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九州文学
巻次:577号2021年秋・冬号
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年11月1日
- 書店発売日
- 2021年11月5日
- 登録日
- 2021年10月23日
- 最終更新日
- 2021年11月4日
紹介
火野葦平や劉寒吉らを輩出し、82年の伝統を持つ九州発信の文芸誌『九州文学』577号。
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九州文學は1938年(昭和13年)、福岡県を中心に活動する火野葦平、劉寒吉、岩下俊作、原田種夫らによって創刊。以来、昭和・平成・令和と継承されていき、詩、俳句、小説と多くの作家が切磋琢磨して、創り上げてきました。2020年7月より第八期として新しく船出しリニューアル、第2号。80年の伝統を守りつつ、今後も豊かな言語芸術を志して参ります。
目次
【巻頭詩】
美暗の中で[麻田春太]
【詩】
コーヒーカウンターの想い出[松野弘子]
庭木たちのささやき美暗の中で[麻田春太]
田舎・山育ちの亡父追想[椎窓たけし]
メダカ[高森 保]
秋の声[柴田康弘]
塒[林 恭子]
壁蝨の話[麻田春太]
萩の花咲きてありや[金子秀俊]
【随想】
ダイエット[小松陽子]
【俳句】
秋は飽き厭き空くらす[麻田春庵]
未練文[中園 倫]
【短歌】
偶 感[中村重義]
【掌編】
祈 り[今給黎靖子]
山は秋色[木村 咲]
仮の妻[小泊有希]
波濤千里[森 泰一郎]
【小説】
自殖録[城戸祐介]
平成のお役所事情[木島丈雄]
黒い街 白い街[高瀬博文]
思い出はコーヒーの味[小野 悟]
雪しぐれ[由比和子]
【評論】
科学エッセイ 細胞の寿命 個体の寿命 腹八分で召し上がれ[屋代彰子]
小論 意識と感情 天守台で考えたこと[野見山悠紀彦]
【コラム】駐輪場利用のマナーと軽犯罪/パンと私/夜釣り
【ご挨拶】[第八期『九州文学』編集発行人 木島丈雄]
■運営・編集委員会便り
編集後記第5回「安川電機九州文学賞」表彰式報告
既刊号への時評・季評抜粋 他
前書きなど
【巻頭詩】
美暗の中で[麻田春太]
美しき暗がり
満たされない暗さ
慣れない暗さ
安心できない不安な暗さ
程よい空気のような暗さ
よどみ幽かな暗さ
その暗さは月明かりではない
その暗さは星明かりでもない
不安で切ない夜
でも不思議と美しく暗い
私の秋よ
この美暗の空気に口づけせよ
美暗の空気に包まれ
私は静かに眠る
* *
【ご挨拶】
多くの皆様に惜しまれながらご逝去された中村弘行前編集長の後を受け、令和三年六月二十七日に実施された九州文学同人会総会において、『九州文学』の編集長という大役を仰せつかりました木島丈雄でございます。
長く輝かしい『九州文学』の歴史に思いを致すと、恐れ多い思いですが、精いっぱいつとめたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
若干所信を述べさせていただきます。
『九州文学』を隆盛させるには、まず何をさておいても皆さまが立派な作品を書いていただくことに尽きると思います。(略)
皆さまが、誰もがうーんと唸るような素晴らしい作品を『九州文学』に投稿されることによって、『九州文学』はさらに磨かれていくでしょう。
同人誌でしか書けないこともあるはずです。たとえば、あまりにも先鋭的で商業誌では掲載されない実験的作品とか、誰も知らなかった稀有な体験とか、あるいは、歴史に埋もれた市井の人生の一瞬のきらめきとか。
あなたの思いのたけを文章に定着させてください。
『九州文学』はあなたの思いをしっかりと受けとめます。
面白い作品を待っております。よろしくお願い申し上げます。
第八期『九州文学』編集発行人 木島丈雄
上記内容は本書刊行時のものです。