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彼女たちの20代
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年6月15日
- 書店発売日
- 2023年6月15日
- 登録日
- 2023年5月7日
- 最終更新日
- 2023年5月12日
紹介
オードリー・ヘップバーン、ココ・シャネル、草間彌生、マリー・クワント、オノ・ヨーコ…
時代のアイコンとなった彼女たちは、二十代をどのように過ごしたのか。
何を考え、何に悩み、何に苦しみ、どのようなことに幸せを感じ、どのような出会いが
あり、そして、どのように生きたいと願っていたのか。
世界的に有名であること、私自身が興味を惹かれ、伝えたい二十代のエピソードがあること。
その視線から十三人を選びました。
若くして世界的な名声を手にした人もいます。明確な目標にむかって無我夢中だった人もいます。軽やかに好きなことを仕事にした人もいます。人生に絶望し自ら命を終わらせようとした人もいます。恋愛に悩みに悩んでいた人もいます。
その色彩はさまざまですが、執筆を進めるなかで、通底するものが見えてきました。
「はじめての経験」にどのように対処するのか、立ち向かうのか、傷つくのか、その後どうするのか。
それがどんなにささやかなエピソードであっても、そこに、すでにその人のスタイルが
ある、ということです。
そして、それはいまを生きる人々の多くに通底することではないか、と思うのです。
あなたは彼女たちの二十代に何を想うのでしょうか。
(序章より)
すべての世代に贈る、自分のスタイルを考えるきっかけになる一冊。
■「自分自身を表現するの。そうしたら自分を尊敬できるわ」ーマドンナ
■「二十代のころから退屈だけは拒絶し続けてきたわ」ーカトリーヌ・ドヌーヴ
■「若さのすばらしい点は、自分にはできると信じて疑わないところ」ーマリー・クワント
■「惨めなの。自尊心がもてるような活動がしたいのよ」ーダイアナ
■「自分らしくなれなかったら何になってもしかたがないでしょう?」マリリン・モンロー
■「描くことしか自分を救う道はない。芸術に人生を捧げたい。」ー草間彌生
■「私はこうなりたいと思い、その道を選び、そしてその想いをとげた。」ーココ・シャネル
■「それはまさに可能性を探す旅だった」ーヴィヴィアン・ウエストウッド
■「私はその朝、自分が何よりも愛するもの、今後一生愛し続けるであろうものを発見したの。」ーフランソワーズ・サガン
■「欲求不満のかたまりでした。将来は敷かれたレールを進むだけ。」ージャクリーン・ケネディ
目次
Contents
はじめに
1 草間彌生
――活動すべきステージに立つために闘ったシーズン
2 カトリーヌ・ドヌーヴ
――同じイメージのなかで凍りつくことを避け続けたシーズン
3 フランソワーズ・サガン
――「お祭り騒ぎ」のなか文学的地位を確立したシーズン
4 ヴィヴィアン・ウエストウッド
――自らの体験によってファッションの力を見出したシーズン
5 オードリー・ヘップバーン
――「努力に対する自信」で自分を支えたシーズン
6 ココ・シャネル
――「私は違う」と信じ続けたシーズン
7 マリー・クワント
――「自由に、自分らしく」を形成したシーズン
8 ダイアナ
――強くなるための自尊心を手に入れるべく、格闘したシーズン
9 マドンナ
――見下されることを拒否し、独自のスタイルを創り出したシーズン。
10 オノ・ヨーコ
――「私はただ私でありたい」と心で叫び続けたシーズン
11 フリーダ・カーロ
――愛の傷を描きながら、愛する人との関係性を模索したシーズン
12 ジャクリーン・ケネディ
――制約のなかで、自分の才能を発揮し、人生を切り拓いたシーズン
13 マリリン・モンロー
――劣等感を克服するために、ひたむきに努力を続けたシーズン
おわりに
参考文献
前書きなど
はじめに
あなたはいま、二十代をどのように過ごしていますか。
あなたは、これから二十代をどのように過ごしたいですか。
