうとし、ままならぬとなると、持っていた銃で彼女の頭を殴りつけた。その頭から、鮮血が飛び出した。

版元から一言

◎ここがポイント
1.台湾二二八事件の真相を知ることは、台湾と中国との関係のみならず、今日の日本をとりまく国際環境を深く理解することにつながる。
2.著者が長年にわたって行ってきた事件の調査に関しては、台湾内での評価も高く、調査の信憑性も高い。著者がそうした二二八事件のエキスパートであるからこそ、李登輝前総統も序文を寄せたのである。
3.本文は、著者の経験に沿って記され、また、原著『孤寂煎熬四十五年』を日本人に向けて再編集して翻訳出版しており、事件の真相を、感覚的にも、論理的にもわかりやすいくふうがなされている。

◎こんな人にお薦め
・日本をめぐる国際環境に関心がある人。
・台湾および中国など、アジアに関心がある人。
・近・現代史に関心がある人。

著者プロフィール

阮 美朱(ゲン ミス)

1928年、台湾屏東県生まれ。台北州立第三高等女学校を卒業。1947年、結婚後ほどなく二二八事件で父・阮朝日氏が拉致される。その後、音楽講師、ドライフラワーの講師などの一方、二二八事件および阮朝日氏に関係する資料の収集や事件の真相究明に努める。2002年、故郷に「阮朝日二二八記念館」を設立。二二八事件の真実を歴史にとどめるため、また広く知らせるため、テレビ、ラジオ、新聞、講演などを通じて発言している。講演は台湾ばかりでなく、日本やアメリカ、カナダでも行っている。二二八事件に関連した著書としては、『孤寂煎熬四十五年』『幽暗角落的泣声』などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。