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社会のストレスとこころ
パーソナリティ障害と集団ダイナミクス
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年3月20日
- 書店発売日
- 2023年3月28日
- 登録日
- 2023年1月26日
- 最終更新日
- 2023年3月28日
紹介
○私たち個人が「社会」という他者と出会って生じる“ストレス”に、こころはどのように相対し、自らを修正して、健康を維持あるいは回復させているのでしょう? 本書が描くのは、そんな無意識のダイナミクスです
○社会という普遍的な視点+パーソナリティという個別の視点、その両眼視で、コロナ情況からウクライナ戦争まで、“集団という生きもの”の無意識が浮かびあがります。なかでも、「ストレス状況へのレスポンス」のキーポイントとして、〈自己愛性障害〉というこころのあり様を、四つの臨床例に基き描出します。
目次
●集団のダイナミクス
第一章 集団のこころの動き
逃避し依存するグループ
内的空想がエネルギーになるとき
第二章 もうひとつの集団力動
こころの危機から護るために
自他いずれかにむかう攻撃性
気づけるよう 選択できるように
援助者が関わることで
●精神分析的心理療法の実際
第三章 こころのあらわれ――言葉や考えが誕生する
第四章 自己愛世界に他者が登場する
第五章 夢想が明らかにしたもの
第六章 「中断すること」によって明示されたこころ
終 章 自己障害患者にどう関わるか
自己の発達にかかわる苦しみ
新しい自分を試みるために
向いている? 向いていない?
文化にまつわる視点
自分中心から自他共生に
おしまいに
前書きなど
★著者からのメッセージ その1
○私たち個人のどこかに存在している“こころ”が、外部の他者と出会って、集団によって形成された「社会」に対峙すると、いったい、どんなことが起るのでしょうか?
○実際には一人ひとりの“こころ”が臨機応変な対応をして、問題が生じないことが圧倒的に多いでしょう。その時その人のこころは健康な状態にあるのですね。ただ、私たちはいつも健康でいたいのですが、外的そして内的事情に応じて、健康とはいえない状態になるのを避けられません。
○私たち個人と「社会」という他者集団のあいだに生じる“ストレス”に、私たちのこころはどのように相対し、みずからを修正したりして、健康を維持(あるいは回復)させているのでしょうか?――本書で皆様と考えていきたいのは、そうした無意識のダイナミクスなのです。
版元から一言
★★著者からのメッセージ その2
○この本では、こころの健康が損なわれた状態を代表する例として、集団でのストレス状況へのレスポンスのひとつ、〈自己愛性障害〉という“こころのあり様”をとりあげます。
○この自己愛性のレスポンスは、治療において特に難しい障害だと言われています。なぜとなら、その時その人は、「自己」感に障害があると同時に、他者の世界(社会)という現実がその人が“こころ”に存在しにくい状態にあるからです。「現実が存在しにくい」ということは、その人にとって「空想」がこころの多くの活動部分を占めている、ということになるのです。
○それでは、皆様といっしょに本論へと進みましょう。
上記内容は本書刊行時のものです。