あなたはかつて、二十代をどのように過ごしていましたか。
二十代は、「子ども」では許されなくなってから「何者かにならなければ」「何かをな
さなければ」という、ぼんやりとした社会からの圧力がかかってくる三十代までの人生の
シーズン。
*
とてもやわらかで頼りなく、影響を受けやすく、自分の能力の限界がわからないから無
限の情熱をもつことができ、一方で、経験が浅いから、それがとても鋭利と知らずに感情
のナイフをふりまわして、自分やほかの人たちを傷つけたりすることが多い。
そして恋にしても仕事にしても「はじめての経験」だらけ。はじめての経験は心躍るこ
とも多いけれど、激しくつらいことも多く、だからこそあやうい。二十代はそんなシーズ
ンだと私は思います。
「有名な人たちが二十代をどんなふうに生きていたのか知りたい。いままで研究したり書
いたりしてきた女性たちの二十代をテーマにした本がすごく読みたいんだけど…」
いままさに二十代を生きている彼女からそんなリクエストがあったのは昨年、早春のこ
とでした。彼女は出版社ブルーモーメント代表であり、私の娘でもある竹井夢子です。
*
私の執筆テーマのひとつに「女性の生き方」があります。
これまでに作家、女優、デザイナー、歌手、美術家…さまざまな分野で歴史にその名を
刻んだ人たちについて書いてきました。
いまでこそ有名で、その人生を知りたいと思わせる彼女たちですが、最初から有名であ
ったわけでは、もちろんありません。
そんな彼女たちの二十代、まだ自分が何者かわからずにいたシーズン、「はじめての経
験」だらけだったシーズンに焦点をあてた本…。
彼女からのリクエストを受けて、それを私は書きたいか、書けるか、あれこれ考えなが
ら過ごしていたある日の夕刻、モノクロのイメージがふと浮かびました。
書店をさまよう二十代半ばの私の後ろ姿です。
*
いまの自分に響く本、生き方を考えるきっかけになる本を探して、なかなかなくて、そ
れでも何かないかと、あのころ私は毎日のように書店に出かけ、長い時間をそこで過ごし
ていたのでした。
すこし途方に暮れたようなモノクロの後ろ姿に、ああ、と思わず声がもれました。
あのとき、私が求めていたのは、まさに彼女がリクエストしている本だったのです。
書きたい、と思いました。
彼女たちは二十代をどのように過ごしたのか。
何を考え、何に悩み、何に苦しみ、どのようなことに幸せを感じ、どのような出会いが
あり、そして、どのように生きたいと願っていたのか。
*
世界的に有名であること、私自身が興味を惹かれ、伝えたい二十代のエピソードがある
こと。
その視線から十三人を選びました。
若くして世界的な名声を手にした人もいます。明確な目標にむかって無我夢中だった人
もいます。軽やかに好きなことを仕事にした人もいます。人生に絶望し自ら命を終わらせ
ようとした人もいます。恋愛に悩みに悩んでいた人もいます。
その色彩はさまざまですが、執筆を進めるなかで、通底するものが見えてきました。
「はじめての経験」にどのように対処するのか、立ち向かうのか、傷つくのか、その後ど
うするのか。
それがどんなにささやかなエピソードであっても、そこに、すでにその人のスタイルが
ある、ということです。
そして、それはいまを生きる人々の多くに通底することではないか、と思うのです。
*
あなたは彼女たちの二十代に何を想うのでしょう。
十代の人は「私はどんなふうに過ごしたいのだろう」と自分自身に語りかけるのでしょ
うか。
二十代の人は「私と同じ年齢のころ、彼女はこんなことをしていたのか。私はどうだろ
う」と、ちょっと立ち止まるかんじで考えるのでしょうか。
すでに二十代というシーズンを終えた人は、自分の二十代をふり返り、「もしかしたら
、あのときのあの経験が、いまの自分に何かを語りかけているのではないか」、そんな思
索の時間をもつのかもしれません。
本書を手にしてくださったあなたが、彼女たちの二十代から、自分自身のスタイルを考
えるきっかけを、自己探究の鍵を、見出してくれたなら、私はとても嬉しいです。
上記内容は本書刊行時のものです。