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「上代のことばと文字」入門
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年1月31日
- 書店発売日
- 2020年1月14日
- 登録日
- 2019年12月12日
- 最終更新日
- 2020年1月9日
紹介
漢字を構成する三要素、〝字形・漢字音・字義〟を理解するために。
『古事記』『日本書紀』『万葉集』『風土記』をはじめ、上代文学作品は漢字のみで記されています。
〈読む〉ためには漢字を理解できていなければなりません。
基礎知識とその運用法、工具書とその使用法を解説します。
目次
「上代のことばと文字」への招待―上代文学研究における国語学とは何か[瀬間正之]
I●上代文字資料をどのように扱えばよいか
上代文学と国語学―地名「高羅」をどう訓むか[瀬間正之]
1 導入
2 『肥前国風土記』「高羅」をどう訓むか?
上代の字体入門[笹原宏之]
1 上代の文字資料
2 漢字の分類と用語
3 中国製漢字
4 日本製異体字・日本製用法・日本製漢字
5 おわりに
原本系『玉篇』の意義と検索方法[瀬間正之]
1 原本系『玉篇』と上代文学
2 原本系『玉篇』書誌・現行本
3 原本系『玉篇』検索方法
4 その後の佚文検索
「萬葉集用字考証実例」索引
六朝口語(唐代口語)をどのように調べるか[瀬間正之]
1 六朝口語と上代文学
2 具体例1「所有」
3 具体例2「不問」
4 具体例3「~得」
5 調べ方
* * * *
国語学の知識と方法をどのように生かすか―上代文学研究における課題を探る[上野美穂子]
1 はじめに
2 文字選択の可能性と訓詁注釈
3 音声・音韻・文法からみた『万葉集』研究
4 さいごに
II●研究状況とこれからの課題
『続日本紀』宣命の語彙をめぐる諸問題[根来麻子]
中国の詔勅類と宣命との関係/語彙の位相と述作者の用語選択/日常的な文書類の語彙との共通点/今後の展望
被覆形・露出形の様相[蜂矢真弓]
被覆形・露出形の先行研究/名詞の被覆形・露出形/名詞・動詞・形容詞の被覆形/形容詞の被覆形・露出形/被覆形の様相/付録 品詞別被覆形・露出形の例
表現から見る『日本書紀』の成立[葛西太一]
『日本書紀』の性格/その表現は漢語漢文か/その表現は文言文か/規範の所在/今後に向けて
木簡がことばと文字の研究にもたらした新知見[方国花]
日本における木簡研究のはじまり/木簡研究がもたらした新知見/木簡関連データベースの紹介/東アジア的視点での木簡研究
III●知っておくべき基本研究文献
[岩澤克・田中草大・黄明月・方国花・宮川優・瀬間正之]
前書きなど
上代文学を研究するに際して、必須の「ことばと文字」に関する基礎知識とその運用法、工具書(原典資料を読解したり先行研究を調べたりするための辞書・辞典・索引・目録など)とその使用法を中心に、現在の研究水準も踏まえて解説することを目的としてセミナーを開催しました。……このセミナーは、講師が最先端の成果を示すばかりではなく、若手研究者や研究の道を志す皆さんとともに、新しいテーマを発見してゆく場をめざしています。……宣命(せんみょう)・日本書紀・木簡に関する若手研究者の問題意識と、被覆形(ひふくけい)・露出形(ろしゅつけい)に関する新進の研究者の試みが、今後、多くの若手研究者・研究を志す方々の一つの指針となれば幸いです。
(「「上代のことばと文字」への招待―上代文学研究における国語学とは何か」より)
上記内容は本書刊行時のものです。