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57人のおひめさま 一問一答カウンセリング
迷えるアナタのお悩み相談室
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年7月22日
- 書店発売日
- 2021年7月16日
- 登録日
- 2021年6月17日
- 最終更新日
- 2021年11月5日
紹介
現代人の抱えている「恋愛」「仕事」「人間関係」「家族」「心と体」にまつわるお悩みに、オールカラーのイラストで描かれた57人のお姫様が答える。ヒロインとして物語の世界を生き抜いたお姫様から、生き方のヒントを学べる一冊。
目次
恋愛のお悩み/仕事のお悩み/人間関係のお悩み/家族のお悩み/心と体のお悩み
前書きなど
プロローグ
満月の夜。悩みで頭がいっぱいだったあなたは、道を一本間違えてしまいました。
はっとして顔を上げると、薄暗い路地裏におばあさんが座っています。提灯の濃いオレンジに妖しく照らされた顔には、風格ある皺がくっきりと浮き上がっていました。正面の机に一冊の本が置かれています。
目が合うなり手招きされ、あなたはおそるおそる近づいていきました。
「あんた、悩んでいるんだろう。だからこんな路地裏に入ってきた」
「えっ、どうしてわかったんですか」
「そりゃあ、辛気くさい顔をしてるからだよ」
おばあさんはくつくつ笑って続けます。
「私がここで何をしていると思う?」
「え? うーん、占いですか?」
「違う違う、イタコだよ。口寄せをするのさ」
「口寄せって……亡くなった人を憑依させて、話すやつですよね」
――オカルトだ、あやしい。
いぶかしげに眉をひそめるあなたに、おばあさんはぐいと顔を寄せます。
「信じてないねえ。でも、口寄せであんたの悩みは軽くなるよ」
おばあさんは机の上の本を手に取り、目の前に突き出しました。
「この本の中に、たくさんのおひめさまがいる。さまざまな国のさまざまな時代を生きたおひめさまが、あんたの悩みに答えてくれるだろう」
「相談したら、今の悩みがなくなるんですか?」
「すぐに溶けてなくなるほど、あんたの悩みは矮小なのかい? ネット世代はすぐに答えを欲しがるからいけない。そんなちっぽけな悩みならネット検索でもするんだね」
「だって、おひめさまが答えてくれるって言うから!」
「おひめさまは、ぐるぐる悩んでいるあんたに気づきや選択肢を与えて、光を見せるだけだ。その光の下へ行くも行かないもあんた次第だよ」
「あくまでアドバイスってことですか?」
「そうだよ。自分で決断して行動しなければいつまでも強くなれない。またすぐ壁にぶつかって悩むだけさ」
なーんだ。ちょっとがっかりしながら本を開くと、たくさんの悩みがずらりと並んでいます。今あなたが抱えている悩みや、前に抱えていた悩み、これから抱えそうな悩みもありました。
「気になる悩みを選んでごらん。相談相手にぴったりなおひめさまを呼んであげるから」
「本当に……? そもそも、なんでおひめさまなんですか?」
「おひめさまはいつかのどこかのヒロインで、その舞台の主役を張る実力の持ち主だ。あんたの人生の主役は、もちろんあんた。おひめさまから主役たる生き様を学びなよ」
――なんだかよくわからないけど……ダメでもともと、渡りに船、悩みに老婆。試しに聞いてみよう。
「じゃあ、お願いします」
「はい、1600円」
「お金取るんですね」
「取るよ、これで生きてるんだからね」
「じゃあ……この悩みについて相談したいです」
お金を渡し、おずおずとひとつの悩みを指さすと、おばあさんは両手を提灯にかざしました。
橙色の光が大きく揺れ、流星群が降り注ぐようなきらめきに包まれた瞬間―――凛としたおひめさまの声が聞こえてきたのです。
版元から一言
心理カウンセラーである著者ならではの、質問者に寄り添った、時に優しく、時に鋭い回答は、悩める心を軽くしてくれます。57人全てのお姫様がフルカラーで美しく描かれているので、画集のように眺めるだけでも癒される一冊に仕上がりました。
上記内容は本書刊行時のものです。