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取引情報
わたしとあなたと、黒い犬
原書: LIVING WITH A BLACK DOG
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 2010年1月
- 書店発売日
- 2010年1月15日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年2月16日
紹介
大切な人がうつになってしまったら、あなたはどうしますか?
黒い犬(=うつ病)とのつき合い方を描いた『ぼくのなかの黒い犬』につづく第二弾。
家族や友人・恋人が、共倒れせずにサポートしていくにはどうすればよいか――
うつ病患者を上手にケアするためのヒントが満載!
「さまざまなタイプのうつ病が増え、患者家族の負担や苦しみも大きくなっています。
しかし、周囲のちょっとした態度が患者の回復に大きな影響を与えるのです。
家族や周囲はどのようにサポートしていけばよいか……
うつ病を「黒い犬」に外在化し、その対処法をわかりやすく描いた本書を活用して、
みんなが幸せになる道を見つけてください。」
(精神科医 増野 肇先生)
目次
- 黒い犬の影はこんなところに
- そのひとこと、大丈夫?
- こんな思いやりは大歓迎
- わたしとあなたと、黒い犬
- 黒い犬に手をかまれないために
前書きなど
「ぼくはうつ病なんだ」
初めて夫にそう打ち明けられたとき、わたしはどうしていいかわかりませんでした。けれど、夫のことをとても愛していましたし、自分たちの未来は明るいと信じていましたから、とにかくふたりで力を合わせれば乗り越えられないはずはないと、当時はそう思ったのです。わたし自身にはうつの経験がなかったので、それが自分たちの生活にどんな影響を及ぼすのか、まったく予測がつきませんでした……。
うつを運ぶ黒い犬の影は、周囲にいるわたしたちの日常をも覆ってしまいます。大切な人の体調を案じ、彼らを支えるという点では多くの病気と同じでも、うつ病ほど、闇のなかを手探りで進まなければならない病はないでしょう。それはまるで卵の殻の上を歩くようなもので、ひどく疲れるし、ストレスもたまります。
しかし、うつ病の治療において周囲の支えはとても重要なのです。わたしたちは、患者の回復に計り知れない影響力を持っています。医師の目の届かない部分で患者に寄り添い、彼らの置かれた状況を誰よりわかってあげられるのは、わたしたちなのですから。
本書を執筆するにあたり、うつ病の家族や友人を持つ方々にお話を伺い、互いの体験を分かち合うことの大切さをひしひしと感じました。苦しんでいるのはわたしだけじゃない、それがわかるだけでどれほど励みになることか。
病克服は、当人はもちろん周囲が現実を受け入れ、回復を信じて歩みつづけられるかどうかにかかっています。わたしとマシューはユーモアを忘れず、互いを思いやることでなんとかここまで乗り切ってきました。まさに〝病めるときも、健やかなるときも〟添いとげられるかどうかを試されたわけですが、互いの胸のうちをさらけ出した結果、いっそう絆が深まったと今は感じています。
この本をきっかけに、みなさんが大切な人とのあいだに横たわる黒い犬への理解を深め、力を合わせて回復への道を歩まれることを祈っております。うつは必ず治る病です。いつかまた、笑える日が来るのです。
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。